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Work4 伝説のスイーパー、副会長九鬼咲苗!


昼休みのゴタゴタが終わり、午後の部。

やっと、スイーパーがやってきた。


「お前ら、しっかりと仕事してたか?俺が言える義理じゃねぇが。」


あぁ、お前が言える義理じゃねぇ。


しかしだ、こうして掃除大好き人間が来てくれたのはとても嬉しい事だ。

もう後は咲苗に全部任せておけばいい。

そう、文句は言えない。なぜなら午前の部をまるっきりサボってるからだ。


これで「あーお前ら」俺達は「サボったりしたら」実に有意義にサボ「風紀委員室の庭に」れるんだ!「埋めるからな」


ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?


「ちょっと先輩!先輩だってサボってたじゃないですか!私たちにだってサボる権利くらい……!」


凍てつく会計がいつに無く熱い。そう言うお前もほとんどサボってるんだが。


「お前ら、良く考えろ。お前らサボるって事は、俺と同じになるんだぞ?お前らもサボって俺みたいな卑怯者になりたいか?

俺は別にいいんだよ。お前らの人生だからな。けどな、風紀委員はこう語り継がれるぜ。『人がサボれば自分達もサボっていい。

つまるところ人が校則を破れば自分達も破っていい。人が殺人を犯せば自分達も殺人を犯していいと考えている猿共』

ってなぁ。だいたいサボる権利ってなんだ?笑わせるな。権利を行使する前にまず自らが与えられた仕事を完遂しろ。

お前ら今日は何の日だ?美化清掃の日だろ?お前ら掃除が全員義務化されてんだ。義務を終えてからサボりな。」


ヤバい。言ってることがあってようと間違っていようと、あってる気がしてしまう。

なんだこの知的オーラ。これが学年次席なのか?


「でもテメェがサボったのは事実だろうが。」


主水が鋭い突っ込みを入れる。

流石は書記。知的オーラじゃ負けてないぜ!


「あぁ。わかったわかった。確かに俺はサボった。しかしな、何も目的も持たずサボったわけじゃない。

俺は寝坊しただけだ。つまり、サボったというより遅刻だ。」


遅刻すんな馬鹿。

堂々と胸張って言ってんじゃねぇ。


もうこの人正論すぎるから何言っても通じない。

確かに、サボったのは悪いが寝坊したというなら仕方ないという面もある。

俺だって寝坊もするし遅刻もする。


誰だってそうなのだ。だからこそ、誰ももう何も反論できないのだ。


しかしそんな中、一人凜ちゃんだけがキラキラと眼を輝かせながら咲苗の方を見ていた。



そんなこんなで、現在15時27分。

ものすごいスピードで残りの2/3の掃除を終えてしまった。


いやぁ、清々しい。美しいねぇ何時に無く。


「あぁ……清々しいぞ……」


主水も嬉しそうに手を広げ、存分に美しい空気を堪能していた。


「清々しいだろう?これだから掃除は止められんのだ。」


咲苗も両手を腰に当てアーッハハハハと高らかに笑っていた。


「………(クイクイ)」


またシャツの裾を引っ張られる。

何だまたお前かじゃなくて凜ちゃんが長い髪を風になびかせながらシャツをずっと引っ張っていた。


「どうしたの?凜ちゃん。」


一応、優しく笑顔で聞いてみる。

すると凜ちゃんは小さな声でこう呟いた。



「…………兄ちゃん………」



あ。


忘れてた。


会長、どうしちゃったんでしょうね

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