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# Phase  作者: 日波清乃
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/00 Able(4)

私は彼女、橘沙織がその言葉に続けて話した理由に何だか恥ずかしくなった。


まず彼女の彼氏はサッカー部の先輩、つまり多部先輩と同じ部で同学年であるということ。

彼氏から聞いた話によると多部先輩は気になる子がいるということ。

多部先輩は私立大学専攻クラスだから推薦が決まっているにも関わらず図書室に通っていること。


彼女は何だか自分の自慢でもしているのかと錯覚するほど自慢げに話した。

あと彼氏にその話を聞いてから私と話したいと思っていたとも話した。


「だから、多部先輩は田端さんのことが気になってるんだよ。」

と彼女が最後に自信満々に言い張った言葉には私は唖然とした。


私の中では先輩の気になってる人が本当に私だったらいいなと思った。

だけど私の性格は「そんなわけがない」と真っ向から否定した。


「袋開けようよ。」

と自分のことのように目を輝かせて私にそう即してくる彼女の存在が嬉しかった。


袋を開けると中身はピンクパンダのキーホルダーと手紙だった。

手紙については彼女は何も触れてこなかった。


だから先輩が来る前に図書室で手紙は一人で読んだ。

「みさちゃんへ」とお世辞にも綺麗とは言えない字で書き出した五行の手紙。


 手紙とかなんか改まって恥ずかしいな。

 今家族で上野動物園なうです、いや、みさちゃんが手紙読んでるころにはわずやけど(笑)

 ピンクのパンダ、超可愛くね、俺の一目ぼれなんやて。

 あー書くこといっぱいあるのになんか書けんわ(笑)

 まあいつもの図書室で話そう(小声でww)


なんか先輩らしいな、四行目なんてもう心の声じゃん、普通手紙に書かないよ、こんなこと。

とあれこれと考えていたら何だか、もしかしたら先輩が気になる子て私かもしれないとか思って急に嬉しくなったり恥ずかしくなったりした。


ガラッと図書室の扉が開く音に心が高鳴るのが分かった。

「田端さん、静かにね。誰もいないけど図書室なんだから。」

と司書の先生だった、先輩だと期待した自分が恥ずかしくなった。


その数分後、先輩は図書室にやってきた。

私なんて存在が霞んで見えなくなってしまうんじゃないかと思うくらいの綺麗な女の人を連れて。

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