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# Phase  作者: 日波清乃
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憶病な私に先輩は気づいているのか、いないのか。

多部先輩と図書室で言葉を交わさない日はなかった。

だけど話が続かないのは私のせい、私がいつも上手く返せてないからである。


「数学って難しいよね。」

と先輩は私が返答しやすいようにしてくれるようになった。


「難しいですよね。」

とまた私は他愛のない返答をしてしまう。

先輩と話すようになってからそんな私を嫌いだと思うようになった。


「俺も数学取ってればな、みさちゃんに教えてあげられたのにね。」

と先輩は残念がる素振りを見せる。

私はその気持ちは確かかは分からないけど、嘘だったとしても嬉しかった。

あと先輩は文系で私立大学専攻クラスであることを知った。


「俺は体育くらいしか出来ないからな。」

とまた無邪気に笑ってみせた。


「ってみさちゃんは興味ないか。」

とまた笑った。


私は何も返答出来なかった、多分先輩は私が本当に興味ないんだと思っているかもしれない。

「そんなことないです。」くらい言えば良かった。

後悔したのは帰りの電車の中で、最近は電車の中で先輩との会話についての反省をすることが多くなった気がする。

そして明日はもう先輩が話しかけてくれないかもしれないと思うと凄く悲しくなった。


予想は的中した、先輩は図書室にすら訪れなかった。

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