二章~邂逅と契約の・・〜第1話
少年は項垂れ表情が読めないが、話を進める。
「始めまして。少年よ。我は世界の始まりの1つにして、根幹を勤める者なり。少年よ。ソナタが現状を把握していることは理解している。そして、突然の事で衝撃を受けているのも理解している。更に、此処が何なのかは判らないだろうという事も」
それを説明するために近くへと手繰り寄せる。
「少年よ。自我は多少残っているだろう。だが、肉体は動かすことは出来ない。が、そのままで我の話を聞いていてもらおう」
少年がいる空間は少年がいた世界とは全てが隔たれた空間、この場にいる少年は心。つまり魂という存在だけであり、この状態だといずれは消滅か喰われるだろう。
それは、少年にとって危機的状況。
打開策が無いわけではないが。しかし、それは、少年にしてみれば理不尽だろう。
だが、時間は無い。今、決断せねば少年は前の言葉通りに消滅か喰われるかだ。
さあ、撰ぶが良い。このまま、消滅、補食。どちらかを。
さあ、どうした。言の葉を紡ぐ力はあるはずだ。
無言は無駄に時を浪費するだけだぞ、諦めて撰ぶが良い。
少年の足が動くと近づいてくる。
確かな力をもって、手を差し出してくる。
心が満たされていく。そう。
これで、運命は確定した。