二章 〜邂逅と契約の・・〜終話
人々がほぼ寝静まる時間。学園校舎。屋上。普段は出ることを禁止されている。
その理由が大きな濾過装置が所々に配され、其々を繋ぐパイプもまた大きく。
しかし、現在は使用されていない。
撤去には相当な費用が懸かることと時間が無いことでいつの頃からかそのまま放置されている。
それ故に、壊れ腐食し、残骸と化した装置は撤去されないまま時を刻んでいった。
小さな息遣いは装置の陰から感じられるが、この時間では余り活発な動きは無い。
それは、次の日が昇るまでの静寂な時間。
それがこの日にはある小さな怪異を伴って破られていく。
その兆候は屋上の隅に前触れもなく放電現象が発生。それに伴い周囲の小さな生物が逃げ惑い我先にと散っていく。
放電が収束すると微振動が建物を揺らす。
微振動といえ体に感じる揺れはある程度あるのだが何故か周囲の建物から一切の反応めいた行動がない。
静寂の中で屋上の現象は進んでいた。微振動が止むと屋上にだけ強風が吹き荒れる。
廃棄された機材が風に飛ばされ当たると暴発をお越しそれを継起に連鎖的な爆発が引き起こされる。
この爆発でも起きる気配はなく、屋上の地獄絵図が展開されるだけであった。
そして、爆発も収まり。三度の静寂に包まれ、暫く経過すると、空中に大きな裂け目が走り開くと、人影が吐き出されていく。それは光魔なのだが吐き出された先には別の裂け目が大きな口を開け、光魔を飲み込んでいく。
次に同じ現象が学園の門に起こり、裂け目から光魔が吐き出され又、別の裂け目に呑まれて行く。
その次に各ゲートに同じ現象。光魔が吐きだされては入っていく。
現象が各地に起こり、光魔を吐き出しては呑み込み。十数回は繰り返しただろうか。
そして最後に吐き出された場所は黒く何処までも黒い何処かの空間に放出され地面に敷き詰められた緩衝材によって気を消失している光魔は怪我をすることなく、着地する。
重い扉を開けるような音と共に複数の足音と静かな息遣い。
光魔の周囲に複数の影が取り囲み、光魔を恭しく扱い、元から用意されていた大きなベッドへと運ばれ、丁寧に寝かすと扉へと向かい、最後の人影が振り向き深々とお辞儀をしてから重い扉を閉めた。
そして光魔の寝息が空間に響き渡る。
「おおお。おおおおお。遂に、遂に。この、この、時が、時が、来、た、の、で、す、ね。」
歓喜による水分を穴という穴から垂れ流し、回り、スキップ、歌い、空中で格好決め、光魔を寝かせているベッドの脇へと膝を強打させ、流れるように額を床に叩きつける。
空間から歓喜と狂喜が響いていく。
二章〈完〉