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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


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5位が勝手についてくる

 さっさとアリーナを出よう。目立たないように多少早歩きで移動する。背後から5位がついてくる気配がある。マラソンランナーってこんな気持ちなんだろうか。

 いくつか扉を開けて進むが、さっきと同じ黒服がうろうろしている。皆殺しは楽しそうだが、目立つし区別がつかない。無関係な人間は殺すとめんどい。


「だめだ。どこも人がいる。敵かどうかわからないと始末もできない。5位を囮にして逃げよう」


「やめてくださいよ!? なんかこう、がんばって役に立ちますから!」


 役に立つと言われても、狙われている理由さえわからんらしい。どうしようもないので、表まで連れて行くしかないのだろう。うざい。


「じゃあ秘密の通路とかないの? 従業員用のやつ」


「そこはやつらが張り込んでると思うんだ。君たちも気をつけて欲しい」


「使えない5位だなもう……うわ、ほらこの先黒服がいっぱいだー。さっさと捕まってもらいましょ。わたしたちはその隙に逃げるんで」


「頼むからなんとかしてください。お礼はしますから」


 こいつからのお礼なんて欲しくもないし、俺のせいで他人が得をするのが気に入らない。なんとかこの邪魔なオプション外せないかな。迂回して歩くの飽きた。


「仕方ありませんわね。5位さんに手榴弾をつけて突撃してもらいましょう」 


「この人もやべえ!? そんなおしとやかに特攻要求しないでください!」


 邪魔だなあ5位。リリーがいいこと思いついたみたいな笑顔を向ける。


「5位の人の護衛ですよーみたいな感じで堂々と出ていくっていうのはどうですか?」


「ありだな。一般人用の通路から出れば誘拐はできないだろ。それならどうだ?」


 5位はほんの少しだけ悩む仕草を見せるが、すぐに顔を上げる。


「わかりました。協力します。ですから……」


「いたぞ、こっちだ!」


 黒服たちが迫る。適当に頭を……いや胴体を連射モードで肉塊にした。こいつらのサングラスがあれば顔が隠れるぞ。


「よっしゃサングラスゲット。これつけていこうぜ」


「スナック感覚で人殺しますねあなた」


 サングラスかけると、なんかスパイとかガードっぽい気分になれるから不思議だ。


「あとは5位が目立つけど、近づかれないようにするとベストだ」


「ここに台車ありますよ。これ乗っけちゃいましょ」


「オレを……台車に……?」


 そして一般人の多い場所を台車に乗せて通っていく。5位は体育座りだ。


「うわ、なんだあれ……あれ5位のやつじゃん」


「なにあれ、自己顕示欲の塊ね」


「5位の人承認欲求モンスターじゃんウケる」


「ウケるってか滑ってね?」


 人目を引くが、黒服は近づいてこない。この状況で誘拐は無理だろう。さっさとタクシーにでも乗せよう。


「はい5位通りまーす。見ないであげてねー」


「人気出したくて必死じゃん5位」


「もっと硬派かと思ってたのに。目立ちたがりなのねえ」


 通行人も足を止めてみている。近寄ってこない程度には民度あるらしいのは助かるね。このまましれっと通り抜けたい。


「オレボロカスに言われてない? これ失敗だよね? イメージダウンだよね?」


「死ぬよかマシだろ。さっさとマネージャーなりに電話しろよ」


「イメージが死ぬよねこれ。なんか電話にも出ないんだ。何かあったのかも」


「台車乗ってる人と知り合いに思われたくないんでしょ」


「だったら君らのせいだよね!?」


 めんどくさいので警察に電話させる。同時に館内に警報が鳴る。なんか警備員がせわしない。黒服の死体が見つかったかな。


「ちっ、俺たちも逃げる必要があるな」


 ちょうど警察が来ている。大きな会場だし、近くに交番でもあるんだろう。なら5位を引き渡せば終わりだ。


「さようなら5位。これがアリーナ名物、5位流しだ」


 そっと台車を押すと、ゆっくりと台車が警察に向けて進んでいく。俺たちはそれを黙って見送った。


「そんな名物ないからね。でもありがとう……必ずお礼はするから、ぜひ会社に来て……あっ」


 台車が黒服に掴まれて運ばれていく。俺たちはそれを黙って見送った。


「いや助けてよ!? 頼むから! すいません拉致されてまーす!」


 周囲がくすくす笑っている。完全に余興だと思われているのだ。めんどくせえなあもう……黒服にスライディングかまして台車を強奪。シオンに向けて強く押す。


「こっちですわ、急いで」


「急いでって言われてもオレが動かしてるわけじゃ……あっ」


 途中で黒服に台車が奪われた。だがリリーがタックルして割り込み、台車を持って走る。


「よーしこのまま警察に届けるぞー」


「ナイスだよ。本当にありがとう」


 だが黒服が2人、リリーの前に来る。咄嗟に台車を反転させ、離れたシオンへ飛ばす。それをしっかり受け止めて、警察の元へと転がしていく。


「なんだか楽しくなってきましたわ。それっ」


 黒服の追跡を逃れ、さらに台車を俺に渡してくる。ここでノールックで背後のリリーに飛ばしてフェイントを掛けた。


「おっけ~い。いっくぞ~」


 キャッチしたリリーが近くの警察に運び、5位が事情を説明している。俺たちは素早くタクシー乗り場へ移動し、乗り込んで脱出。宇宙港へ戻ったところで、そっと物陰で転送された。これで追ってくることはできないはず。


「はー……無駄なことしちまった」


「結構楽しかったですよ~」


「ふふっ、まるでアニメみたいでしたわね」


 こいつらが楽しいならまあいいか。着ていた服や装飾品をすべて焼却処分しながら、今後の予定を考える。証拠品はすべて消し炭にして宇宙へ。こういうのは徹底することで意味が出るのだ。


「燃やしちゃうのもったいなくないですか?」


「だめだ。あの場で目立ちすぎた。靴まで全部消して、同じものは身に着けない。プロはそういう細かいところから気づいて追い込んでくるぞ」


 慎重になりすぎることはない。俺たちの技術は誰にも渡さない。使わせない。足取りを追うことを許可してはいけないのだ。

 楽園のありがたみを感じながら、みんなで俺の部屋に集まりごろごろする。


「あんな堂々と誘拐なんて、何があったんですかね?」


「報告。同様のパイロット誘拐と見られる事件が複数存在します」


「ほほう、話せ」


 ノイジーがモニターに詳細を出してくれる。だいたい100位以内を狙って、複数の行方不明者が出ているらしい。身代金目的ではない。犯行声明もない。そんな謎の事件だそうだ。


「犯人は黒服なのか?」


「監視カメラと軍のデータに侵入しましたが違います。5位のように会社の護衛を装うパターンが多いようです。犯人は不明です。パイロットそのものに価値を見出していると推測されます」


 パイロットを奪うことで、ランキングを操作したいのだろうか。どこかの敵対企業なのかもしれないが、あんまり特定の順位を狙っている雰囲気じゃない。


「これでどういう利益が出るのかしら? 労力に合わない気がするのだけれど」


「5位だけなら6位のせいだー、とか言えるんだけどねえ」


「面白い。しばらく調べるか。どうせ他に行く場所も思いつかんしな」


 ノイジーに調べさせておいて、こちらは部屋でのんびりバトルを見よう。犯人が見つからなくても、別に問題はない。俺たちの存在を知るものはいないのだから。


「5位を捕獲しようとした黒服の足取りを追っています。コロニー外に出ていくようですね。追跡にエゴ・サンクチュアリを使いますか?」


「行くか?」


「面白そう! 行きましょ行きましょ!」


「ハヤテ様の判断に従いますが、見てみるのも面白そうですわ」


「バトルはモニターでも見れるか。よし、バレないように追跡だ」


「了解」


 こうして宇宙を飛び回り、尾行してみることになった。連中の狙いが何なのか、気になったなら調べてみるのもいい余興である。モニターでバトルを見ながら、ゆったりと次の楽しみを待つことにしよう。

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― 新着の感想 ―
台車運搬めっちゃ草。 絵面がシュールギャグのそれなんよw
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