Work5 おおうつけ
馬鹿兄貴が帰ってきたのは、校長の終わりの言葉が終わってからすぐだった。
タイミングを見計らったかの様に丁度良く帰ってきたのだ。
そして、いつも通り「たっだいまー!」とか能天気に言ってきたのだ。
まぁ、その後どうなったかはご察しの通りです。
「すいませんんんんんんんんんんんんん!!会長としてあるまじき行動をしてしまいましたああああああ!!」
この通り。
帰ってきた直後に咲苗のとび膝蹴りをもろに喰らい、意識が朦朧としている間に部屋に連れ込み、ただいま絶賛説教中。
「会長、一度行ったなら帰ってこなくていいのに。なんで帰ってきたんですか?許してもらえるとでも思ったんですか?
もしそうだとしたらよくそんなこと考えられますね。日本の終わりを危惧してしまいます。」
グッサグッサと突きささる冷たい矢。どうやら図星の様で、会長は何も言い返さない。
哀れ。
「あはははは。風紀委員室の掃除だけではだめだな。うん。お前今日から一ヶ月間雑務へ格下げ。あー、でももう夏休みか。」
「そうですねぇ……夏休みの間も一応講座とかありますし……強制的に来させましょうか。」
「あんまりひどいことすると、風紀委員からいなくなっちゃうかもっちゃ!ソフトに虐めるっちゃ!」
雪夜、アレッサ、アリスは今後の会長の行方について話し合っていた。
主水と俺は溜め息をつきながらも、ゲームの話やら、漫画の話やらで盛り上がっていた。
咲苗は……まだ掃除していた。
凜ちゃんは……オドオドしていた。
「皆さん、会長職だけは取り上げないでください……雑務でも何でもしますからぁ!お願いです!このとおおおおおり!!!」
何度も何度も土下座して、頭を床にたたきつける会長。
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン………
うるせぇ。お前そのまま頭かち割れ。
「まぁ、じゃあ一ヶ月雑務で許してあげましょうか?皆さん。」
「「「そーだな。」」」
まぁ、これ以上虐めるのもかわいそうなので一ヶ月雑務という事で話がついた。
「ありがとぉおおおおおおおおおおござああああああいまぁああああああああああすううううう!!(計 画 通 り !)」
ニヤニヤしながらなんかすごく小さい声で呟いた会長。
ん?なんだ?なんかけ……ん?
「アレッサ、今会長が何か小さい声で呟いてなかった?」
問いかけるとアレッサはポケットからボイスレコーダーを取り出した。
いつも録音してると思うとすごく怖い………きっと会長の粗探しだと思うんだが……
「えぇっと……『計 画 通 り !』これで『計 画 通 り !』すかね『計 画 通 り !』」
……………はぁ。
「 」
会長、懲りない奴だ。
「ぅううう!!これは罠だ!アレッサが僕を陥れるために仕組んだ罠だ!!!」
会長は荒ぶる神の舞を披露しつつ、かなりの動揺を浮かべながら反論してきた。
でも、ボイスレコーダーの録音日はしっかりと今日の日付で、しかもついさっきの時刻になっている。
これをどう説明するのか、とても楽しみである。
「会長。」
冷やかな眼をした凍てつく会計は、足を思いっきり振り上げ、蹴りを入れた。
入れた場所はご察しください。
「アァアアアアアアアアアアアアアア!!アレッサァアアアアア!!だぁあああああああれを蹴ってるぅうううううううう!!」
会長は一人デスノブームの様だ。
「ふざけるなぁあああああああああああ!!蹴るならそこに居るそいつらを蹴れええええええええええ!!」
それは無理なお願いだ。
「私達は一体何のために!」
アレッサが乗って上げた。
優しい奴だ。
「私達……あぁ……風紀 委員会か……!」
名前っぽく「ふうき いいんかい」と読む会長。
悪乗りしてきてるな……
「あぁいう馬鹿真面目な集団が損をするんだ!」
会長の死刑判決はここで下った。
会長、アンタは馬鹿真面目な集団のトップなんだぜ。
「他の風紀委員を掃除に追いやって……馬鹿を見たで済まされるのか!!
コロス……コイツハコロサナイトダメダァアアアアアアアアアアアアア!!!」
アレッサ、本気モードです。
その後、風紀委員の怒りの鉄槌は半時間ほど続き、結局会長は二ヶ月間の雑務命令を下された。
もちろん、その間は授業に完璧に出なくてはいけないし、放課後を除く時間帯の外出を禁じられた。
オワタ。




