表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/31

次の目的を決めよう

 シオンが誕生してから3日が経過した。平穏でゆったりとした雰囲気が流れている。これぞまさに楽園だろう。オーナールームでくつろぎながら、今後の予定を考えていた。


「今後の予定だが、シオンと遊べるコロニーにでも出かけようと思う。あとパラドクスの訓練がしたい」


「素敵な目標ですね。別のコロニーは初めてで、わくわくします」


 本当に楽しそうに微笑みながら紅茶を淹れてくれる。シオンにとっては外の世界全部が初めてだからな。俺がちゃんと見てあげないといけないぞ。


「でしたらリゾートコロニーがおすすめです。超高級なホテル、カジノ、プールなど最高級娯楽施設が詰め込まれたコロニーが存在します」


 モニターにはゴージャスでリッチでセレブリティ満載の施設が映し出されている。どこからこんなもん作る金が出ているのだ。っていうかどう運営しているのだ。


「楽しそうだし行ってみたい。問題は金がないことだが」


「海賊を狩りながら溜めていきましょう。パラドクスの訓練にもなります。近隣のアジトをマッピングしました」


「ナイスだ」


 というわけでお金稼ぎだ。海賊なら強い個体もいないだろうし、死んでもいいやつしかいない。訓練目指してコロニーはゆっくりと移動していく。


「ハヤテ様、私にもお手伝いさせてください」


「つってもパラドクスには乗せられないぞ」


「ではブリッジに移動しますか?」


 ノイジーから意外な提案が来た。つまり俺が指揮官やることも想定されている? 可能性だけは無限に作ってあるのかもしれない。


「ブリッジって艦長とかが主砲撃てー! とか言うあの?」


「その認識で正しいです」


「あったのか」


 シオンと一緒に移動すると、広くてよく見渡せるブリッジがあった。清潔さと豪華さが同居するいい環境だ。一番上の席を含めて10人分の席がある。


「本当にあったんだな」


「今までどうしていたのですか?」


「オーナールームのモニターとホログラムで全部できる」


 なので使う必要がなかった。俺はパラドクスで戦うから余計にな。だがロボアニメとかで見た場所ってのはテンション上がる。


「では私はオペレーターですね」


 司令官に近い席を確保しているシオン。お前ちゃっかりしてやがるな。


「そうだな。前線には出したくない。危険なことはしないでくれ」


「わかりました。ハヤテ様の優しさに甘えます」


「ではシオンの補佐をしましょう。そろそろ敵のいる宙域です。いってらっしゃいませオーナー」


「了解。出撃する」


 そんなわけでパラドクスに乗り込み、海賊狩りに出発だ。今日も宇宙は静かで綺麗だ。俺を


「オーナー、敵は小惑星に取り付いた旗艦が1。戦闘機が8です。ビームフィールドにより半径5000kmは通信も記録も不可能にしておきました。お好きにどうぞ」


「よし、いくぜ!」


 今回はステルスモード禁止縛りだ。戦闘に慣れるために姿を見せてビームを撃つ。


「そこだ!」


『がはああぁ!?』


 まずは1機撃破。ここから敵の反応を見つつ戦おう。散開に少しもたついているな。予想外の襲撃なんて経験が少ないのだろうか。


『なんだこいつ!? 敵襲!!』


「回避の練習に使ってやるよ」


 機銃とミサイルを避け続ける。ビーム兵器は積んでいないのだろうか。


「海賊にビーム兵器は高いのでしょう。これは金庫に期待もできませんね」


「モチベの下がることを……ビームウェイブ!」


『なんだあれ! 避けられねえ!』


『ぎゃああぁぁ!』


 両手にビームエネルギーを集約して、横薙ぎに波紋を広げるように拡散する。これだけで戦闘機が3機飲み込まれて爆発した。


「ハヤテ様、2時方向から3機来ます!」


「了解!」


 敵は散開して上下からバルカンで攻撃してくる。いいね、宇宙感じる戦法だ。俺も360度の戦闘をしてみよう。自由に宇宙を飛び回り、必ず敵の下から攻撃することを心がける。


「遅いな。練習相手に最適だ」


『うがあぁぁ!』


 ビームが戦闘機の腹を貫通して爆散した。耐久力もないらしい。


『仲間がまたやられた! こいつ速いぞ!』


『逃がすな! 全員で囲め!』


「ビームハンド!」


 巨大なビームの手が戦闘機を掴んで握り潰す。これでさらに2機撃破だ。


『うわあああああ!!』


「不正も悪事も握り潰すぜ」


「ただの隠蔽では?」


「なるほど逆の意味になっちまうな。賢いぞAI」


『なんなんだよこいつは!?』


「隊長機が来ます! ビーム砲装備を確認しました!」


 シオンの声が少し焦り気味に聞こえる。吸収できると知っていても、心配になるものらしい。新鮮だなこういうの。他人は俺を心配したりしないもんなあ。


「安心しろ。むしろビームは得意だ」


 俺は目の前のモニターに映る敵の動きを注視する。隊長機は他の戦闘機とは一線を画す、武装を盛りつつ軽量化したシルエットだ。ビーム砲のチャージ光が、暗い宇宙空間で不気味に瞬く。


『とっとと落ちやがれ!』


「よっ、ほっ、はっ。じゃあ回避スピードを落としてやるよ」


 ビームを避ける訓練にはぴったりだな。連射性能が高くないのか、訓練にちょうどいい。上下左右にしっかり避けることで、宇宙空間の使い方に馴染んでいく。


『こいつ! 逃げ回るだけかよ!』


 敵はミサイルとビーム砲を乱れ打ちしているが、別に腕がいいわけじゃないな。コロニー同盟やネクサスの兵士を見たからか、練度の差がわかる。


『逃げてねえで戦いやがれ!』


「いいのかい? 反撃しちまっても」


 右手からビームを撃ち、戦闘機の翼に穴を開ける。もうまっすぐ飛ぶことすらできていない。


『そんな馬鹿な!!』


「こうなっちまうんだよなあ!」


 ビームブレードを振り下ろし、戦闘機を真っ二つにする。


『そんなあああああ!?』


 爆発の光が一瞬、宇宙を照らす。クズもきれいな花火になれるじゃないか。


「ハヤテ様、旗艦が砲撃準備を開始しました」


「逃げないのか。アホはこれだからいい。殺しやすくて助かるよ」


 猛スピードで接近して敵ブリッジを殴り飛ばす。敵艦上部が爆発するので、残りの生体反応がある場所をとりあえず撃ってどんどん消していこう。


「ノイジー、金庫回収ドローンを出せ」


「了解しました。探索ドローン10機、起動開始」


 こうしてパラドクスは無傷で帰還した。あとは勝手にドローンが回収してくれるだろう。敵艦は副砲で消せばいい。目撃者も生存者も認めない。


「お見事ですハヤテ様! お疲れでしょう? 何かお飲み物をご用意します」


「そうだな。お茶でも淹れてくれ、シオン」


「ふふ、かしこまりました。ハヤテ様好みのハーブティーを用意しますね」


 ゆったりとティータイムを満喫していると、ノイジーから報告が入る。


「現金120万と情報にアクセス終了。もう財産は皆無とみなし、破壊します」


 こうして敵艦は宇宙にチリも残すことなく消えた。ここからは金策のお時間だ。


「さて、情報ってのは?」


「資源採掘用の惑星付近にカルテルが集合しているようです。現在はコロニー同盟の領地のはずですが、何か目的のものがあるらしいですね」


 海賊がザコだったせいか、情報が明確ではない。深堀りするにはもう少し狩るか、現地に行くかだな。


「カルテルって殺していいやつだっけ?」


「はい、簡単に言えば犯罪者のクズです」


「んじゃ問題ないな」


「ハヤテ様、無茶だけはしないでくださいね」


 シオンが心配そうだし、ここは元気づけてやろう。


「わかっている。せっかくの楽園だ。簡単に死んだらもったいないしな。シオンを1人にはしないさ」


「ありがとうございます。ノイジー、ハヤテ様にできる限りの情報を渡してあげてちょうだい」


「了解です。現地は空気のある資源惑星です。採掘場と工場などが多く、警備のコスモクラフトも配備されています。海賊の目的は不明ですが、何かを輸送する瞬間を狙っている模様」


 情報が足りないか。惑星のコロニー同盟が何を狙っているのか不明だし、まだ時期尚早というやつだ。


「コスモクラフトが警備ということは、軍がいるはずよね? そこに襲撃をかけても勝てないと思うのだけれど」


「正解です。よって見つからない程度に離れ、惑星を取り囲むように集まっていますね。どこに輸送されるにしても、軍の荷物を襲うなら人員も武装も不足でしょうが」


「交通が滞って迷惑極まりないだろ」


「騒ぎになって計画が台無しになることを恐れているのか、民間船を襲わず、密集もしていない様子です。AIの身でも小賢しさを感じますね」


 目的が不明すぎるな。ぐんと本気で勝負して勝てると思うほどアホなのだろうか? 可能性は低いぞ。惑星の資源はまだ枯渇しておらず、コスモクラフトの材料もあるらしい。だがそれを狙うのは非効率だ。


「もう少しクズどもを狩る。輸送日時だって決まっていないんだろ?」


「完全に不明です。惑星に近づきつつ狩っていくのがベストと判断します」


「次の海賊まで移動してくれ。俺達は休んでいる」


「了解。ステルスモードで移動します」


 戦闘したら眠くなってきた。ザコ相手だったから遊びすぎたかな。ベッドに寝転ぶともう寝そう。質がいいベッドは最高だ。インドア派だしこれからも高頻度で使うだろうな。


「ハヤテ様、こんなのはどうでしょう?」


 シオンが膝枕してくれる。普通の枕とはまた違う感触だが、これはこれで柔らかくて寝やすい。


「なるほど、膝枕ってこういう感覚なのか」


「お気に召しましたか?」


「ああ、いい感じだ。このまま寝る」


「はい、おやすみなさい」


 次の戦闘に備えて眠る。何やら面白そうなイベントが待っているみたいだし、首突っ込んで楽しもうじゃないか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ