7話「レヴァリィの終焉」
強敵を前にして集うは、
仲間の意思。
未知を前にして集うは、
かつての敵なり。
~十四日目~
8:00 レヴァリィ世界
アロガンティア大国・王都城下町
「しょ…将軍…これって…」
空を見上げながらヴァレンティーンを呼ぶのはクリスティーナ大佐だ。
彼女は空に空いた亀裂を見ながら、今この時この世界で何か異常事態が発生することを予感した。
それはクリスティーナ大佐だけでなく街中にいる住民やヴァレンティーンも察する。
「おいおい…冗談だろ…」
ヴァレンティーンは上空の亀裂を見て最悪を想定をすぐに考えた。
「大佐、俺についてくるって言ったよな?…なら最後まで付き合ってもらうぜ?」
「ど、どういうことですか?将軍…?この空の亀裂は…」
「もうじき”この世界”が崩壊する合図だよ…!」
ヴァレンティーンは街を見下ろす王都、ジョージ王がいる王宮を見上げる。
~十四日目~
8:40 レヴァリィ世界
アロガンティア大国・王都入り口付近
「アローラさん…リアムたちは…!」
レタが馬に乗りながら王都を目指すアローラに向かって叫ぶ。
「わかっている…!だが、こちらも果たさないとならないんだ…」
アローラは真っすぐ王都の方向を見ながら馬を駆ける。
「そうだ、俺たちには為さなければならなことがある…流浪人も同じくそれに準じて俺たちを見送ったんだ。」
レオンハルトが答える。
それを聞いたレタは納得いかない表情を浮かべた。
リアムは自分の大切な仲間であり友達だ。
そんな自分にとってかけがいのない存在をこんなに簡単にも見放していいのだろうか…と
「お前が言いたいことも理解できる、だがらこそだ。
…だからこそ…俺たちは置いていった者を守るために為すべきことをするんだ。」
ルークがレタの頭を撫でながら励ました。
そんなルークの表情をレタは見つめる。
ルークはどこか儚い表情を浮かべていた。
レタはルークにも誰か、自分にとって大切な人を残していったのだと理解した。
「ルークさん…」
「前を向けレタ、お前にしかできないことがある。」
「…はい…!」
それを聞いたレタはを表情を改めて前を向く。
「アイヨにもできることあるかな~…」
アイヨはレタの後ろでそれを羨ましそうに見つめながら嘆く。
~十四日目~
8:40 レヴァリィ世界
アロガンティア大国・王都隣町
アローラたちを見送ったアドルフとリアムはミカエルとの戦闘を開始した。
リアムは自身の能力”高速移動”によって町中を駆け回りながらミカエルを速度で翻弄する。
「(速い…目で追うのは困難…しかし…)」
「うわぁっ!」
すると高速で移動するリアムの目の前に突如ミカエルが現れリアムに蹴りを行う。
リアムは自身の進行方向とは別方向に飛ばされ民家を破壊する。
「危なかった~…」
「(無傷…の様子を見るに能力の使用中はあの速度に肉体が耐えられるように無敵状態となるようですね…)」
ミカエルはリアムの能力の副次的に発動している、能力発動中は身体の無敵状態に注目した。
「なかなかいい能力ですが…」
「!!」
再びリアムの目の前に高速移動したミカエルがリアムに蹴りを入れる。
咄嗟にリアムは攻撃をガードするがさらに奥の民家まで吹き飛ばされる。
「能力発動の暇を与えなければ造作もない。」
「うっ…」
壊れた民家から頭から血を流したリアムが現れる。
いくら能力発動中は無敵状態になるといってもそれは相手によるカウンターが無効になるというメリットしかない。
リアムの身体能力はアンドリューやエヴァのような聖騎士団や殲越十二戦士以上の戦闘力はない。
能力発動前に攻撃を受けたことでリアムはすでに意識が朦朧としかけていた。
「能力は優秀でも身体がそんなに脆いのなら……っ!?」
ミカエルは突如自身の周囲に襲い掛かる鋼線を自身の能力”瞬間移動”で回避する。
周囲の民家が切り刻まれ民家の瓦礫がミカエルに降り注ぐ。
その瓦礫を次々と能力で回避するが、その背後をとらえたのはアドルフだった。
アドルフの短刀をミカエルは自身の剣で受け止める。
「さすが…というべきですね漆黒の卓越者。」
ミカエルはアドルフの前から姿を消し、少し離れた箇所にまで移動する。
その後に民家の瓦礫が周囲に降り注ぐ。
アドルフはリアムを自身の能力で瓦礫とリアムの位置を入れ替えることでリアムを避難させる。
「リアムを脆いと言うのは現実世界での体型を見てからにした方がいいかと。」
周囲の鋼線を自身のもとに引き寄せつつメガネを上げながらミカエルに言い放つアドルフ。
「アドルフさん!余計なこと言わないでよ!」
アドルフの横にリアムが少し怒った表情で走り寄ってくる。
ミカエルは二人の様子を伺いながら次の一手を考える。
聖騎士団や殲越十二戦士以上の実力者である流浪人…
特にあの男は厄介だ…
先ほどあの青年が瓦礫に巻き込まれるのを防ぐべく、上空の瓦礫と入れ替えていた…
考えるにあの男の能力は物資と物質を入れ替える…といったものだろう。
「…移動系のパラフィシカー二人が相手ですか…」
ミカエルはそう嘆きリアムの方を向く。
それを見たアドルフが僅かなミカエルの行動に気が付く。
「!!…リアム…!」
ミカエルの目的がリアムであると察したのだ。
アドルフが鋼線を使用してリアムを自身から遠ざける。
するとミカエルはアドルフの目の前に接近する。
「惜しい…狙いはあなたですよ。」
「!!」
気が付くとミカエルとアドルフがいた場所は先ほどいた場所ではなくはるか上空だった。
「これは…!?」
「触れた者も私と移動する、ここまでの高さであればあなたは能力を使用せざるを得ない。」
「ッ!」
そう言い残しミカエルは姿を消す。
上空から落下し続けるアドルフ。
周囲には建物や森林といった高さのある物体もない。
鋼線をくくりつけて勢いを殺すことも不可能。
このままでは地上にぶつかり死亡するだけ。
アドルフは自身の能力を使用した。
「アドルフさん!」
リアムが先ほどまでアドルフがいた地点で叫ぶ。
するとすぐにミカエルが姿を現す。
ミカエルは上を見つめながら何かを待っている。
そしてしばらくするとミカエルはリアムの方を向き答える。
「やはり、そうなりましたか。」
「お前…!」
「あの男がここに戻ってくることはもうない、後は君だけですよ。」
「くっ!」
~十四日目~
9:00 レヴァリィ世界
アロガンティア大国・平原地帯
「うっ…!」
突如姿を現すアドルフ。
「くそっ…(かなり距離を離された…あそこから一番近くてここか…)」
アドルフはリアムがいた王都の隣町から馬を使用しないと向かえない距離にまで移動していた。
アドルフの能力は自身が触れた事象どうしを入れ替えるというもの。
はるか上空で能力を使用せざるを得なかったアドルフは自身がマーキングしていた最もリアムがいる地点から近い場所へと移動した。
しかしそれでも距離はかなりある。
ミカエルはアドルフの能力の特性を察してこのような状況に追い込んだのだと理解した。
「(まずい…リアムのもとへ…!)」
アドルフがリアムの身を案じ行動を開始しようとするが…
「流浪人…?」
「!!」
アドルフが声のする方を振り向く。
そこにいたのは…
アドルフがいる地点から全方位に大量のテロスが襲い掛かる。
アドルフと鉢合わせたのはクヴィディタス帝国軍の将軍、
ヴィルヘルムだった。
~十四日目~
8:40 レヴァリィ世界
アロガンティア大国・王都内部
「もう少しだ…!」
アローラたちは王都に入りジョージ王がいるであろう王宮を見つめる。
そのときだった。
「アローラ!」
何かに気が付いたレオンハルトが暴虐の縄を用いてアローラを自身のもとに引き寄せる。
するとアローラが乗っていた馬が突如、上空から降ってきた人型の存在によって押しつぶされた。
”それ”は起き上がると周囲の民を襲い始める。
民を救うべくレタが掌から音波のようなものを発生して”それ”を倒す。
「アローラ、無事か!」
レタのもとに駆けよるルークがアローラとレオンハルトに向けて声をかけるが…
「!!」
レオンハルトの背後に迫りくる気配。
それに気が付いたレオンハルトはすぐに攻撃態勢に入り、瞬く間に複数の”それ”を蹴散らしていく。
「どういうことだ…」
「ジョージ王の仕業か?…いや…これは…!」
アローラが先ほど上空にあった亀裂に目を向ける。
すると亀裂は大きな穴となり、そこからまるで雨の如く大量の”それ”が次々と地上に降り注いでいたのだ。
「なんだこいつは…!」
「金属でできているのか…?(だが今の攻撃は明らかに意思を持って襲い掛かってきた…!)」
アローラたちに襲い掛かったのは…
本来、レヴァリィ世界にいるはずのない…
機械兵だったのだ…!
~十四日目~
8:40 現実世界
アウトエリア・地区Ⅱ
「世界ニ亀裂ガ生ジタコトデマサカコンナコトガデキルヨウニナルトハナ。」
そう言い放つのはアウトエリアに住まう機械生命体の1人、R-02だった。
R-02の見つめる先には大量の人間がカプセルのようなものに入り、目を閉じていた。
よく見るとそこにはアローラやレオンハルトたちが眠っていた。
そう、これはレヴァリィ世界で暮らす人々の現実世界での素体なのだ。
R-02は現実世界でも亀裂が生じ、そこから大量のテロスが出現したことで理解したのだ。
この世界の終焉に。
かつて人類に憎しみを強く抱いていたR-02はこの状況を見て、レヴァリィ世界に住まう人間達に恐るべき手段を強行した。
それは自身の従える機械兵をレヴァリィ世界に召喚することでレヴァリィ世界に住まう人間を大量虐殺することだった。
本来であれば現実世界の無生物はREVERIEに接続してもレヴァリィ世界に反映されることはない。
だがそれはあくまで世界が現実世界である場合のみに限る。
今、この時点で現実世界は深層世界との境界が砕け、二つの世界が混ざり合っている。
そしてそれはレヴァリィ世界でも同じ状況だ。
現実世界、レヴァリィ世界どちらにも入り混じった深層世界を通じてR-02は機械兵をレヴァリィ世界に投入させたのだ。
「オ前タチ人間ノ血ヲ見セテモラウゾ…!!」
~十四日目~
8:50 レヴァリィ世界
アロガンティア大国・王都内部
「レオンハルト!」
「わかっている!」
アローラは次々と王都を破壊する機械兵をレオンハルト共に倒していく。
それを見たレタもアローラたちの支援を行おうと試みるが…
「レタ!お前はアイヨとルークと共に王宮へ向かうんだ!」
「でも!アローラさん達は…!」
「問題ない!」
アローラはレタの方へ向かう機械兵に飛び乗り機械兵を破壊する。
「ルーク!二人を頼んだぞ!」
「任せておけ。」
ルークはレタとアイヨを自身の馬に乗せ王宮へ向かう。
それを確認したアローラはレオンハルトのもとに戻る。
「次々と来るな…」
「テロスほど獰猛じゃないが、こちらの様子を伺って攻撃をしてくる…かなり厄介だな…」
アローラがレオンハルトと背中を合わせながら機械兵を分析する。
するとアローラたちより少し離れた地点から火花を散らし機械兵が痺れたように動かなくなり破壊される様子を見るレオンハルト。
その火花は徐々にこちらに近づいてくる。
そしてアローラたちの目の前にいる機械兵も破壊され、目の前にヴァレンティーンとクリスティーナ大佐が現れる。
「やっぱお前らも来てたか。」
「あぁ、だが突然こいつらに邪魔されてな。」
アローラが動かくなった機械兵を指さす。
それを聞いたヴァレンティーンはすぐに迫りくる機械兵の方を向く。
「さすがにこの数じゃ俺でも手を焼く。協力しろ聖騎士団。」
「あぁ、もちろんだ。」
「おいおい~…僕は仲間外れかい~…?」
するとアローラたちを見下ろしながら姿を現すウォルター。
「今まで何してやがった、死神。」
レオンハルトがウォルターにいら立つ。
「勘弁してよ、こっちも君たちに色々任されてたことやってたんだからさ~…
それより流浪人はどうしたんだい?先に君たちのもとへ向かったと思うけど…」
「何だと?流浪人も来てるのか?」
ウォルターの発言を聞いてヴァレンティーンが反応する。
それを聞いたアローラは頭を掻きながら口を開く。
「はいはい、そういうのはまずここを切り抜けてからにしないか?」
「…大佐、あんたは王宮に向かえ。さっきコイツらの仲間が向かってんのを見た。」
「わかりました…!」
クリスティーナ大佐はすぐにルークたちの追うべくその場を離れた。
残ったアローラたち四人は徐々にこちらに迫りくる機械兵に目をやる。
「フッ、まさかここに来て叶うとはな…7大国同士の共闘が…!」
笑みを浮かべながら剣を構えるアローラ。
「勘違いすんな、お前らが俺についてきてるだけだろ。」
両手に雷撃を溜めるヴァレンティーン。
「世界がもう少しで終わるんだから共闘もクソもないんじゃないかな~…」
[[rb:断絶の籠 > ディアスタスケージ]]を手に取るウォルター。
「余計なことはいい、早いとこ終わらせるぞ。」
暴虐の縄を展開するレオンハルト。
四人は迫りくる機械兵に向かって同時に動き出した。
機械兵を次々と剣で破壊するアローラ。
聖騎士団としてこれまで培ってきた経験値をもとに敵の行動を予測し先に先手を打ち機械兵を倒していく。
雷撃を放ち機械兵を無力化するヴァレンティーン。
広範囲かつ機械兵の弱点である雷撃を武器に敵の動きを封じつつ雷撃を纏ったことによる素早い動きで機械兵を倒す。
断絶の籠を用いて機械兵を串刺しにしていくウォルター。
王都の建造物を利用して機械兵を自分の有利になる地点へ誘いつつ効率よく機械兵を倒す。
暴虐の縄で軽快に移動しながら機械兵を破壊するレオンハルト。
素のフィジカルを主体として敵を自身の間合いに引き寄せながら獰猛な動きで機械兵を倒す。
リヴィディン大国、クヴィディタス大国、アロガンティア大国、イラ大国…
互いに敵国同士であった国々が共通の敵を目の前にいて巧みな連携で次々と機械兵を打ち砕いていく。
アローラの背後に迫る機械兵をレオンハルトが破壊し、
レオンハルトの不意をつこうと迫る機械兵を相手するウォルター。
「ひとつ貸しだよ~…鬼神。」
ウォルターがレオンハルトの方を向き、そう言うとウォルターが破壊しそこねた機械兵がウォルターに攻撃を行おうと試みる。
それをレオンハルトが暴虐の縄を伸ばし防ぐ。
「貸しを作るつもりはない。」
「レオンハルト、ウォルター…!次来るぞ…!」
アローラが剣を構えた先には機械兵たちがこちらに走り出していた。
しかし、機械兵を上空から雷撃による広範囲攻撃で無力化するヴァレンティーン。
「ままごとじゃねぇんだ、もっとしっかり殺ってくんねぇかな。」
ヴァレンティーンの発言を聞いた三人が身体に力を込めだす。
四人はさらに迫りくる機械兵を相手取っていく。
~十四日目~
8:50 レヴァリィ世界
インビディア大国・都市内部
インビディア大国のとある都市の内部。
そこは先日、聖騎士団第三部隊が命を賭してクヴィディタス帝国軍から王都侵攻を守り抜いた場だ。
そんな民も避難し誰もいない都市で聖騎士団の第二部隊と第四部隊のメンバーは緊迫した状態にあった。
「こいつらは…」
「あぁ、クヴィディタス帝国軍じゃないな。」
「ですけど、ロイフさん…こいつら俺たちを…」
目の前には数多の機械兵が都市を囲んでいた。
その数は今この時、アロガンティア大国の王都で機械兵を相手にしているアローラたちよりも倍以上の数だ。
ロイフやスードたちからすれば未知の金属で構築された人型の物体。
テロスでもなくば人の兵でもない。
果たして自分たちが打ち倒せるのかも怪しい個体。
しかし…
「守り切るぞ。」
長剣と短剣を抜くロイフ。
それを見た他のメンバーも準じて武器を構える。
「僕らは聖騎士団だ、ここインビディア大国にあいつらを通すわけにはいかない…!」
姿勢を低くしながら剣を構えるスード。
聖騎士団たちは一斉に機械兵に立ち向かっていく。
~十四日目~
9:00 レヴァリィ世界
アロガンティア大国・王都内部
「ふぅ…」
「片付いたな。」
「かなりの数だったね~…」
「慣れ合うな死神。」
王都現れた機械兵を全て倒したアローラたち。
あたりには破壊された機械兵の残骸が散らばっていた。
周囲の民はすでに避難していたのか四人以外の声はせず静けさが王都に響き渡る。
「それで…」
するとヴァレンティーンがアローラの首を絞める。
「んぐっ…!」
「アローラ!」
レオンハルトがヴァレンティーンに殺気を放つ。
「それで…聖騎士団、流浪人はどこだ?」
「もう仲間割れかい~…?」
ウォルターはその状況にどちらにも加勢せず呆れた表情で見物している。
ヴァレンティーンは先ほどウォルターが呟いていたことをアローラに半ば強制的に尋ねる。
流浪人が王都の隣町でミカエルと交戦しているとの情報を聞いたヴァレンティーンはアローラの首を離す。
「ここにもうじき総督が来る。」
「!?…ヴィクトール総督が!?」
それを聞いたアローラは驚愕する。
ヴァレンティーンはここに向かう道中、クヴィディタス帝国軍の兵が王都の方向に向かっているのを目撃していた。
ヴィクトール総督は謎多き人物であるとヴァレンティーンは軍に所属してから理解していた。
「あいつは…この世界の人間じゃねぇ。」
「!!」
ヴァレンティーンはアローラたちに自分が確信したことを話した。
それはこの世界は本当の世界ではなく、現実の世界は別にあること、そして流浪人やヴィクトールはその世界から来た人間であると。
第一次リヴィディン大国侵攻でヘーロスが封印された際にアロガンティア特務機関が発言した”世界の真相”
7大国決戦で世界の破滅を目的としてイラ大国とリベルと共謀したヴィクトール総督、
西部都市でクリスティーナ大佐からカロライナ中佐が死に際に放った発言にあった”眠れる世界”
これらの情報からヴァレンティーンの総督に対する疑念は確たるものへと変わった。
「カロライナ中佐はどういうわけか知らねぇが総督を暗殺したがっていたらしい。
現実世界でも状況は一枚岩じゃないってことだろ。」
「…。」
「やはりな、お前らも勘づいてはいたんだろ。」
アローラやレオンハルトの表情を見てヴァレンティーンは察した。
それを踏まえてヴァレンティーンはアローラたちにあることを伝えた。
「!?」
「お前…」
「マジで…?」
アローラ、レオンハルト、ウォルターの3人はヴァレンティーンの発言に驚愕した。
「おい死神、ミカエルは強いのか?」
「彼は僕と同等のフィジカル、さらにあの分析力と能力を見たら総合的に僕以上だよ~…。」
「…やりがいがありそうだな。」
「おいおい、本当に行くのか?」
アローラが王都の入り口に向かうヴァレンティーンに問いかける。
アローラの問いかけにヴァレンティーンが足を止める。
「総督は俺の能力じゃ倒せねぇ。
あいつをジョージ王に接触させるのはマズい…二人にも接点があるはずだ。」
ヴァレンティーンは全身に稲妻を纏って王都を飛び出す。
「だからてめぇらでどうにかしとけよ…!!」
「おい、待て…くそっ…!」
飛び立ったことで舞う土煙から身を守りながらアローラがヴァレンティーンの背中を見る。
ヴァレンティーンはミカエルがいるであろう隣町を目指しながら高揚した笑みを浮かべる。
世界が終わるとかどうでもいい、
俺が目指すはヘーロス…てめぇとの決着だ…!
そこに待ち受ける障害は全て壊す!
~十四日目~
9:00 現実世界
ストレンジャー拠点内部
「うっ…」
「ヒッヒッ…鬼ごっこは楽しめたかな?」
その頃、現実世界ではストレンジャー拠点の内部でソフィアが足から血を流しローレンに追い詰められていた。
だが、ソフィアは依然と匍匐前進しながらも前に進もうとする。
「(絶対に…!…やり遂げる…!)」
危機に瀕すソフィアの覚悟とは…




