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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


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ブロッサムブレイドと落とし前

 格納庫にリリー専用機がある。色はピンクをメインに、白のアクセントを散りばめたデザイン。流線型のボディは淡いピンクのグラデーションで、関節部や装甲のエッジに白ラインを入れてシャープさを強調。全体的に可愛らしく華やかな印象を与える。大きさはピュアセレナーデと同じくらいだ。


「これがリリー専用機、ブロッサムブレイドだ」


「おおー! かっこかわいい! すごーい!」


「きれいな機体ですね。リリーによく似合いますわ」


 2人からも好評だ。みんなで相談して外見を作ってきたから、こうして実物が出ると感動すらあるな。ノイジーがすかさず解説を入れる。


「ブロッサムブレイドは、腕は通常2本がメインで、背中から追加の2本が展開できます。4本の腕を備えた多腕形態に変形可能。当然ビーム・マニアクス・システム搭載です。リリーの超人的な空間認識と反応速度が前提であり、本人だけが好き放題使える機体ですね」


「頭部はリリーの銀髪をイメージしている白いデザインで、赤い目のバイザーだ。ピュアセレナーデと似た感じだな」


「いいねいいね、おそろいっぽいじゃん!」


 早速乗り込んでマニュアル映像を見ている。チュートリアルは飛びながらでもよさそうだな。いつものようにビームフィールドで周辺宙域の隠蔽をしてから、リリーの発進を見送る。


「リリーちゃん、ブロッサムブレイド出るよ~!」


 背中にピンクのビームウイングが展開される。ビームでできた光る翼のおかげで、圧倒的な速度で前進していく。俺たちも自分の機体に乗り込み発進した。初陣をサポートしてやろう。


「ふっふー、楽しいぞー!」


 帰還しようとしている白い機体どもを発見。奇襲に入る。


「ブロッサムブレイドにはビームソードとビーム刀が搭載されている。どちらも実体剣にビームを纏うハイブリッド型だ。背中のでかいビーム刀も合わせて使え」


「了解! 一刀両断よらば斬る! 寄ってるのはこっちですけど」


 剣に白とピンクのビームを覆う。宇宙の闇を美しく煌めき突き進む。そして接敵。あっちも気づいたようだ。


『ん? なんだあの機体?』


『ピンク? おいこっちに来るぞ、警戒しろ!』


「遅い!」


 3機の白い機体をすれ違いざまに切り裂いていく。すらりと胴体を切断して爆散させ、立ち止まらずに次に行く。


「3機撃破! やってやったぞー」


『味方がやられたぞ! 敵襲!!』


 敵部隊がリリーに向けて射撃武器で応戦し始める。流石に反応が早いな。


『モードチェンジだ。さっさと片付けるぞ』


 敵機体の目に青い光がついた。例のモードに入ったな。いい判断だ。


「リリー、ビームウイングは移動以外にも使えるぞ。試してみろ」


「あいあーい! ビイイィィムウイイィング!」


 光の翼が形を変え、ブロッサムブレイドを覆い隠す。ビームも実弾も全て止める鉄壁の盾へと変わるのだ。もちろんそのまま移動できる。


『攻撃が通らない!? 突っ込んでくるぞ!』


『撃ちながら退け! 無敵というわけではあるまい!』


「無敵なんだなあこれが!」


 1チームの中央に移動して、翼を広げて横に一回転。翼がビームソードの役割を果たし、敵陣を切り崩す。


「うりゃうりゃうりゃ~!」


 さらに無数のトゲとなって敵機に突き刺さり、機体が耐えきれずに爆発していく。ビームウイングは槍にもなる。これでさらに1チーム撃破。


『近づくな! 近づかなければどうということはない!』


「そうでもないんだぜ~。ビームフェザー!」


 翼から膨大な量のビームが広がって、羽のように飛び回り空間を彩っていく。無論だが殺傷能力が高い。普通の機体のビームより遥かに火力は上だ。


『うわああぁ! なんだよこいつ!』


『直接斬っちまえばいいだけだ! 私に続け!』


 3機が同時に仕掛けてくる。2機のビームソードを両手の剣で止めた。パワー負けしていないのは設計通りだな。


『もらった!』


「甘いよ!」


 最後の1機が飛びかかるが、リリーはそれよりも速く背中のビーム刀を抜き放つ。そのまま隠し腕2本による切り下ろしで敵の頭部も胴体も焼き払った。


『ぐがああああ!!』


 鍔迫り合いの状態から、ビームウイングを槍状にして突きのラッシュを放つ。残り2機も穴だらけになり爆散した。


「ふっふ~ん、その程度でリリーちゃんを追い詰めたりはできないのだよ」


『なぜだ! オレたちは無敵のチームになったはずだ!』


『たった1機にいいようにやられてたまるか!』


「火力アップ! ビームクロス!」


 両手のビームソードを交差させて火力を増加。そのまま振り抜いて十字の巨大なビームが飛ぶ。


『装甲がもたん! うわああああ!』


「最速で斬る!」


 斬撃でまた1チーム沈めていく。残り6機。全機同時に仕掛けてくるが、それでもリリーは余裕の態度を崩さない。そろそろ機体に慣れてきた頃だろう。


『誰でもいい! あいつを落とせ!』


『調子に乗るなよ!』


「斬るよ~斬るよ~、それそれ~!」


 敵の斬撃が来るより先に、リリーの攻撃が腕を切り飛ばす。構えるよりも速くウイングで弾き、打撃が来る前に距離を取る。敵よりも認識スピードが速い。圧倒的な空間把握能力と操縦技術によって、リリーの行動は全行程が1段階速いのだ。毎日シミュレーターやらせたかいがあったな。


「これで、どうだー!」


 全武装同時展開で一気に手数が増える。攻撃の嵐に対処できずにどんどん撃墜されていき、いよいよ黒い機体、ジェネラルだけとなった。


『まさかこんなことが……だが私がいる! 負けは許されんのだ!』


 両肩のキャノンがリリーの機体を正確に狙う。だがそれを察して大きく旋回しながら追い詰めていく。ビームウイングによる高機動で撹乱可能なレベルだろう。


「おおっと、あっぶな~」


 オートで光の翼が閉じて、ビームキャノンを吸収してくれる。翼がなくても吸収はされるが、あまり油断されるとひやひやするな。


「油断して撃墜されないようにするんだぞ」


「わかってまーす」


『おのれ、これでどうだ!』


 ミサイルをばら撒いてくるが、そこはビームフェザーで潰す。爆風が大きく広がり、お互いの姿を視認できなくする。そこに正確にキャノンが飛んでくる。


「えー、見えないのはずるいぞー!」


 旋回して煙の先へ行くも、敵はいない。別の場所からまたミサイルとキャノン砲で狙いを定めてくる。徹底して遠距離戦をするつもりだろうか。


『エネルギー切れを起こせ、それまで逃げ回ってやる!』


「なら一気に距離を詰める!」


 驚異的な操作でビームを避け、ミサイルを振り切り、懐まで入る。だが敵のビームソードがやたら太い。


『この火力が止められるか!』


「火力でもパワーでも負けないよ!」


 何度もぶつかる光の刃。だが膠着状態は長く続かない。一番長い刀にビームウイングが吸収され、戦艦を丸ごと飲み込めるほどの長さになる。見た目だけじゃない。火力も激増である。


『なんだとおおおぉぉ!?』


「いくよー、ファイナルアターック!!」


 回避行動を取るジェネラルを丸ごと飲み込んで斬り捨てる。これにて終幕。全機撃墜だ。


「すごいわリリー」


「よくやった。戦艦は俺に任せて帰還しろ」


「了解! やったやったー!」


 さて、こっちはこっちで落とし前をつけさせよう。敵の艦に近づき、ステルスをオフにした。


「音声を繋げ。声は変えろ」


「了解」


「聞こえるか? 科学者ども」


 突然の通信に驚いているようだ。このまま俺のペースでいこう。


『何者だ貴様! なぜ我々の部隊を狙う!』


「お前たちはやってはならないことをした」


『やってはならないこと? 貴様、我々の研究をどこで知った!』


『この研究を非人道的だと非難するか? 素晴らしさも理解せず、ただ非難していれば満足か?』


「違う」


『何?』


 これは俺個人の問題だ。どうせ伝わらない。誰も理解できない。だから語ってやる。せめて死ぬのはなぜか、答えをくれてやる。


「生体ユニットのことでも、ランカーを拉致したことでもない。そんなことはどうでもいいんだよ。人間なんぞ何人死のうが知ったことか」


『ならば理由は何だ?』


「5位だよ。あいつは、俺のせいで生き残ってしまった」


『しまった? あいつを殺すつもりだったのか?』


「違う。あいつは大人気競技の5位だ。生まれながらに才能と、それなりに見られる容姿を持って生まれた。今も大企業がスポンサーで、年収もあって、いい暮らしをしている。完全な上級国民ってやつだ。そんなやつを、よりによって俺は助けさせられた。この俺がな」


 言葉にしていくたびに、俺の中で不快感と怒りが溢れてくる。パラドクスのオーラすらも溢れ出し、俺と呼応していく感覚があった。


『何が言いたいのかまったくわからん。貴様は5位の味方か? 連合の手先ではないのか?』


「俺は誰の味方でもない。正義のヒーローでも、人類の味方でもない。連合でも同盟でもない個人だ。死ぬまで搾取される、底辺の社畜として沈むだけだった下民だ。誰も俺を助けない。なのに、それなのに、俺はあいつを助けちまった。胸糞悪いったらねえよなあ。俺に……上級国民を助けさせたな……」


 手のひらにビームボールを作る。俺の怒りに応えるように、解放の時を待つように、静かに凝縮されていく。


「俺の命を、力を、他人ごときに使わせたなああぁぁ!!」


 頭上に掲げた力は、この宙域全体を吹き飛ばすには十分な大きさだった。


「落とし前をつけさせてやる! お前らの命で償え!!」


『狂っているのか貴様!』


「理解などする必要はない。求めていない。これがお前らの死ぬ理由だ!」


 戦艦など軽く飲み込む大きさの火球が広がっていく。確実に、欠片も残さず消してやる。この世界に、俺の遊び場にこいつらは必要ない。


「地獄に落ちな!!」


『こんな、こんなところで研究が……馬鹿なああああ!!』


 科学者たちは爆炎の中へと消えた。これで研究は凍結。俺も少し気分がスッキリして、楽園へと帰還した。

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