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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


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キャラ弁と雪国

 謎の研究者を滅殺して次の日。アジトもコロニーの副砲で消し飛ばしておいた。これで研究も消滅。俺たちを追う組織もいないだろう。いつものように部屋でごろごろしている。


「ハヤテ様ー、なんか面白いことないですかー?」


 リリーが俺のベッドでうだうだしている。携帯ゲームしているので、完全に暇ではないのだろう。俺も適当に返す。


「そのままゲームしてなさい。シオンは?」


「料理してる」


「お前も料理覚えたらどうだ?」


「んー、できはするんでしょうけど、食べるほうが好きですねえ。ノイジーのごはんおいしいし」


 確かに毎回うまい。朝は焼鮭定食だったが、塩加減までちゃんと調整されていた。あれが出てくるなら、趣味以外でやる気もしないだろう。


「少し様子でも見てくるか」


「んじゃ一緒に行きますよ」


 てなわけで厨房へ。エプロン姿のシオンが何かをせっせと作っている。


「あらハヤテ様。まだできていませんよ?」


「様子見にな。包丁とか危ないだろ」


「ありがとうございます。でも大丈夫ですよ。もう慣れてきました」


 台所を見ると、弁当が並んでいた。まだ完成していないのか、半分くらい食材と一緒に置いてある。


「このカラフルで顔っぽいのは……キャラ弁?」


「はい、キュアラブです」


「日曜朝にやってるあれか?」


「そうなんです。公式配信で作り方動画があったので、作ってみました」


 日曜にやっているアニメで、女の子が変身して戦うあれだ。妙に気に入っているらしい。年齢考えりゃ無理もないか。


「かわいくできてんじゃ~ん。やるねえシオン。こっちはハヤテ様かな?」


「そうよ。リリーにもわかるのね。これは会心の作よ」


 かわいくドヤ顔を決めているシオン。弁当は1個じゃない。なるほど、こっちは俺の顔か。よくできている。


「うまいじゃないか。よくできてるぞシオン」


「ありがとうございます。完成したらみんなで食べましょうね」


「よ~し、わたしが手伝ってあげよう。料理もできるところを見せたるでぇ~」


「俺もやるか。何からやればいい?」


「では野菜を切って、動画のように形を整えてください」


 作り方動画がホログラムで流れている。それほど難しい工程はなさそうだ。


「よし任せろ。自炊はしていた方なんでな」


 外食は金がかかるし、親以外の誰かが料理を作ってくれた思い出もない。よって料理くらいちゃんとできるのだ。


「私はのりを切りますね」


「じゃあわたしハンバーグ見とくね」


 こうして3人でキャラ弁を作る。誰かと料理という経験はなかったので、こういうのはとても新鮮だな。楽しいぞ。料理下手くそというか、意味不明な行動を取るやつがいないので、しっかり順調に進む。そしてついに完成。


「できました! 冷めないうちにどうぞ」


「やったね!」


 もう昼飯時だ。腹も減ったし、早速いただくとしよう。


「おお、うまいじゃないか」


 彩りもいいし、栄養バランスも考えられている。最近のキャラ弁は高性能だな。


「おいしぃー! シオンがんばったじゃん!」


「かなりうまいぞ。よくできたな」


「ありがとうございます。でもみんなで作ったからですよ」


 実際かなりうまい。味付けも濃すぎず薄すぎず、飽きないように作られている。それをしっかり実行できるくらい、料理に慣れてきたのだなあ。


「次はわたしやシオンの顔も作ってみようよ!」


「いいな。やってみるか」


「そのときはもっとおいしく作れるようになりますね」


 そんな感じでゆったりと時間は過ぎていく。充実した生活だ。これぞ楽園。食後のアイスティーをのんびり飲んでいると、シリウスアリーナのバトル中継が流れる。


「再放送だって。なんでだろ?」


「選手はもういなくならないのに……そうか、滅んだことを知らないのか」


 俺たちは隠密行動が常だ。誘拐犯が丸ごと消えたとは誰も思っていないのだろう。しばらくはランカーの保護が優先か。


「まあ俺たちは初見だからいいけどな」


「ですねぇ。おお、画面が白いぜぃ」


「あれが雪……冷たいのですよね?」


 雪フィールドでロボが戦っている。そうか、本物の雪を見たことがないんだな。おそらくこのコロニーなら作れるだろう。だが本物を見せるのも悪くない。正直寒いし歩くのしんどそうだが……こいつらの教育にはいいだろう。


「雪国行ってみるか?」


「いいんですか? やったー!」


「興味はありますが、こちらの希望でハヤテ様を動かしては……」


「気にするな。俺もこの世界の地球に興味がある」


「冬のスポーツとかしましょうね!」


「あまり期待しないでくれ」


 そんなわけでコロニーごと地球圏へ移動開始して数日後。目立たないようにシャトルを使い、ステルスモードにして地球に突入した。


「うっひゃー冷たい! 寒い! これが雪国かー!」


 スキー場に来てみた。リリーが雪を踏みしめて遊んでいる。シオンも雪を触って感触と冷たさを楽しんでいるようだ。

 ちなみに今回は3人とも金髪のアメリカ人風である。顔をしっかり変えておくことで、なんか安心するようになってきたぜ。


「冷たくてさらさらしていて、とても不思議です。これが空から降ってくるなんて」


「よく考えりゃ変かもな。俺もここまで降っているのを見るのは久しぶりだ」


 2人は子供のような純粋な笑顔である。曇らせないようにがんばろう。


「よーし遊びましょう! スキーってどうやるんですか?」


「いや知らんぞ」


「えっ」


「スキーなんてガキの頃の修学旅行っぽいやつでやっただけだ」


 スキーなんて頻繁にやるもんじゃないし、遠出するの嫌いだったからな。こういうのとはほぼ無縁だ。よって教えることもできん。


「全員で初心者コースに行きましょうか」


「それでいこう」


 そしてゆっくり滑る。何度かこけるが、なんとなく移動するくらいはできるようになった。結構全身の筋肉を使うことが発覚。おっさんにやらせるスポーツではない気がするよこれ。


「なるほどねぇ~。こうかな?」


「あっ、できました。曲がれましたよ!」


 2人は習得が早い。才能も運動能力も人類トップクラスなため、1回やってしまえばどんどん覚えていく。


「ふふ~ん、どうですかどうですか? 天才リリーちゃんが特別に教えてあげましょうか?」


 リリーが寄ってきてうざ絡みしてくる。俺に抱きつきながらドヤ顔である。ほっぺをむにむにしてやりながら答えてやる。


「甘いな。普通に滑れるくらいにはなったぜ」


「ぬわぁー。そんなばかにゃ……」


 別に運動神経自体は普通にあるのだ。ただインドア派だったり年齢的にあれだったりするだけで、やればできる子、やればできるおっさんなのだ。多分。


「私もできるようになりました。一緒ですね、ふふっ」


 シオンは純粋に嬉しそうだ。かわいいので撫でてあげよう。


「よしよし、すごいぞー」


「ふふふっ、ありがとうございます。一緒に滑れますね」


 照れくさそうにはにかむので、つい撫でたくなる。


「よしよーし、いい子いい子だぞー。わたしも撫でてやろー」


「もう、あなたまで……でもありがとう」


 リリーが撫でても文句が出ない。始めてのスキーでテンション上がってるな?


「3人で並んで滑ってみましょうよー」


「いいな、やってみるか」


「はい!」


 2人に並行して滑る。風が寒いけど楽しい。もちろん転んでもいいくらいに距離は取っているが、2人がいることはすぐ感じ取れる。


「ふはははは! いいぞまだ動ける! まだ完全な老いは来ていないんだ!」


「切ないなあ……」


「今のままでも素敵ですよ」


 初心者コースならしっかり自由に滑れる所まで来た。疲れたが楽しかったぞ。けれどもう夕方だ。夜になると危険だし、ホテルに戻ろう。

 結構豪華なホテルなのだが、偉そうな感じがしなくていいぞ。ロビーを歩いていると、リリーがふらふらと歩いていく。


「おおぉぉ……白いのが、なんか白いのがいます!」


 白くて大きい犬がいる。誰かが連れてきたのだろうか。他の客も見ているやつがいるな。犬は見ちゃうよね。俺も動物好き。


「犬、あれがリアル犬……おおぉぉ……」


「こっちを見ていますわ。舌が出ていますわ。手を振ってみましょうか?」


「あれ撫でていいのかな?」


「他人の犬に勝手に触ったりしちゃダメだぞ?」


「大丈夫ですよ、お客様。当ホテルの看板犬のジョナサンでございます。優しく撫でてあげてください」


 ホテル関係者っぽい老紳士が教えてくれた。シオンとリリーがゆっくり近づいていく。始めての人間以外の生き物に少し戸惑いつつ、興味があるようだ。


「撫でるぞ~……無でるぞ~?」


「わふ、へっへっへっへ」


 撫でられると理解しているのだろう。おとなしくリリーの手を待っている。


「なでなで……お、おお、もふっとして、さらっとしておられる……」


「いい子……いい子だからね……あ、きれいな毛並みね……いい子よ」


 そっと撫でている2人。ジョナサンが手を舐めると、2人が一瞬驚いて手を引っ込めた。すると笑顔から普通の顔に戻るジョナサン。そして前足でシオンに触れる。


「わふ、わふ」


「これはお手というものかしら?」


「前足でちょいちょいっとするのは撫でて欲しいときだぞ。よしよし」


 俺も撫でたいので撫でる。毛の手入れがいいのか、とても撫で心地がいい。犬と戯れると癒やされるよね。しっぽを振って嬉しそうにしている犬には、とてつもないヒーリング効果がある。アニマルセラピーというやつだろうか。


「あったか~い。本当に生きてるんだねぇ」


「ふふっ、大人しくて賢いのね。あらしっぽが、しっぽが揺れていますよ」


「喜んでいるのさ」


 ひとしきり撫でて大満足したら部屋へ。俺たちの雪国スキー旅行は、初日から大成功となった。


「明日は中級者コース行きましょうね!」


「楽しみにしています」


「筋肉痛がなければな」


 頼むぜ俺の体。

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