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終章〜試練とはなんだろう〜終話
光魔は気づくと知っている空間に立っていた。
今だに体のあちこちが軋むように痛みがある。
回りを確認するとどう考えても知っている空間だった。
しかし、何故この場にいるのかは分からなかった。
立っているだけで何かを期待してもそれは無駄と知っている。だからこそ行動を起こしてみた。
一つは唾を吐き捨てる。
何も起こらない。
一つは取り敢えず殴ってみる。
反応なし。
一つは走ってみる。全力で。
何も成らず。
一つは独り言を暫く呟いてみる。
虚しさが増しただけだった。
一つは泣いてみた。
何処かで笑われている気がした。
一つは手当たり次第に口にいれてみた。
腹は膨れるが満足はしなかった。
一つは笑いながら体操をしてみた。
意味はなかった。
一つは何も考えず歩いてみた。
心の穴が拡がった。
一つは正拳突きをしてみた。
音が震えた。
一つは瞑想してみた。
心が落ち着いただけで終わった。
最後に解放して、全力を込めて空間全てを破壊する。
一柱と一人に羽交い締めにされて止められた。