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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


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餃子作りとブラックブラッド隊

 気分よく帰還したら、ノイジーから衝撃の事実が告げられた。新型兵器の行き先がリゾートコロニーらしい。俺が楽しみにしてる場所に行くなや。


「なんで軍事拠点じゃなくてリゾート狙うんだよ」


「地球連合の権力者が滞在するという情報を入手。おそらくこの機会に敵対企業や佐官将官を減らしたいのでしょう」


「そのためにコロニー全体を滅ぼすなんて、野蛮で迷惑な方々ですね」


 本当に迷惑だよ。俺もシオンもがっかりである。余計なことしないで欲しい。リゾート潰して褒められるわけないだろ。何を考えているんだ。


「兵器の移動ルートはどうなっている?」


「鉱山惑星を出て地球連合のコロニーへ。そこで試運転も兼ねてウイルスを散布。効果を確認したらリゾートコロニーへ、という作戦です」


「地球連合に情報流したら止められるか?」


「厳しいですね。新型兵器ウィルダネスは全長50mを超えます。地球連合のバトルフレームの倍以上ですね。もちろん性能も倍以上です。かなりの損害が出るかと」


 つまりリゾートがぶっ壊れたり、立入禁止になるわけだ。最悪だぞ。生まれたばかりのシオンに思い出を作ってやろうと思ったのに。


「ハヤテ様、どうしますか?」


「俺の楽しみを奪う悪は皆殺しだ」


 今の俺には現状を打破する力がある。泣き寝入りはしない。もう使い潰されるだけの一般人ではないのだ。


「まず海賊の残党共はどうなった?」


「ほぼ半壊状態のところをコスモクラフト部隊に見つかり、事実上壊滅状態です。これでしばらく税金泥棒と呼ばれることはないでしょう」


「ウィルダネスはコロニー同盟の戦艦と一緒に移動するようです」


 単独で宇宙を飛び回れるウイルス兵器か。ずいぶんと厄介なものを作ってくれたもんだな。


「宇宙空間でウイルスもクソもないよな?」


「正解です。あくまでコロニーか惑星で使うからこそ意味があります」


「決着は宇宙か、でなけりゃ次のコロニーだな。だがまず地球連合に情報を流す」


「今のうちに倒すのは目立ちますものね」


「ああ、流石に目立ちすぎる。地球とコロニーの戦争だと思わせなければいけない。目撃者が出やすい星の中じゃなく、宇宙空間での決着が望ましい」


 軍事施設や街で戦うのは避けたい。前者は基地ごと消して解決できるが、主要都市を丸ごと消すのはリスクでかすぎる。


「地球連合の事情を知っている連中に情報を渡せ。匿名かつ追跡できないようにしろ。前回のように会談は行わない」


「かしこまりました。送信完了。そろそろ同盟軍が出発する時間です」


 最終調整も終わっていたらしい。ウィルダネスを積んだ宇宙船は、急ぎ足で惑星を離脱していった。中身が中身なので、輸送船に偽装するらしい。そっと動くなら俺たちにもチャンスがある。


「追跡するぞ。ステルスでコロニーごと動く」


「楽しい思い出作りのためにも、リゾートを守り抜きましょうね」


 こうして気づかれないように追跡して2日。中継地点の惑星にはまだ着かないようだ。敵船の進みが遅い気がするが、これはこっちのコロニーが速すぎるんだろう。スペックに差がありすぎて、追跡に飽き始めるとは思わなかった。


「ちんたら移動しやがって」


 シオンとパーティーゲームしながらぼやく。まだゲームに慣れていないシオンが相手なので、少し手加減している。こういう時間も嫌いじゃないよ。リラックスできるし、楽しい暇潰しなら永遠にできるからなここ。でも遅いのは不満だ。


「私はハヤテ様と遊ぶ時間が増えて嬉しいです」


「シオンがいいならそれでいいか。ノイジー、敵を見張っておいてくれ」


「了解です。AIは飽きることも疲れることもありませんからね」


 便利なやつだよまったく。ゲームは俺が優勢だったが、だがシオンはあらゆる才能があるらしい。コントローラーさばきが上達し、駆け引きもすぐに覚えた。


「ふふ、もうすぐ勝てそうです」


「甘いな。こういうのは経験と知識も大切なんだよ」


 ゲームはかなり得意だから、なんとか有利なままで進んでいる。だがシオンもやりおる。これはいい相手ができたぜ。


「朗報です。地球連合の隠密部隊、ブラックブラッドに出撃命令が下りました。珍しい機体と戦法が見られますよ」


「ほほう」


 黒いバトルフレームで統一された特殊部隊らしい。経歴不明の5人で構成されるチームで、宇宙船にオペレーターが1人。あとはバトルフレームの部隊らしい。


「こりゃいい。極秘部隊ってのは浪漫がある」


「どんな人たちなんでしょう? 武装も違ったりするのかしら?」


「楽しみができたな。戦闘はいつになりそうだ?」


「両軍接敵まで2日ほどと予想します」


「楽しみが引き伸ばされていく……」


 ゆっくり追えると思えばまあいいのかな。漫画の更新を楽しみに待つ気分だ。


「当日まで私がハヤテ様と楽しみます。それならすぐですよ」


「よし、ゲーム終わったら次は動画見ようか」


「はい、おすすめを教えて下さいね」


 できるだけ教育に悪くない動画を選んで一緒に見る。そして料理動画の影響なのか、俺の料理が見たいと言いだした。


「一緒にお料理できるなんて楽しみです!」


「まあ別にいいけどな。餃子でも作るか。ノイジー、サラダとスープの材料も準備してくれ」


「了解です。初心者でも簡単に作れるレシピも出しておきますね」


「ハヤテ様はお料理できるのですか?」


「できるぞ。家事全般できる。俺がやらなきゃ他にやってくれる人間なんていなかったからな」


 そんなわけで料理は結構得意だったりする。餃子の具をこねこねしていく。何種類も作ろう。明太子とかチーズとかモヤシとか入れる。味と食感を変えていくぞ。無論白米と烏龍茶も用意する。


「タレも醤油、ラー油、酢だけとか、色々作るぞ。案外うまいかもしれん」


「とても楽しいです。餃子だけでもこんなに種類があるのですね」


 無邪気にわくわくしているシオンを見ると、料理も楽しくなってくるな。


「餃子道は結構奥が深いんだぞ。自由に入れてみろ」


「ではポテトとお肉を入れてみましょう。ハーブやバターを入れて味が引き立つようにしますわ」


「いいね、いいセンスだ」


 お互い誰かと料理するのは初めてだ。最初はぎこちなかったけれど、連携して動けるようになってきた。シオンがうまく合わせてくれているのだろう。俺は料理を監督しつつ自分もやる。いつの間にか導く側に回っていた。


「餃子焼くプレートがあるのが驚きだわ」


「楽園に抜かりはありません」


「よし、では実食!」


 まず普通のやつを食ってみる。パリパリともちもちが同居していて食感よし。ジューシーで肉とニラのバランスもよし。中まで熱が通っていてうまいぞ。


「おいしいです! 自分で作るとおいしさが上がる気がしますね!」


「わかる。よくできてるぞ。やったなシオン」


「はい!」


 満面の笑みである。この調子で思い出を増やしてあげよう。


「シオン、オーナーに食べさせてあげましょう。きっと経験ありませんよ」


「妙なアシストをするなお前は」


 人生初あーんを経験した。今日は初体験が多い日だな。楽しくていいぞ。ちょっと照れるけどな。


「はいどうぞ」


「ん、芋もうまいな」


 香草のチョイスがいいのだろう、味が少し上品で新鮮だ。俺が作る男飯とは違う発見がある。気分がいいので俺もシオンに食わせてやろう。


「ほれ食うがいい」


「はむっ、おいしいです。また一緒にお料理しましょうね」


「そうだな。それも悪くないか」


 こうして楽しく暮らしながら2日後、大小様々な小惑星群が出迎えるポイントまでやってきた。ここなら襲うにはちょうどいい。


「ここを抜けたら目的のコロニーです。狙うなら絶好の機会ですね。索敵ドローンを飛ばします」


「さあ見せてくれ。この世界の特殊部隊ってやつをな」


 輸送船がゆっくりと進んでいく。どうやら比較的安全な航路があるみたいだな。


「エネルギー確認。来ます」


 どこからかビームが飛んできて、輸送船の左舷に直撃した。爆発を起こして揺れるなかで、右側からコスモクラフト部隊4機が展開される。どうやら左側の出撃ハッチを破壊したらしいな。左の出撃が遅れているようだ。


『敵だ! 各機散開してスナイパーを探せ!』


『くそっ、出撃が遅れる! なんとか持ちこたえてくれ!』


「ブラックブラッド隊は二刀流高機動型、遠距離スナイパー型、中距離爆撃型、索敵特化射撃型で構成されています。カラーリングはすべて黒。隠密部隊だとわかりやすくて最高ですね。コロニー同盟軍のコスモクラフトは標準装備のミサイルとバルカン、ビームガンにビームセイバーを搭載。戦闘開始です」


 戦場は小惑星群の隙間だ。無数の岩が漂う宇宙で、コスモクラフトが散開していく。スナイパーを見つけられていないようだ。そこに二刀流高機動型が先陣を切る。ビームソードがゆらりと線を描きながら、ミサイルを切り裂いていく。


『敵だ! 速いぞ!』


『近づけるな!』


 黒の機体が小惑星の間を縫い、両手に握ったビームサーベルを振り回す。ミサイルが次々に両断され、爆発の光が戦場を照らす。


「ほう、やるね。淀みがない」


「ハヤテ様、あの動き、まるで舞ですわ」


「ああ、機動力特化すると、あそこまでスピード出るんだな」


 二刀流型がコスモクラフト1機に肉薄。敵機のバルカン砲では撃墜できないようだ。ビームを的確に避けて、敵艦を背にしながら動いている。


『くそっ、なんて速さだ……陣形を乱すな! ぎゃああ!』


『ブラッド1、1機撃破。お前たちに恨みはないが、これも任務だ。せめて一撃で派手に葬ってやるよ』


 若い男の声だった。ブラックブラッド隊のパイロットは20代くらいの印象を受ける。その若さで隊長とはやるじゃないか。


『ブラッド2。これより援護する』


 渋い男の声がして、中距離爆撃型が両肩のバズーカと腰・足首についているミサイルの雨を降らせていった。爆風で視界を塞がれ、炎に包まれたコスモクラフトが破損していく。


『機体がもたない! うわあああああ!』


『ブラッド2、敵機撃破』


『くそっ、3機やられた! 敵は2機だけだぞ、包囲しろ!』


 敵船右舷からコスモクラフト隊が飛び出してきた。ここからどんな活躍を見せてくれるか楽しみだ。

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