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赤と兵仗  作者: ざく
第一章 機械と少女
1/3

血濡れた出会い

この作品は、作者の抱える厨二心を開放するための作品です。初投稿ゆえ拙い文章とは思いますが、「こんな痛い時期もあったなぁ」と生ぬるい目で見守っていただけたら幸いです。


“人は社会の歯車だ”

誰しも一度は耳にしたことがあるだろう。

世にありふれた、退屈な社会への皮肉文句。

あるいは自分よりも伸び伸びと生きる者達への僻み。

別に何も間違ったことは言っていない。

実際、人は何かのシステムの一部になる事に安心感を覚え、依存する。その依存先はバリエーション豊富で、学校や会社、部活、サークル、etc…。


悪いことでは無い。自身の短所を他者の長所で保管したり、何かとリソースが増えたりと利点は多い。


皆、そんな利点を求めて歯車へと成り下がるのだろう。


─────────気に入らない。

何故自ら自由を放棄するのか。

生まれながらに“歯車”であることを強いられた者達の気も知らず、媚びへつらい、その場をやり過ごす生き方がどうにも鼻につく。


皆、ただ酔っているのだ。この狂った日常に。

気づかないのだ。間違った社会構造に。


こんな世界、俺が壊してやる─────────。













都内某所、まだ朝と呼ぶには早い時間帯。

とあるビルより喧騒が聞こえる。


「なんなんだコイツは!?」

「殺せ!はやく!」

「た、助け───────」


様々な声が飛び交うが、そこに共通するのは眼前の何かへの恐れ。


霞んだ灰色の髪と、それを留めるバツ型のピン、深い紫の眼と、夜によく溶け込む黒のコート。夜の星が放つ僅かな光に照らされ、微かに笑む口元が見える。何ともオツな雰囲気を醸し出している。


製造番号22番G型改造機“Eli:イーライ”。

とある組織によって造られた人型兵器、“戦闘機”である。


悲しいかな、彼は命乞いなどものともせず、ただひたすらに剣を振る。

夜の闇のように黒い剣を、振る。

1人死ぬ。

また振る。

今度は一度に2人死ぬ。そんな作業の繰り返し。

初めこそ手間取ったが、今ではもう慣れたものだ。


「…うるせぇな。」


その声に慈悲はなく、その様はまるで殺人の為と仕込まれた“機械”の様だ。

今回彼に課せられた任務は“とある敵対組織の排除”。

その最も楽な方法は今繰り広げられている惨殺に他ならない。


あらかた、と言うか全員殺し終えたところで、耳にかけた無線機を使い、連絡を入れる。

どこにって?

勿論、彼の所属する“組織”だ。

察してくれているとは思うが、先程惨殺されていたのは一般人ではなく、いわば“裏の住人”と言うやつだ。

それともこの彼が、一般人を虐殺する様な非道な奴にでも見えたかな?

…まぁ、指示があれば実行するだろうがね。


「あー…任務を完了した。今から帰還する。後処理はしてあるから人を寄越さなくても大丈夫だ。あゝ。特に異常や報告事項は無かっ─────────」


さて、先程の文章を一つ訂正しよう。

全員殺した、と言ったが、彼は一つ見落としていた。

わざわざ排除しなければならないほどの裏組織だ。誘拐、拉致、監禁にまで手を出していても何ら不思議では無い。


背後のドアより覗くのは、ひたすらに赤い長髪と、こちらを警戒する様な視線。先刻の阿鼻叫喚に寄せられたのだろう。その服装はとても良い待遇を受けていたとは想像できないものだ。


「あー…やっぱり一つ報告。少女を1人保護する。ああ、面倒は俺が見る。部屋とか色々用意してくれ。」


この日、一つの殺人兵器は少女を拾った。


この血まみれの出会いが、世界を大きく変えていくことを今はまだ、誰も知らない─────────。

もしお気に召したなら、是非ともいいねとコメントしていってくれれば幸いです(深々)

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― 新着の感想 ―
すごい(小並感)
とある白崎「ZEROメンは初手で裏の住人を鏖殺しないといけないジンクスでもあるのかな」
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