異世界の朝
「朝です。起きてください。」
「・・・・ん」
目の前には、黒と白を基調としたメイド服を着ている美人というよりは美少女という感じのメイド少女が朝日で金色に輝くショートカットの髪を、揺らしながら私を揺すっていた。
「・・・あなたは、??」
「ご主人様付きのメイドのルナと申します。」
「ご主人様って??」
ご主人様はご主人様です。」
「??・・・ん
それって、私のこと?」
「もちろんでございます。」
(いつの間にメイドなんか付いた?)
実は、ゆいがこの部屋に来る時に一緒に来ていたが、眠た過ぎてそこまで意識が回っていなかったのだ。
「・・・ゆい」
「 はい!?」
「・・・だから、 ゆい」
「ご主人様の名前ですか?」
「・・・ん」
「では、ゆい様と呼ばしてもらいます。」
「ルナは、私 怖くない?」
ゆいは、地球での学校生活の中でその事で、忌嫌われていたのでこの異世界でも嫌われるのではないかと心配している。
「何故ですか?」
「えっ ・・・」
「だって白髪で葵目だし・・・」
「何故ですか?私から見てもゆい様は綺麗な髪と目だと思いますよ。」
「でも、これで怖がられて来たから」
「ゆい様の世界の事は知りませんけど、こっちでは逆に憧れている人は憧れると思いますよ。」
「・・・何故?」
「えーっとですね、この世界には第1から第13までの魔王がいまして、いくつかの魔王とは平和条約を結んでいるのですが、でその13の魔王の中で最も強いのが、第1魔王でその髪と目は白と葵だからです。
えーとつまり最強の魔王にみんな憧れているのですよ〜。」
第1魔王から第13魔王までの中で、第1魔王が一番強くそれでいて一番素性が知られていなかったりする。白髪で葵目が知られているのは、夜月のなか白髪をなびかせ葵目を光らせているという噂が出回っているのだ。
第1魔王はそれでいて、世界教会の隠れトップとも言われているのだ。
「ゆい様、もうそろそろ朝食のお時間です。どうしますか。?」
「要らない。」
「私食べなくてもいい」
「えっ・・
何故です
私の対応が悪かったでしょうか
それとも何か気に食わない所でもあったでしょうか?」
「そういうわけでは無くて、私お腹空いてないだけ。」
「そういう事ですか。
では、朝食を取りやめにしておきます。」
そう言ってルナは、頭を下げながら上半身は動かさずに後ろへ下がって行った。
(凄)
そう思ったゆいだった。