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序章~初め2~終話
あの後を語ろうかな。
と言っても、聞いただけだから真実は別になるかもだけど。
では、語ろう。
僕が敗けを宣言して舞台を降りて、会場を出たあと、救急が舞台に駆けつけて、その場で緊急手術を行った。
そこは勿論、腕の確かな医師達なので数時間で終了した。
勝者セレモニーを通例ではするけど今年も一応はしたらしい。
祝賀準備を完璧に済ませていたため無駄にするわけにはいかなかった為と憶測だけど言っていた。
会場は祝賀的な雰囲気じゃ無く、むしろ葬式のような感じだったらしい。
それは。当たり前だろう、と、思った。
あんだけ賭けに負けて勝負に敗けて試合にも結果的には勝っても実際は敗けと変わらない。そんな状態であんなことをすれば火に油、傷口に、塩と劇物を練り込んで深いところに塗りたくる行為と一緒。
あれは、もう、立ち上がれないだろうな。
あと最後に一つ、あれが届くのは何時なのかな。
序章〈完〉