表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイド  作者: じょじょ
ハイド 最終章 ~天地神焉記~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/98

13話「降臨」

全能司りし者は世界を統べる。

~十四日目~


9:45 現実世界

セントラルエリア



「ハァ…ハァ…!」



セントラルエリアの都市部。


そこではすでに片腕を失いつつもその場から逃げようと必死に足を動かす機械生命体のR-01。



ブラッドフォードと共にヘーロスの足止めをしていたR-01だが、ブラッドフォードも殺され後は自身と自身に従える機械兵のみとなった。


足止めも限界に差し迫る中、R-01の背後にはゆっくりとだが、ヘーロスが殺意をもって歩み続けていた。



ヘーロスに機械兵を差し向けながら逃げるR-01。



ヘーロスは造作もなく機械兵を破壊し、R-01に接近する。



「散々舐めた真似しやがって。」


「ナッ!?」



とてもつもない速さでR-01の背後から前方に現れるヘーロス。


ヘーロスはR-01の足を蹴りで破壊し、地べたに倒れるR-01の頭を踏みつける。



「答えろ、お前たちT.Z.E.Lツェルの目的はなんだ。」











「それはね、新時代の誕生だよ。」










その声に反応し振り向くヘーロス。


その先にはウィルフォードが立っていた。


ウィルフォードはR-01を見た後、少し微笑みながらヘーロスに向かって言い放つ。



「R-01を離してやってくれないか?

彼は私の指示で君を足止めしていたにすぎない。」



ウィルフォードの言葉にヘーロスは殺意を飛ばしながら口を開く。



「ちょうどいい、俺もお前に用があったところだ。

お前を始末してこの惨状を終わらせる。」



ヘーロスはR-01を蹴り飛ばす。


するとR-01はセントラルエリアの高層ビルを数軒貫通しながら飛ばされる。



倒壊したビルがヘーロスの背後で崩れ落ちる。



「フフッ…私を始末して終わらせる…?

君とあろうものがレヴァリィ世界あちらで何が起きているのか理解していないはずはないだろう?」






~十四日目~


10:10 レヴァリィ世界

アロガンティア大国・王都内部



王宮周辺で死したはずのカマエルとアズラエルを相手取るアローラ。



「許せ、天使!」



カマエルの胴体と柱を剣で突き刺し固定することで戦闘不能にする。


迫りくるアズラエルの攻撃をアローラは剣で防ぎ、隙を見計らい腕を切断する。


切断されたことで僅かに態勢を崩した隙にアローラはアズラエルの首をはねる。



「はぁ…はぁ…(死体とはいえ、アロガンティア特務機関を相手するのは中々堪えるな…)」



アローラは息を整えた後、クリスティーナ大佐を手当てし、二人で王宮へ向かおうとする。



その時だった。



「あれは…!?」



クリスティーナ大佐が王都の下町を指さす。


そこでは周囲から宙へ向かって目に見えるほどのエネルギーが吸い上げられていた。


それを見たアローラはこの状況がヴィクトール総督の仕業だと理解した。



「あっちでは一体何が…?」






13話「降臨」



~十四日目~


10:10 レヴァリィ世界

アロガンティア大国・王都内部



王都の下町にてレオンハルトとウォルターの連携により敗れたヴィクトール。


だが、なんとか一命は取り留めたヴィクトールは王都に住まう民間人の生命エネルギーを吸い上げ、自身の力に還元しようと試みた。



「俺は死ねない!!

ウィルフォード様が成し遂げるまで!!

神になるのは…ウィルフォード様あのひとだ!!!」



しかし、そんな状況の中、ある人物がヴィクトールの背後に現れ声をかける。






「ほう?神になる…か。」






「!!!」



その存在に気が付いたヴィクトールは背後を振り向く。



「誰がおれさまになると?」



そう、突如現れたのはグリーン・ウィザースプーンだったのだ。



ヴィクトールは目の前の人物が以前にウィルフォードが言っていた古代人、グリーン・ウィザースプーンであるとすぐに理解した。


宙に浮かぶ二人を見つめるレオンハルトとウォルターもまたグリーンがただ者ではないことを察する。



「ウォルター…」


「わかってるって~…(迂闊に動けば殺されかねないな…)」



冷や汗を滲ませるレオンハルトとウォルター。


ヴィクトールはグリーンを見て、恐る恐る声をかける。



「あなたは…」


「俺様か?」



するとグリーンはヴィクトールを見つめながらこう言った。





「神だ。」






「!!」



突如凄まじい速さでヴィクトールに攻撃するグリーン。


ヴィクトールはそのまま下町に落下し、周囲に激しい衝撃が巻き起こる。


落下した衝撃だけで周囲の民家が粉々に砕け散る。



倒壊した民家から姿を現すヴィクトール。



「お、お待ちください…!俺は…あなたの復活を待つ者たちの一員です!」


「ほう…?」



グリーンはヴィクトールの発言に興味を持ち、一瞬でヴィクトールの懐にまで移動する。



「俺様を待つ者とは何のことだ?」


「あ、あなたの子孫であるウィルフォード・ウィザースプーン様が…あなたをお待ちです。

俺たちは…あなたや古代人の世界の復興を…」


「あぁ、いい。

それは現実世界あちらの俺様が成し遂げるだろう。

貴様の言う”ウィルフォード様”とやらにもすでに会っているはずだ。」


「で、では…」



ヴィクトールは少し安堵した表情を浮かべる。



「だが、それとは別だ。」


「!?」



グリーンは再びヴィクトールに攻撃を仕掛ける。



「悪いが、神とは絶対的な存在…

何人なんぴとたりとも俺様を縛ることはできん。」



すでにレオンハルトとウォルターとの戦闘で負傷していたヴィクトールはグリーンの攻撃を自身の抱える最高出力のエネルギーで和らげてもなお、大きなダメージを負う。



「ウグッ…!!」


「お前は俺様に従おうとしているのではない、その”ウィルフォード”という者に忠誠を誓っているにすぎん。」


「!!」



グリーンに自身の内に秘める真意を暴かれるヴィクトール。



「お前にとってその”ウィルフォード”が神なのだろう…だが…」



グリーンは再び空中へと上昇する。



「神は俺様だけだ。」


「!!」


「これは…!!」



グリーンの掌から膨大なエネルギーが放出される。


それはヴィクトールに向かって放たれ、着弾した箇所は大きな穴が開き、地響きが生じる。



レオンハルトとウォルターもその余波に巻き込まれる。



「ウッ…!!」



王都に激しく舞う土煙からグリーンに向かうヴィクトール。


ヴィクトールの拳をグリーンは受け止める。



「ウィルフォード様がお前を必要としていてもあの方に危害を加える可能性があるというなら!

俺はここでお前を!!」


「クックッ…ようやく本性が出たな。」



グリーンとヴィクトールの激しい攻防を繰り広げられる。






~十四日目~


10:10 レヴァリィ世界

アロガンティア大国・王都内部



王宮内部、ジョージ王を倒すことに成功したルーク。


その瞬間を見たレタとアイヨはルークを見つめ、この戦いの終わりを感じる。



「まだだ…」



だが、ルークは王宮の窓から先ほどのレオンハルトたちがヴィクトールと対峙していた下町を眺めながら言う。



「ルークさん…?」


「王を倒せてもまだ…脅威はいる…

二人はここで傷を癒すんだ、アローラが来たら状況を説明してくれ。」



そう言ってルークは負傷した身体を無理に動かしながら部屋を出ようとする。



「お兄さんも休まなきゃ!」



アイヨがルークの腕を掴む。


部屋の扉に手をかけながらルークは少し立ち止まり、二人の方を向く。



「けど、行かなきゃいけないんだ。

俺はこの国の人間だ、この惨状を終わらせる責任がある。」


「それは俺たちにだって!」



レタがルークに反論する。


今の状況が理解できていないレタではない。


すでに状況はこのアロガンティア大国だけでなくレヴァリィ世界全てに影響が及んでいる。


そしてそれは決してジョージ王だけが原因でないことも。



「俺たちもこの世界の人間なんです!

俺たちにも終わらせる責任があります!!」


「…。」



ルークは二人を見つめ、微笑みながらアイヨとレタの頭を撫でる。



「そうだな。」



するとルークの視界に入ったのはレタとアイヨの先にいる人物だった。



「!!」



それを見たルークはレタ達を自身の後ろに置きながら剣を抜く。



「まだ生きていたか…」


「死んで…たまる…か…!!」



ルークの視界に入った人物、それはジョージ王だった。


すでに心臓を貫かれ死を待つだけの状態、それでもジョージ王は無理に立ちルークたちに向かう。



「よせ、もうあんたは助からない。」


「俺はぁ…!!

神になる男…!!ここで死ぬわけに…」


「!!」



すると突如激しい衝撃と共に部屋の壁が破壊される。


衝撃に巻き込まれ、ジョージ王は跡形もなく粉微塵となる。


ルークは衝撃からレタとアイヨを庇う。



「なんだ…!?」


「クッ…ソッ…!!」



倒壊した壁から姿を現したのはヴィクトールだった。


そして、ヴィクトールが見つめる先には笑みを浮かべるグリーンの姿が。



「もう終わりか?」


「ッ!…まだだ!!!」



グリーンの挑発にヴィクトールは激しく怒り、さらにエネルギーの出力を上げていく。


その出力はレオンハルトたちと戦った時よりもさらに凄まじい出力となり、球状のエネルギーとなりどんどん大きくなっていく。



「これは…!(まずい!!!)」



ヴィクトールのエネルギーが王宮を巻き込み始め、ルークはレタとアイヨを抱え、王宮を脱出しようと試みる。


しかし、ジョージ王との戦いで瀕死の重傷を負っていたルークはすでに走るのも困難な状態。



膝を着き、吐血するルーク。



「ルークさん!」


「俺のことはいい!二人はそのまま走るんだ!」


「でも!お兄さんが…」



アイヨがルークのもとに戻ろうとするが、アイヨのいた壁が崩れる。


それを間一髪で防いだのはアローラだった。


アローラとクリスティーナ大佐はルークを立ち上がらせる。



「無事か!?」


「アローラ!二人を連れて…」


「いや、君もだよ~…ルーク。」


「その声は!?」



ルークの背後に立っていたのはウォルターだった。



「そんな傷じゃ戦いの足手まといさ。」


「どうしてお前が!?」



ルークはウォルターの状態を見て自身と同様に戦いにより体力を消耗しているのだと気が付く。



「続きは…お互い生きていたらしようね~…」


「ま、待て!!」



ウォルターは断絶の籠ディアスタスケージを開きルークたち五人を取り込む。



「君たちには生きてもらわないとね。」






この世界を見届けるために。






「クックッ…派手にやるな…」



グリーンは王宮から離れヴィクトールから距離を取る。


ヴィクトールは自身のエネルギーをさらに大きく展開し、それはすでに王都の半分以上を包み込んでいた。



それを見ながら街の民を暴虐の縄エレフィリアロープで抱え走り続けるレオンハルト。



「マズい!(どんどん大きくなってやがる!!)」



そこにウォルターがレオンハルトのもとに戻る。



「ウォルター!アローラたちは!?」


「避難完了さ~…」


「よし、救えるだけ救うぞ!!」


「無理言わないでくれよ~…」



二人は王都に残った民をできるだけ多くこの場から逃がすべく行動に出る。



一方、上空ではさらに膨張し続けるエネルギー。



ヴィクトールは血を吹き出しながらも全身に力を込める。



「うぉおおおおお!!!!!」




「!!!」




それに気が付くレオンハルトとウォルター。




エネルギーが神々しく光り輝きだす。


それを見たグリーンはヴィクトールの命を懸けた攻撃に笑みを浮かべる。



「フッフッ!!街を破壊する気だな…!?」



グリーンは上空で目を閉じ始める。


ヴィクトールのエネルギーが光輝きだし、ウォルターとレオンハルトが焦りを見せる。



「マズいね…これは…」


「早く民を逃がすぞ!!」


「いや、もうこれ以上は間に合わないでしょ…」






街ごと消えてなくなるがいい!!






そしてヴィクトールは自身のエネルギーを解き放つ。






「ウォルター!!」


「!!」





エネルギーがまるで大きな爆弾が爆破したかのように王都を包み込む。


王都全域が光に包まれ、全てを破壊する。






~十四日目~


10:20 レヴァリィ世界

アロガンティア大国・王都隣町



王都の隣町。


そこでミカエルことヴィンセントとヴァレンティーンとの戦いでほとんど壊滅状態となっている中、一人瓦礫の上を歩く人物。



それは別の場所でクヴィディタス帝国軍の将軍、ヴィルヘルムと激闘を繰り広げたアドルフだった。


アドルフは町の更地となった地点に向かうとそこにリアムが座り込んでいた。



「よかった、無事ですかリアム。」


「ごめんなさい!アドルフさん!」


「大丈夫です、君が無事でよかった。」



泣きじゃくるリアムをなだめるアドルフ。


だが、リアムの様子の異変に気が付くアドルフ。



「リアム…?」


「違うの、仕方なかったんだ、言わないと殺すって言われて…!」


「何を…言ったんですか…?」


「あの人に…ヴァレンティーンに…!僕らがどうやって…」



リアムの発言を聞くアドルフの背後で大きな爆音が響く。


二人をその音の方向を振り向く。


それはアロガンティア大国の王都がある場所だ。



「あれは…!!」






~十四日目~


10:20 レヴァリィ世界

アロガンティア大国・王都跡地



「ハァ…ハァ…これならば…」






「神が死ぬと思ったか?」


「ッ!!」



ヴィクトールの背後に現れるグリーン。


そんなグリーンの身体には傷一つついていなかった。



「バカな…俺の生命エネルギーを使った攻撃だぞ…!!」


「お前の命より俺様の”願い”の強さが勝っただけだろう。」


「そんなことが…」



ヴィクトールは自身の最高の一撃が通用しなかったことに絶望する。



「さぁ、次はどうする?」


「ック…!!」



ヴィクトールはこちらに向かってくるグリーンに立ち向かうべく自身の身体にエネルギーを込める。


すでに全身に纏うほどのエネルギーは残されていない。


それでも最後の足搔きとしてグリーンに立ち向かう。



グリーンの猛攻を受け続けるヴィクトール。



「燃えカス同然だな。」


「喰らえッ!!」



至近距離でのエネルギー波を与えるヴィクトール。


だが、グリーンはその攻撃を避けもせず無傷のままヴィクトールに攻撃をし続ける。



「お前が仕える神は随分と寛容だな…!

こんな脆い者を側に置くとは!!」


「ウガァッ…!!」



ヴィクトールの腕を蹴りだけで千切るグリーン。


その激しい痛みに声を上げるヴィクトール。


すでに虫の息となっているヴィクトールの脳内ではウィルフォードとの記憶が蘇る。






「ヴィクトール、君は…神を信じているかい?」


「神…ですか?

生憎、俺はあなたに拾われ今があります。神なんてものは…」


「では、その神のいる世をいつか君にも見せよう。」






俺にとってはウィルフォード様あなたが神だった…






ヴィクトールはグリーンの猛攻から抜け出し空高く上空に飛び上がる。



「ほう…?」



それを見上げるグリーンはいまだ余裕の笑みを浮かべている。


ヴィクトールは自身の内にエネルギーを圧縮し始める。



上空で膨張し続けるエネルギーは先ほどのヴィクトールが放ったエネルギーよりもさらに強力なものと化す。



「自身の命全てをエネルギーに変換してるのか!(このまま野放しにすれば、この街だけでなく大国全域に範囲が及ぶか?)」



グリーンはヴィクトールが自爆覚悟の広範囲爆破を行おうとしているのだと確信した。



「俺はぁあ!!!!

ウィルフォード様あなたの創り上げる世界を守る!!!」



すでに自身の命を燃やしたエネルギーによって徐々に肉体が焼かれていく中、ヴィクトールはなおも自身のエネルギーを拡張していく。


グリーンがヴィクトールのいる上空に飛び上がる。











俺にとって唯一、絶対の神はウィルフォード様あなたです。


神のいる世界が存在するならば、それはウィルフォード様あなたが統べる世界…


俺はそんな世界を実現すべく、そんな世界を守るために、


存在していると言っても過言ではない。



だが、もし…



もし叶うことがあるとするなら、俺はそんなウィルフォード様あなたが神として世界を統べる世を見てみたかった…











上空では焼け焦げ息絶えたヴィクトールがグリーンによって首を掴まれていた。



「クックッ…己自身を生贄とした広範囲爆破…

中々いいものを見せてもらったが、神には到底敵うことはない。」



グリーンはそう言うとヴィクトールから手を離す。


ヴィクトールの焼死体はそのまま壊滅状態となった王都へ落下する。


グリーンはそんなヴィクトールを見下ろしながら、口にする。



「だが、幸運な奴だ。

最期にこの[[rb:神 > おれさま]]を目にして生涯を終えることができたのだから。」



グリーンが地上に降り立つ。


するとグリーンは先ほどから察していたように周囲に向かって声をかける。



「…貴様らはどうだ?」



グリーンが声をかけた人物、それはレオンハルトとウォルターだった!



二人は左右から同時にグリーンに攻撃を仕掛けるが、二人の攻撃は容易に受け止められる。



「神を前にどう出る?」


「チッ!」


「生憎、こっちも”死神”と”鬼神”…

神に対抗できるのは神だけでしょ~…」



ウォルターが冷や汗を浮かべながらも、グリーンを挑発する。


グリーンの目つきが僅かだが鋭くなる。



「紛い物が…」






~十四日目~


10:20 現実世界

セントラルエリア



「さすが…世界最強の殺し屋だ…強いね…」



そうヘーロスに声をかけるのはウィルフォードだ。


ウィルフォードは自身の肉体を再生させながら笑みを浮かべる。



その姿は先ほどまでの年老いた容姿ではなく、徐々に若々しい肉体へと変化しながら肉体の再生が行われていた。



「頭を潰したはずだ、どうなっている…」


「ブラッドフォード卿と違って私は完全にナノテックインプラントに適合していてね…

完全なる不死を手に入れているのさ。」



完全に適合したナノテックによりウィルフォードは肉体の再生だけでなく、以前よりもさらに若い肉体の状態を形作っていた。


それを見たへーロスはこの現実離れした異常な状況でもなお冷静にウィルフォードを観察する。



「不死、そんなものはこの世に存在しない。」


「さぁ、それはどうだろうね…試してみるかい?」


「言われなくても。」



ヘーロスは再びウィルフォードに向かう。


戦闘能力自体で言えば、ヘーロスには足元にも及ばないウィルフォード。


しかし、これまでT.Z.E.Lの構成員が見せてきたナノテックインプラントと異なり、完全に肉体に適合したウィルフォードの身体はヘーロスによる急所を狙った攻撃ですら瞬く間に再生を繰り返す。



だが、



それでもヘーロスは攻撃の手を緩めなかった。



「言っただろう、不死だと。」


「…。」



不死であると主張するウィルフォードだが、ヘーロスは彼の言うことには何か裏があると考えていた。



本当に不死であれば俺の攻撃に対して無抵抗のはずだ…


だが奴はブラッドフォードあいつと違い死の恐怖を忘れてはいない




ヘーロスはウィルフォードに殺意を飛ばす。


僅かだが、ウィルフォードの笑みが崩れる。


それでもなおウィルフォードはヘーロスに声をかける。



「大分焦っているように見えるね…

世界が滅ぶというのに私の相手をしてて…」


「もういい、言葉遊びに付き合う気はない。」



ヘーロスがウィルフォードの言葉を遮る。



「わかってんだろ?自分の死が。」



ウィルフォードに緊張が走る。




ヘーロスがウィルフォードの頭上に瞬時に移動する。




ナイフを握り、ヘーロスがウィルフォードに攻撃を仕掛ける。






だが…






そんなヘーロスの攻撃を止める人物が現れる。



「!!」



自身の全力の一撃を防いだ人物を見てヘーロスが驚愕する。



ヘーロスの攻撃を受け止めたのはリベルの身体に憑依したラグナロクだったのだ…!!



ラグナロクはヘーロスの顔を見てかつて古代人であったハイドと自身を打ち倒したもう一人の黒髪の男を思い出す。



その男は今目の前にいるヘーロスおとこと同様に赤き瞳を放っていた。



その男とヘーロスの姿を重ね合わせるラグナロク。






「まずはお前からだと…言ったはずだ、ブラック・ベルモンテ!!」


「悪いが、人違いだ。」



超常体と超越者、ここに再び…!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ