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ハイド  作者: じょじょ
ハイド 第5章 ~古き終焉と新たな創生~

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3話「神託」

進め、進むのだ。


神の声を頼りに。


明日に待つは新たな未来か、


それとも予期せぬ未知か。

~九日目~


12:50 アロガンティア大国・イデリスの住処



崩壊したイデリスの住処。


自身の能力を使いなんとか一命をとりとめたミカエルは周囲を見渡しながら呟く。



「この瓦礫の崩壊なら…あの二人はもう…」



ミカエルはレタとアイヨも瓦礫の崩壊に巻き込まれたと判断する。






~九日目~


12:50 アロガンティア大国・大国森林地



アロガンティア大国内のとある森林地。


そこには消失しかけているテロスにまたがったレタとアイヨがいた。



「おい!なんだよ急に俺たちを乗せて…!」


「ス…スマ…ナイ……イデ…リス…サマ命令シタ…」



そうテロスは言い残し完全に消失した。



「なんなんだよ…」



急な状況に困惑するレタだが、アイヨは察していた。


イデリスが自分たちを逃がし、そしてイデリスは…



「あのお顔ないひと、死んじゃった…」


「え?」



レタはアイヨの発言と目の前のテロスが消失したことでイデリスが死亡したことを理解した。



「これから俺たちはどうすれば…」



すると背後に気配を感じたレタはアイヨを自身の後ろに隠し、声を上げた。



「誰だ!!」



すると茂みから姿を現わしたのは…



「あなたは…」


「安心しろ、敵対するつもりはない。」



そこにはレオンハルトがいた。






~九日目~


13:30 アロガンティア大国・イデリスの住処



「これは…」


「一体…」



崩壊したイデリスの住処。


そこに到着したエヴァたちはあったはずの住処が跡形もなく破壊された様子を見て唖然とする。



「これじゃ…(特級テロスはもう…)」



エヴァは破壊された住処の様子からしてイデリスの生存は絶望的…いやほぼ不可能であると確信した。



「スードくん、これ…」



するとサフィーナが瓦礫をどかし、そこにある何かを見つめてスードを呼ぶ。



「それは…」


「アロガンティア特務機関の仮面…」



サフィーナが見つけたのはアロガンティア特務機関が身に着ける仮面の欠片であった。



「やつらの仕業ってこと…?」


「その可能性が高いですね。」



スードがエヴァに答える。


エヴァは事前にヴァイオレットから得た情報でリアムがアロガンティア大国の王女、ジェシカ王女と出会ったことを知っていた。



「ジェシカ王女のもとに向かうわ。」



エヴァは彼女がこちら側にある程度友好的であることを知らされていた。


エヴァの提案にスードとサフィーナもうなずく。



三人はジェシカ王女がいる西部都市に向かう。






~九日目~


16:30 アロガンティア大国・西部都市



「とまれ。」



エヴァたち三人は西部都市の正門前の衛兵に止められる。



「急ぎの用よ、ジェシカ王女に会いたいの。」



エヴァが衛兵に答える。



「お前ら…流浪人と聖騎士団だな…!…よそ者をここに入れるわけには…」


「待ちなさい。」



武器を構えようとする衛兵を制止する声の主はアロガンティア特務機関のアリエルだ。



「彼女は…」



サフィーナが警戒するも、エヴァが武器を収める。



「この人は大丈夫…そうよね?」



エヴァがアリエルの方を向きそう投げかける。


アリエルはしばらくエヴァを見つめた後、自身の仮面を取る。



「三人とも、ついてきて。」



三人はアリエルについていき、王宮内部へと向かう。



それを西部都市内部の遠方で確認する人物がいた。


その者は後方に手話のような合図をする。



「わかったわ、ありがとうアルフォンス中佐。」



そう発言したのはクヴィディタス大国のクリスティーナ大佐だ。


彼女はアルフォンス中佐と共にアロガンティア大国に潜入していたのだ。






「王女、失礼いたします。」



王宮に辿り着いたエヴァたちはアリエルの案内のもと王室に入る。



王室の中にはジェシカ王女が窓から外の様子を見ていた。



「待っていたわ。」


「まさか、私たちがここに来ることを知っていたのですか?」



サフィーナがジェシカ王女に問う。



「ええ、そしてイデリスが亡くなったこともね…残念だわ…とても賢く善人な方だったのに。」


「王女、我々がここにきた理由は…」


「お仲間を助けたいのよね?…たしか…ハイドくん…だったかしら?」


「…!?…なぜハイド君の名を?」



ジェシカ王女はアリエルに扉を閉めるように指示し、エヴァたちに話をした。




アロガンティア特務機関はジョージの目的を達成すべく設立した7人の精鋭。


ジョージの目的は…



この世界の神になること。



そのために、各大国の状況や秘宝に目を付けてきた。


アリエルバーバラはジョージが私を監視するために護衛につけたの。


けど、バーバラはジョージの目的を知った後、アロガンティアには平和は二度と訪れないと悟った。


バーバラだけじゃないわ。


他の者だって完全にジョージに忠誠を誓っているわけじゃない…


ジョージに狂信的な忠誠を誓っているのはミカエルくらいよ。




アロガンティア特務機関で得た情報はメンバー間で共有する。




以前からハイドくんはラファエルウォルターカマエルオズワルドと出会っていることもアリエルバーバラから聞いていたわ。




「王女、ハイド君は内在せし指輪エンシャイエンを身に着けて姿を消しました。

彼がどこにいったのかわかりますか?」


「残念だけど、“私”では力になれないわ。」


「そんな…」



落胆するエヴァの肩を撫でながらジェシカ王女が続ける。



「けど…力になれそうな人物なら知っているわ。」


「…!!…その方を教えてください…!」


「えぇ、もちろん。

だけど…条件としてあなたたちにお願いがあるの。」



ジェシカ王女は申し訳なさそうにスードたち聖騎士団の方を向く。



「おそらくもうじき…ジョージがこちらに大軍を率いてくる…その戦いに協力してほしいの。」


「王女!」



アリエルがジェシカ王女に口を挟む。



「いいのよ、バーバラ。

彼らは私たちを信用しようとしてくれているのに、こちらが信用しなくては無礼にあたるわ。」



それを聞いたスードとサフィーナが一歩前に出る。



「王女、我々の使命は大国の平和です。

アロガンティア大国がその平和をお望みなのであれば我々も協力させてください。」



スードがジェシカ王女に答える。


それを聞いたジェシカ王女はスードたちに頭を下げる。



「ありがとう…!…聖騎士団のお二人…!」


「二人ともいいんですか?…アロガンティアの戦いに参加して…」



エヴァが問う。



「問題ないですよ。

エヴァちゃんは仲間を救い出せるように最善を尽くして。私たちも自分ができることをしますので。」



サフィーナとスードは笑顔でエヴァを見送る。


エヴァはジェシカ王女の案内のもと、王宮の地下室に招かれる。


地下室の中央には宙に浮かぶ石がひとつだけ置いてあった。


それを見たエヴァはつぶやく。



「これは…まさか……真理石…!?」


「そうよ、これが…あなたの力になってくれるはずよ。」






~十日目~


22:00 アロガンティア大国・平原



「王、じきに西部都市です。」



ミカエルがジョージ王に伝える。



「正門に近づいたらアリエルからの合図を待て。」


「承知しました。」



アロガンティア大国の大軍が西部都市に迫る。






~十日目~


22:30 アロガンティア大国・西部都市:王宮内部



「準備はいい?聖騎士団。」



アリエルがスードたちに声をかける。


すでに多くの兵が西部都市の配置についた。



戦いが始まる…



一般市民ですらそう感じ取れるほどの緊張感が都市中に張り巡らされている。



「はい、問題ないです。」


「市民のみんなはこのことを?」


「ええ、7大国決戦が勃発する前から西部都市に住まう者にはジェシカ王女から伝えている。

それより作戦の確認だ。」



アリエルは都市内部の地図を広げる。




私はまだジョージ王に疑われていない…そこを利用する。


私が市民の避難の時間を稼いでいる間にスードは前衛、サフィーナは後衛を、ジョージ王は複数のテロスを軍事利用している。


戦いは人間同士の戦闘だけではなくなる。




「後衛の私と一緒に配備している兵を中衛と市民の誘導にもう少し回した方がいいと思うよ。」



サフィーナがアリエルに提案する。



「それでは、サフィーナの兵力が…」


「問題ない、サフィーナちゃんは聖騎士団随一の射撃の名手だ。

後方からなら一人で数十人単位を制圧できる。」



スードの褒めにサフィーナが少し顔を赤らめる。



「わかった、兵には伝えておく。

…あとスード。」


「なんだい?」


「あなたは前衛だ。

…おそらくこの戦いで最も生存率の低い箇所だ。」


「わかっているよ、だから僕が志願したんだ。」


「スードくんなら一人で敵を切り伏せられますよ。

フォートさんが無き今、聖騎士団の最高戦力ですよ。」


「いや、あの…サフィーナちゃん…」


「なら、問題なさそうだな。

前衛のかなめは私とスード、あなただ。」


「私はどうすればいい?」



三人の作戦会議に入り込んだのはエヴァだ。



「エヴァちゃん、もういいの?」


「うん、情報は得られた。

バーバラ、私にも協力させて。」


「…アリエルだ。」



アリエルは自身の本名を言われ、少し間を空けながら答える。


気を取り直したアリエルは地図のある場所を指さす。




ここは、すでに使われなくなった地下水道…


西部都市ができる前に利用されていたものだ。


今となっては誰も知らない…


アロガンティア特務機関の者を除いて。


…あなたにはここを守護してもらいたい。




「アリエル、それはあまりにも…」



サフィーナはすでに使われていない地下水道にエヴァを向かわせる提案を聞き、非常に嫌な顔をする。



「オッケー、じゃそこに向かえばいいね!」


「いいんですか、エヴァちゃん。地下水道ですよ?」


「汚いけど、それは後でなんとかなるから…!

…バーバラ、この戦いが終わったらシャワー借りるからね!」


「だから…アリエルなのに…」



エヴァは地図の複製を受け取り、地下水道に向かう。


スードたちも装備を整え、各々の配置に向かう。



「さ、私たちも行こ。」


「あぁ、ほら行きますよ、“バーバラ“。」


「ッ…!」



アリエルは仮面を再び身に着け、スードたちとともに王宮を出る。


王宮の外には装備を整えたジェシカ王女がいた。



アロガンティア大国は王と王女とで国の担う仕事が異なる。


ジョージ王は国の方針、ジェシカ王女は軍事面での役割を担う。


つまり、ジェシカ王女自身もまた戦闘訓練を積んだ者なのだ。



「あら、仮面はつけていくの?バー…」


「アリエルです。」


「…?なにか気に病むことでもあったの?バーバラ。」


「はぁ…もういいです。」


「??」



アリエルの呆れた様子が理解できないジェシカ王女。


ジェシカ王女は中衛に向かい、アリエルとスードの二人は兵を引き連れ、正門へと向かう。






~十一日目~


1:00 アロガンティア大国・西部都市:正門付近



「そこで身を隠して。」



アリエルがスードや兵に指示する。


正門前にはジョージ王が数名の兵を連れて現れる。



「王、予定よりもお早い到着ですね。」


「あぁ、早急に手を打つ必要があったからな。」


「指示通り王女は王宮にて…」


「もういい、アリエル。」


「はい…?」



ジョージ王は馬から降りる。



「私と話すことは時間稼ぎにはならんぞ。」


「…何をおしゃっておられるのですか…?」


「お前が私よりもジェシカに忠誠を誓っていることを知らないと思っているのか?」


「……。」



アリエルは仮面の内側で背後に隠れるスードに合図する。


それに気が付いたスードも兵に合図し、臨戦態勢をとる。



「貴様は私の目的に従う素振りを見せながらジェシカにその情報を伝えていた。」


「王、聞いてください。」


「残念だ、お前は天命に背いた裏切り者だ。」



兵がアリエルを取り囲む。



「ッ!…(失敗した…!)」



するとアリエルの目の前に現れたミカエルによってアリエルは強烈な蹴りを受ける。


その衝撃で仮面が割れ、アリエルは正門に打ち付けられそうになる。



「…!!…スード!」


「危ないところだった…」



とっさにスードがアリエルを受け止めたのだ。


それを見たミカエルが呟く。



「やはり…聖騎士団と組んでいましたか…」



するとミカエルの横にいるジョージ王に向かって遠方から弓矢が飛んでくる。



「!?」


「だが、それはこちらの想定内。」



ジョージ王に向かう弓矢を剣で弾くミカエル。



「嘘でしょ!?」



遠方から放った自身の弓矢を完全なタイミングで防がれたことで驚愕するサフィーナ。


すると自身の背後に感じ取った気配…


それにサフィーナは短剣を取り出し背後からの攻撃を防ぐ。



「一体いつから…!?」



そこにいたのはガブリエルだ。


彼女はサフィーナに向かって静かに言い放つ。



「彼らの目的を邪魔するな、聖騎士団。」


「くっ…!!」




弓矢を弾いたミカエルから目を離さずに、サフィーナの方でも何かあったことを察するスード。



「(なぜ、こちらの情報が漏れていたんだ…!)」


「夜明けを見ずして散ってもらおう…」



ジョージ王が合図すると一気に兵が動き出す。



天命執行…!

読んでいただきありがとうございました。

聖騎士団とアロガンティア特務機関の共闘、そして動き出すジョージ王の野望。


はたしてジェシカ王女とジョージ王の戦い、制するのはどちらか…!


次回4話をお楽しみに!

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