二章~夜の声、夢の導き~第四話
年が明けて、一月。心が限界に近づいている。
勉学も行事も全て放棄、延々と自室に籠り続けている。
流石に我慢が限界に来たのだろう。他の住人に部屋を追われ仕方なく気分を変えるために外を歩く事にした。
しかし、追い出されたのは良いのだが、時間が遅すぎ、気温が一番冷え込んでいる時間だった。
何処も開いている事はなく、静に世闇のなかに居座っていた。
気がつくと広い場所に出ている。
そこは、暗すぎて見えにくかったがどうやら川に面した公園。
ため息を吐きかけて呑み込んでしまい、恐怖する。
何故なら暗闇の光届かぬはずの場所に気づいた時には小さな扉が宙に浮かんでいる。
何かを感じるか、それはない。
しかし通常なら、どう考えてもその状況は恐怖に呑み込まれ、その場を逃げるか足がすくみその場で気絶するか。
もしくは、混乱、発狂し立ち尽くすか。
興味を持って近づきその扉を開けようとするか。
だが、少年はそのどれでもなく、手に持っていた端末を思い切り扉に向けて投げつけた。
それは、扉に向かう時鳴り響いているのだが、それは遅く、そのまま扉に当たって壊れた。
それを見て少年は周囲を見回して何かを見つけると拾い上げ更に扉に向かって投げつける。
これも扉に当たり何事もなく地面に落ちた。
一度頷いて、扉に向かい開ける。
扉の向こうから色々な風が背後へと吹き抜けていく。
息を吐き足を扉の向こうに踏み入れた。