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最初の遭遇

「つまり、おっさんはこの国の王様で、あなた達が家来ってこと? 」

「まぁ、そういうことかな」

 浅黒い方の男は、表情が固かった。

「身分を明かさないでいた事は詫びよう。だが、命を狙われているのは本当じゃ」

「それなのに城から出るなんて、一体何をお考えですか」

「逆じゃよ、王座に居たら標的にされてしまう」

「その為に俺ら二人が居るんじゃん」

 男の子は不機嫌そうに言った。

「お前たちの腕は信用しておる。だからこうやって。一般人のふりをして町を歩けるんじゃ~」

 なにも知らない私だけが話についていけない。

「あのー、そんなに二人が強いんでしたら私は帰ってもいいかしら」

「ダメです」

 おっさんではなくカールと呼ばれていた男が言った。

「なんでよ、剣も魔法も使えない私に何ができるの? 」

「お姉ちゃんは、なんにもできないよ」

「お姉ちゃんじゃない勇者様じゃ」

 おっさんが訂正する。

「貴女にはこの世界で通用するどんな力も使いこなせないでしょうが、逆に貴女の世界でしか通用しない力を持っているのです」

「おっと、あんまり悠長に喋ってる暇はなさそうじゃ」

 話が終わるのを待っていたかのようなタイミングで、茂みから生き物が飛び出した。

「あれは怠惰な悪魔だ」

「動きはのろいがタフなやつさ」

「戦うの? 」

「いや、今回は逃げよう」

「なんで?」

「言ったじゃろう、セーブも復活もないのじゃ。勿論、傷が一瞬で治る事もない」

 

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