薔薇ストーリーは突然に(?)
「さて、どうしような」
ここは薄暗い部屋の中。
生活感あふれるその部屋は、1人で暮らすには少し広く、2人には狭い、そんな微妙な間取りをしている。
そこに、赤髪の少女と、灰髪の青年とが何やら真剣な面持ちで向かい合って座っている。
いや、向かい合っていると言うよりも正座で俯き怯える少女に青年が説教でもしている様な構図である。
その青年の正体がイーライであることは言わずもがな、赤髪の少女については前話参照、拾われた少女に他ならない。
「なぁ、そろそろいい加減に何か喋ってくんね?」
「… … … 。」
「…名前くらい言えないのか?」
「…メルファ。」
「そうか、良い名前だな。」
そして再度広がる沈黙。
勘違いしてはいけないが、イーライは普通に感情を持ち、人と同じ様な感性を持つ。つまり、この状況はシンプルに“気まずい”─────────!!
ん駄菓子菓子!
幸か不幸か、その空気感を壊すべく、
コンコンコン
ドアをノックする音が数回。
ドゴォン!!
…そして蹴破られる音も一回。
「HAHAHA☆
イーライ、お前が任務帰りと聞いて疲れを癒しに来たz…誰だその女は!浮気か!?」
五月蝿い。というか喧しい。
1ミリも空気を読まずに、その男は叫び散らかすのは、彼の真友を自称する、他称“変態”。
戦闘員番外個体として、遊撃を得意とする“神託機械”搭載型兵器。
その名を─────────。
「少女よ、どうやってイーライを誑かしたかは知らないが、礼儀として名乗ってやろう。
我は“Beryl:ベリル”、その男の真友だ!!」
((うるさいから早く帰って欲しい。))
初めて少女と機械の心が一致した瞬間であった。
2話からこんな展開でごめんなさい()