幸せのカケラ
何らかのきっかけで
空いてしまった心の穴
そこには寂しげに吹く風しか通らなくて
銃で撃ち抜かれた一瞬の痛みではなくて
次第に心の一部が溶けてゆく感覚
まだ頑張れる 引き留めておける
そう励まして抑え込んでいた心の叫び
分かっていたのに 分かっていないフリをした
無理をしすぎて ついに自分の心を壊してしまった
大切にしようと思った
そんな存在をなくしてしまった今
私はどこへとさまよい歩けばよいのだろう
空いてしまった心の穴を
何で塞げばよいのだろう
遠い過去はチリのように儚く消えて
私には掴むものが見つからなくて
今はもう
広大な空を見上げるしかなくて
誰かが言った
空いてしまった心の穴は とても貴重なものだって
誰かが言った
空いた心の穴に 幸せを埋め込むチャンスだって
心にぽっかりと空いた穴に 幸せのカケラを埋め込んでみても
本当に私は幸せを感じることができるのだろうか?
幸せになりたい私と
過去を追い続ける心の狭間にいる私
私は幸せのカケラを見つけることができるのだろうか?
この喪失感を 埋め込むことができるのだろうか?
誰かが言った
幸せを見つけようと思えた時が 幸せの始まりだって
一匹のアリが砂糖を運ぶ姿を見かけた
その姿が勇敢すぎて
自分はなんて弱いのだろうと
望みをなくしかけた液体が じわりと目元を濡らす
けれど
その弱さに気付けたことが
幸せだと気が付いた
弱いから
心を抑え込んではいけない
そう思えたんだ
少しずつでいい
心の穴を 幸せで満たすことができれば
それでいいと思った
読んでくださりありがとうございました。