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ハイド  作者: じょじょ
ハイド 最終章 ~天地神焉記~

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20話「最後の闘い」

闘いこそ俺の人生、


身体はいかづち、心はみかど


幾たびの闘いの先にはさらなる渇き。


闘いに敗北は許されず、


闘いに勝利は求めない。


されど、俺の血肉を満たすは闘いのみ。


ならば、闘いに意味は持たず、


俺の生涯は、


闘いに生きてゆく。

16:20 現実世界

アウトエリア・地区Ⅲ



グリーンとの戦いに決着をつけたヘーロス。


ヘーロスは倒れるエリックの肉体に目を向ける。


すでにグリーンの魂は消失し、戦地に残るは弟の屍。



「ありがとう…エリック…」



ヘーロスはそう口にし、力なくその場で膝を着く。



ラグナロク、グリーン、ウィルフォードの三人を相手取り、すでに幾度も己の死を残り越えてきた。



「ヘーロスさん!!」



そんなヘーロスのもとへ声をかけるのは…



「ダニー…か…」



イヴリンを抱えてこちらに走るダニー。


その後方ではレオンハルトが機械兵の残骸を手に持ちながらダニーの後を追う。



ヘーロスはダニー達が機械生命体たちとの戦いに勝利したのだと理解した。





だが…






「ヘーロス!!!」






世界を懸けた神と英雄の戦い、




その結末は英雄の勝利を以てして幕を閉じた。




しかし、天地神焉記に語られる戦いは…




あの者と英雄を引き合わせるまで終わることはない。




神々が巻き起こした戦地に降りるは…






”雷帝”ヴァレンティーン






ヘーロスの前に降り立つヴァレンティーンは手に抱えた三人の人影を床に放り投げる。



「うぐわぁ…!!」


「痛っ…」


「何が…どうなって…」



その人物を見るヘーロス。



「ソフィア…お前ら…」


「約束通り…お前の仲間は守ってやった。」



ヴァレンティーンがヘーロスの前に放り投げたのはソフィア、ヴァイオレット、リアムの三人だった。



「まさか…現実世界こっちまで来るとはな…」


「テメェにくたばってもらっちゃ俺との決着がつかないままだろ?」



ヘーロスのもとへ向かっていたダニー達が合流する。



「ソフィア、大丈夫か!?」


「私たちは平気だけど…」



ソフィアはヴァレンティーンの方に視線を向ける。


ダニーと共にヘーロスと合流を果たしたレオンハルトは目の前にいるヴァレンティーンに気が付く。



「お前は…!?」


「テメェはすっこんでろ、俺はヘーロスコイツに用があんだよ。」


「!!」



ダニーがヴァレンティーンの殺気に勘づき銃を構える。


だが、ヴァレンティーンはダニーに目を向けずにヘーロスに向かって口を開く。



「さぁ…俺との約束を果たしてもらうぞ!」


「……。」



それを聞いたソフィアが驚愕する。



「はぁ!?も、もしかしてお前、ヘーロスと戦おうとしてる!?」


「当然だ、そのためにこの世界まで遥々来たんだ。」


「あのね!さっきまでヘーロスは世界を救うために命がけで戦ってたの!!そんな疲弊してる状態で…」


「命がけだ?それはこっちも同じだろうがよ、自分の脳を電流で炙って目覚めたんだ、あのまま死んでもおかしくねぇ。」


「コイツ…ヤバイって…!!」


「ソフィア。」



ソフィアを止めるヘーロス。


ヘーロスはすでに立っているのもやっとの状態だ。


すでに自身の能力ですら発動できないほどに弱っている。



だが、ヘーロスはヴァレンティーンの覚悟を理解していた。



「いいだろう、ヴァレンティーン。

約束通り受けて立とう。」



「な…!?」


「!!」


「ヘーロス!!」


「お前らは…手を出すな。」



ヘーロスの瞳が再び赤く染まる。


それを見たヴァレンティーンが笑みを浮かべる。



「おい、鬼神。

それをヘーロスに渡せ。」


「なんだと…」



ヴァレンティーンはレオンハルトの指についた超越せし指輪アポクリプシを指さしながら言う。


それを聞いたヘーロスがヴァレンティーンに問う。



「いいのか?」


「フン、瀕死のテメェと闘って何が面白い?」



ヴァレンティーンの覚悟を感じ取ったヘーロスがレオンハルトに手を指し伸ばす。


レオンハルトはヘーロスに向けて超越せし指輪アポクリプシを投げる。


超越せし指輪アポクリプシを受け取るヘーロス。



ソフィアたちはレオンハルトに誘導されヘーロスたちから少し離れた場所で二人の様子を見守る。



「ソフィア、イヴリンを任せる。」


「ダニーもしかして…」


「ヘーロスさんは手出しするなとは言ったが、戦いはまだ終わっていないんだ…」


「あぁ、俺たちの世界じゃまだグリーンがいる。」



ダニーに続いてレオンハルトが口にする。



「5分だ、それ以上は待たない。」



ダニーは銃を装填してヘーロスとヴァレンティーン二人を遠方で見つめる。






ダニー達が見つめる方向では互いの正面に立つヘーロスとヴァレンティーン。



「にしても随分なザマだなぁ…最強の流浪人とあろうものがよ。」


「神を相手にしたんだ…無茶を言うな。」



それを聞いたヴァレンティーンがへーロスに問いかける。




ヘーロス、お前は最強だ。


最強の力を持ち、今では神すらもお前は打ち勝った。


その先に何を望んでいる?何がお前の欲を駆り立てる?




ヴァレンティーンの問いにヘーロスは超越せし指輪アポクリプシをはめる。


するとヘーロスの肉体にオーラが宿り出す。



ヘーロスの周囲にある空間が歪みだす。


能力を再び使用できるようになったのだ。



「さぁな…だが、少なくともお前はその答えを知りに来たんだろ?

来いよ、雷帝…答えはこの闘いの果てに決めろ。」



ヘーロスが構える。



それを見たヴァレンティーンが全身に稲妻を纏いヘーロスに向かう。



「(来る!!)」




凄まじい速さでヘーロスに接近するヴァレンティーン。



「(だがお前の攻撃じゃ俺には触れることは…)」



その時だった。




雷霊戦化らいれいせんか”!!!




突如ヴァレンティーンの肉体が青く光り輝き、さらに速度が加速される。


それによりヘーロスはヴァレンティーンの攻撃速度を見誤り攻撃を受ける。



「ッ!」



ヘーロスは攻撃を受けるが態勢を立て直しヴァレンティーンに攻撃を仕掛ける。



「!?」



しかしヘーロスの拳はヴァレンティーンの肉体をすり抜ける。


ヘーロスは攻撃を仕掛けた影響で自身の空間湾曲が発動できずヴァレンティーンからカウンターを受ける。


かつて拳を交えた時以上の速度で接近するヴァレンティーン。


ヘーロスは迂闊に攻撃を仕掛けず、ヴァレンティーンの発動した技を分析する。



「(ただの身体強化じゃない…!これは…まさか…!!)」






パラフィシカーは己の能力をいかに解釈を広げ能力を扱うかが強者との分かれ目となる。


ヴァレンティーンもその強者のひとりだ。


自身の能力に多くの汎用性を持たせ多くの者と闘い、己を磨いてきた。


そんな彼が到達した段階は…




己自身と能力がひとつになること。




”雷霊戦化”


己自身が雷そのものとなり、雷と同等の速度、威力、性質を得るヴァレンティーンがヘーロスに対抗すべく編み出した奥の手。



かつて肉体の限界値を引き出し、驚異的な身体能力や反応速度を手にしていたヴァレンティーンは雷となることで人間の肉体を逸脱し、今では光速に匹敵する速度でヘーロスを襲う。



だが、



自身が雷というエネルギー体へと成ったことで今のヴァレンティーンは消耗し続けるエネルギーの塊そのもの。



つまり、それは…




この闘いの勝敗に関係なく命を落とすということ。



「(速すぎる…!グリーンやラグナロクとは比にならないほどに…!!)」



空間湾曲を使用しても速度にものを言わせた攻撃で押され始めるヘーロス。



それを遠方で見るダニーはレオンハルトに合図し行動に出る。



「ちょっ、ダニー!!

まだ5分経って…!!」


「ここでヘーロスさんを死なすわけにはいかない…!!悪いが闘いは終わりだ!」



ダニーはヴァレンティーンに向かって走り出す。


レオンハルトも自身の能力である”極限化”を発動し、二人の闘いを止めるべく走る。



それに気が付くヘーロス。



「ッ!バカ!来るな…!!」



「俺の闘いに…邪魔はさせねぇ!!」




「!!」


「なんだこれは…!?」






絶対雷界陣アルカディアボルテージ”!!!






突如、ヘーロスやダニーたちを包み込む青白い雷状の結界。



「これで邪魔はもう入らねぇ…存分に闘うぞ…!ヘーロス・ベルモンテ!!!」


「こんな真似をしなくても…俺が向かうべき相手は…お前だ、ヴァレンティーン!!!」



両者の拳がぶつかり合う。






16:24 現実世界

アウトエリア・地区Ⅲ



「なになになに…このドーム!」


「電磁波…?(いやもっと強力な…)」


「ダニーさんたち…」



取り残されたソフィアとヴァイオレット、リアムの三人はヴァレンティーンが発動した結界の前に為す術もなく見つめることしかできなかった。



「私たちが介入するのは…」


「無理ですね…」



だが、リアムはそんな二人をよそに何か準備をし始める。



「リアム?」


「僕は…信じてるよ!ヘーロスさんが勝つことを。

だからヘーロスさんが次にレヴァリィ世界に入れるように…!」


「リアム…」


「そうだね、ソフィアさん、うち達も準備しましょう…!」



三人はヘーロスを信じてREVERIEの接続に取り掛かる。



一方、その頃ヴァレンティーンが放った結界内では身動きの取れなくなったダニーとレオンハルトの前方で凄まじい戦闘を繰り広げるヘーロスとヴァレンティーンがいた。



「もっと気張れよ!!ヘーロス!!」


「(雷そのものとなっていることで物理攻撃は効かないのか…それにこの結界…)」



ヘーロスはダニーとレオンハルトの様子を見てこの結界が何を意味するのかを大方理解した。




俺以外はみな痺れて身動きがとれなくなっている…


つまりこの空間はヴァレンティーンが指定した相手との強制一騎打ちを行う…




「だけじゃねぇ…!!」



ヴァレンティーンがヘーロスに目掛けて指を向ける。


するとヘーロスですら回避することができないほどの速さで雷撃が放たれる。


それはかつてヴァレンティーンがミカエルことヴィンセントの腕を吹き飛ばした際のものと同等の威力を誇る。


幸い空間湾曲で攻撃を防ぐことに成功するが、ヴァレンティーンが指を向けずとも次々と強力な雷撃がヘーロスを襲う。



「ッ!(これほどの雷撃、俺に帯電させない限りは…!)」



ヘーロスは自身に帯電されていないと発動が考えられないほどの威力を持つ雷撃が次々と襲い掛かるのを見て疑問に思う。


だが”絶対雷界陣アルカディアボルテージ”では結界内の全ての空間に稲妻が充満している。



つまり、ヘーロスの全身は…



「常に帯電状態なんだよ…!!」


「チッ…!!」



自身を圧倒的に上回る速度、結界内の空間全域に及ぶ不可避の雷撃、物理攻撃の無効化、


今のヘーロスでなくとも万全のヘーロスですら困難な状況に攻防はヴァレンティーン優勢のものとなる。



「守りてぇモンを守る…

それでテメェ自身を満たせるのか?」


「ッ!!」




他者のために己を犠牲にして他者を救う。


それがお前の人生だと言うなら裏を返せば、お前の人生は犠牲者のもとに成り立っているにすぎない。





「そんなのが生きてると言えんのか!!へーロス!!」




ヴァレンティーンの言葉が拳と共にへーロスに撃ち込まれていく。



それに対し、



ヘーロスはただ…




悪魔の如く笑みを浮かべる。




ヘーロスの笑みを見たヴァレンティーンもまたさらに高揚とした表情を浮かべ攻撃を繰り出していく。



「それがお前の正体か…!?」


「まだ死ぬなよ?雷帝!!」


「!?」



ヘーロスは空間を掴みだす。


するとヴァレンティーンが空間ごとヘーロスのもとへ引き寄せられる。


そこにヘーロスの空間を破壊するほどの一撃が直撃する。



「グッ!!!」


「これならお前にも当たる。」


「ッ面白れぇ!!」



ヴァレンティーンは血を吐き捨て、ヘーロスと攻防を繰り広げる。


ヘーロスの打撃を受けつつもヴァレンティーンは蹴りでヘーロスを突き放す。


すかさずヘーロスに向けて雷撃が襲う。


だがヘーロスは周囲の空間をねじることで雷撃同士をぶつける。


そこに自身の掌から雷撃を放つヴァレンティーン。



ヘーロスはその攻撃を自身の腕で殴ることで相殺する。



「いいじゃねぇか!!」



ヴァレンティーンに向かい出すヘーロス。


そんな状況の中でヴァレンティーンはかつて自身が過ごした日々を思い返していた。











「おらおら!!俺に勝てる奴はもういねぇのか~?」


「少年よ、名は何という。」


「ヴァレンティーンだ!おっさんは強ぇのか?」


「私は王だ、強くはないが強い者にお前を会わすことはできるぞ。」






「おい、ヴァレンティーン派手にやりすぎだ。」


「あぁ?コイツが矮小なのが悪いんだろ?」


「もっと少佐らしく統率してくれないか?」


「嫌なこった。」






「お前は強いなヴァレンティーン。」


「ヴォルフガングさんほどじゃないッスよ~」


「中佐でこの戦闘能力…数年もすれば俺に並ぶ将軍になるだろう。」


「将軍なんてめんどくさそうな階級は嫌なんッスけどね~」






「今回も俺の勝ちだ。」


「クソッ!酒じゃなくて戦闘なら絶対お前に勝てんのにな~」


「それはどうだろうな、少なくともそんなことは叶わない夢見事だ、諦めろヴァレンティーン。」


「お、おい!待てヴィルヘルム!!もう一回だ!」






「将軍?…はぁ…将軍起きてください。」


「お、クリスティーナ大佐じゃん~俺が頼んだ仕事やったのか?」


「えぇ、それに加えて任務報告書も王都に提出してきました。」


「んじゃ、またひと眠り…」


「ダメです…!って、あー!」






「将軍はなんでそこまで闘うんですか?」


「ん?なんだラインハルト大佐そんなこと言うタイプだったか?」


「い、いや…!少し気になって…将軍ほど強いと全力を出す相手とかもいなくなるんじゃないかな~って。」


「バカ言え、俺はいつでも全力だっつーの。けど…」






なぜ闘うのか。



そんなこと考えたこともなかった。



だが、俺は闘いを渇望した。



その渇きを満たすために闘い続けた。



喉が渇くのに理由は必要か?











「いらねぇよなぁ…!!」


「!!」



ヴァレンティーンの掌から莫大なエネルギーが集約していく。




渇いたから欲した、ただそんだけだ…!!




俺にとって闘いは俺の人生そのものだ!!






雷臨らいりん”!!!






ヴァレンティーンは雷と化した自身をエネルギーとして放出した。


その凄まじい攻撃は空間にすら影響を及ぼし、あらゆる概念を無視した一撃となった。



結界内に大きな轟音と雷による爆発が起きる。



「ハァ…ハァ…」



全力の一撃を放ってヴァレンティーンの肉体にヒビが生じ始める。


すでに雷霊戦化となった際の反動で肉体が消失しかけていたのだ。



だが…



「…んだよ…死んでねぇのかよ…」


「…あぁ。」



そこには攻撃を受けるもその場に立つヘーロスの姿があった。


しかし、ヘーロスの状態をみたヴァレンティーンが少し俯いて笑う。



「互いに死にかけか…」



ヴァレンティーンの目に映った姿、それは右腕を吹き飛ばされたヘーロスの姿があったのだ。


さらに空間操作による防御も不可能な概念を無視したヴァレンティーンの一撃でヘーロスの肉体は焼け焦げ、血まみれの状態だった。



だが、それでもへーロスは戦意を失ってなどいなかった。



「行くぞ、ヴァレンティーン。」



ヘーロスの言葉を聞いてヴァレンティーンは息を整える。




僅かの静寂の後、二人は同時に動き出す。






20話「最後の闘い」






ヴァレンティーンの猛攻を受けるヘーロス。


ヘーロスもヴァレンティーンの脚を掴み、胸に強烈な一撃を繰り出す。



激しく血を吐くヴァレンティーン。



「おらぁぁあああ!!!」



歯を食いしばるヴァレンティーン。


ヘーロスを翻弄する攻撃を連続で繰り出す。



互いに限界をすでに向かえ、本来であれば死してもおかしくない状況、


それでも二人の拳は止まることはなかった。




知らなかった、こんなにもお前との闘いは楽しいのか…!?




ここまで来ちゃ、勝ちとか負けとかそんなんじゃねぇ…!!



「わかんだろ…!!」


「!!」



ヴァレンティーンが攻撃を構える。


それに気が付いたヘーロスも掌を前に出し構える。




言葉じゃねぇ、俺とお前の闘いに必要なモンは…




テメェお前テメェのぶつかり合いだろうがよ…!!




闘いを渇望し、己が満たされるがままに人生を送り続けたヴァレンティーン。



そんなヴァレンティーンが初めて他者に与えた闘いの味。



それは他者に命を振るうことを決めたへーロスの心を突き動かす。



これまで闘いにおいて求めるのは他者の幸福、自分のことは全て捨て、その身を投じてきたへーロス。



だが、ヴァレンティーンとの闘いの中で己の内に秘めた欲が駆り立てられる。



これまで自身の生涯において他者のためにと戦い続けた英雄は生まれて初めて…




ただ、純粋に己の欲を満たすための闘いに身を投じると決めたのだ。




自分おれだけじゃなかった。



闘いに焦がれ、闘いの味に満ちる喜びを知る者は…






ヘーロスおまえも同じだったんだな…






人はヘーロスヤツを英雄と呼んだ。



最強の流浪人とも。




だが、




英雄の名を持つアイツも心の内に悪魔を飼っていた。




その悪魔は俺と同じ表情をしてやがった。






「出し切れよ、ヘーロス…!!」



「あぁ、これで…最後だ…!!」






”虚殲”!!!


”雷臨”!!!



結界内で二つの激しい一撃がぶつかり合う。




英雄と雷帝の一撃は…



先のヘーロスとグリーンの一撃と異なり、せめぎ合うことなく決着はすぐに現れた。











「ヘーロスさん…!!」


「どうなった…!」



ダニーとレオンハルトは互いに身動きが取れない中、二人の一撃の行く末を見届ける。






爆炎の晴れた先には二人の影が映っていた。











「…ありがとよ……満たされたぜ…!」




肉体が崩壊しながらも満足げな笑みを浮かべるヴァレンティーン。




「俺もだ…いい…闘いだったな…」




それに対し同じくこれまで見せたことのない満足な表情を浮かべるヘーロス。




それを聞いたヴァレンティーンの肉体が崩れる。


同時に結界が崩壊する。






英雄と雷帝の闘い…



それは開幕、僅か7分21秒にて決した。



だが、



その瞬きの闘争は彼らの人生において最も満たされた一時であったことは明白だった。




神話に刻まれし決闘の結末。

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