二章~邂逅と契約の・・〜第2話
ああ。どうして俺はこんな所に居るんだ。
ああ。確かなことは、あの胸くそ悪い状況を無理矢理に終わらせて、固まった奴らを無視して外に出た。
後は、あの軍がどうにかする手筈になっていて、俺は体を休めようと帰るつもりだった。
その、筈だ。
ふん。そうだ。どの向きかは、いや、あのとき真横から強烈な風を伴って獣臭が鼻を衝き、咆哮が耳を突き刺して、体が狂う感覚。
聞こえた方向に視線を移すと、そこには大きな口と数百の歪な歯。その奥には気持ち悪くうねる二本の太い触手。
それを視界に捉えると急に暗くなり、気がつくと何もない空間にいた。
体は動かせるけど今は動かさない方が得策だろう。
あ、何か気配を感じるけど。
おお。体が意識に反して勝手に動く。さてさて何処に行かされるのか。
ん。あれは、人、か、な。
あ、止まった。
あ、何か解けた。
長い話が続くのか、いきなり話し出した。
言葉は理解できるけど、なに言ってんだ。
あ、体が自由に動く。
ふうん。そっか。
少しだけ動いて。
手を差し出して、と。
は、何を笑っているのかね。
お、手を出してきた。
なら、
「吹き飛べ」
顔面が有るはずの場所目掛けて渾身の一撃を。
当然。吹き飛ばされるわな。
お、ぶっ飛んで行ったな。
はあ、スッキリした。
あ、今、気がついた。ここは効かないのか。
戻ってんじゃん全部。
大丈夫かな。