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ハイド  作者: じょじょ
ハイド 第3章 ~7大国決戦~

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8話「選択」

各々がとる選択…


その先で待つ結果…

~四日目~


アロガンティア大国・王都付近



「我々テロスもかつては人間です。[[rb:アイヨ > 彼女]]と同じく我々も秘宝の被害者…故にあなた方に協力するというならこちらの条件を呑んでいただけれなければ困ります。」


「では、あの秘宝の副産物以外では条件を呑まないと?」


「ええ、それは私が言わなくても理解しているのでは?ミカエル…」



ミカエルと呼ばれた男は仮面を外す。


その姿は茶髪の品のある顔、そして聞けば誰もが紳士と思わせるような落ち着いた口調と声をしていた。



「一人だけ…似た存在がいるのですが…」



ミカエルが続ける。


その者は同じアロガンティア特務機関でクヴィディタス帝国軍に潜入している人物からの情報…


それはかつて敵国リヴィディン大国の聖騎士団の隊長をかくまった罪でジャック王によって1級テロスと変えられた女性の腹に育んでいた胎児のことであった。


その少年は親であるテロスの能力が遺伝しているという他に類を見ない個体…


そう、レタのことであった。



ミカエルはレタをイデリスと呼ばれるテロスにアイヨの代わりとして差し出すことを提案する。



「いいでしょう…ではその者をここまで連れてくれば、以前に言っていた条件…吞みましょう。」


「承知…。」



ミカエルは仮面をつけなおし、その場を去った。




~四日目~


アロガンティア大国・王都内部



その頃、ハイドとリアムは先ほどフォート達に教えられた街に到着した。

街に入り、ようやく初めてそこでハイド達はそこが王都であると知ったのだった。



「(マジか…王都か…嫌な予感がする…)」


「ハイド~、僕お腹すいちゃった…」


「あ…あぁ、じゃあそこで一旦休憩しよ。…リアム、食べ過ぎるなよ?」


「カニカニ!」


「うん!わかった!」



ハイド達は店に入り、そこでしばらく休息をとった。

[newpage]

~五日目~


アロガンティア大国・王都内部



目覚めたハイドは最近見る自分の夢の変化について考えていた。



これまでは内容こそあまり覚えていないが「Code-ω」と表示がされた後でいつも決まった夢を見ていた。

しかし、現実世界からレヴァリィ世界に入ってから見る夢は「Code-υ」と内容が異なっていた。


これをソフィアさんに伝えるべきか?


いや、もしこのタイミングで一度、現実世界に戻る必要が出た場合レヴァリィ世界に入っている他の仲間がさらに危険度が増すに決まっている。


自分なんかより強い彼らだが、それでもここで自分の仕事を投げ出すわけにはいかない…


ハイドはそう決め、現時点ではこの夢の件は黙っておくようにしたのだった。



「カニ?」


「なんでもないよ、カニス」



ハイドを気に掛けるカニスを抱き上げる。



「やっぱりお前はもふもふだな~」


「カニ!」



ハイドはカニスをしばらく抱いて癒しを受けた後、身支度をしてリアムと店の外に出る。


自分たちがここへ来た目的、それは第一部隊のメンバーと合流することだ。

ハイド達は聖騎士団が潜伏するのに利用しそうな建築物等を見て回る。


すると、ハイドの目の前に見たことのある後ろ姿があった。



それは茶髪で風によってなびく美しい髪、村出身の自分をいつも気にかけてくれた優しい心を持ち、闘いにおいてもいざとなれば頼れる人物…



「ミニーシヤさん!」



ミニーシヤのもとに駆け寄るハイド。



「え!ハイドくん!?リアム君まで!」



ミニーシヤと久々の再会を果たしたハイド達はこれまでの経緯を説明した。

するとミニーシヤは他の仲間がいる場所へ案内し、ハイドは懐かしの第一部隊のメンバーとの再会を噛み締める。



「いやー久しぶりだな!ハイド!」


「あの後心配したんですよ」


「でも、無事で何よりだよ。」



ロクア、サムエル、ボロフがそれぞれハイドに声をかける。



「皆さんこそ、無事で本当によかった…!」


「カニカニ!」



再会をしっかりと噛み締めたハイドはミニーシヤから状況を聞く。


当初の目的ではアローラ救出のために協力者となりうる傭兵”レオンハルト”を探し協力を仰ぎ、その後にクヴィディタス大国にいるアローラを救出という流れだった。


しかし、アロガンティア大国内で調査を進めていくうちに、クヴィディタス大国とアロガンティア大国で同盟を結ぶための会談が行われていると噂を聞き、同盟を破棄させるべく第二部隊と行動を別にしたのだった。


そしてつい先日、ミニーシヤたちはレオンハルトの居場所を特定し、ここ王都に潜伏していたのだった。



「じゃ早速その傭兵のいる場所に…!」


「いや、待つんだハイド君。」



サムエルがハイドを止める。


理由を尋ねるハイドにサムエルはレオンハルトに接近する前に優先しておくべきことが発生したと説明した。



それはアロガンティア大国とクヴィディタス大国の同盟会談。



アロガンティア大国には王が二人いる。


そしてここはそのうち一人の王であるジョージ王が住む王都でもあった。

どうやらそこでクヴィディタス大国が会談をするつもりのようだったのだ。


聖騎士団の本来の役目は大国の守護。


ミニーシヤ達はまずはこの両国の同盟を壊すことを優先すべきだと判断したのだ。



「隊長なら…絶対にそう決断するわ。」



ミニーシヤは少し自信なさげに言う。


自分の選択が間違いではないかと不安なのだ。

それを理解したハイドはミニーシヤに向かってこう言った。



「えぇ!アローラさんならそうするはずです!俺も手伝いますミニーシヤさん!」


「ハイドくん…」


「なんか、ハイド…お前この数ヵ月で変わったな!」



ロクアがハイドの勇敢さを称賛する。

ハイドはこのことを第二部隊のメンバーに知らせるべく、リアムに伝言を頼んだ。


リアムの能力であれば一日もかからず帰ってこれるからだ。

ハイドは先日、ロイフからもらった第二部隊の向かう予定に印がされた地図をリアムに渡す。


リアムは地図を受け取り、すぐに王都を離れた。



ミニーシヤが作戦をハイドに伝える。


ロクアの情報では今から数時間後に王都にクヴィディタス帝国軍が到着するようだった。

そこで、クヴィディタス帝国軍が王都に到着次第、王都内のかく乱および、王都外部に位置するクヴィディタス帝国軍の拠点を破壊するという二つの役割が必要だった。


当初の作戦では火薬による工作を得意としていたボロフが拠点破壊の任務を引き受ける予定だったがそこにハイドが自ら名乗り上げる。


ミニーシヤはハイドとボロフにクヴィディタス帝国軍の拠点破壊を頼み、自分たちは王都でかく乱を起こすべく行動を開始する。



ハイドとボロフを王都の外まで見送った後、王都の城壁の上で街の様子を伺うミニーシヤは不安に駆られていた。


それはハイド達の身を案じているからではなかった。



「ほんとによかったのかな……私たちだけで判断して…」



ミニーシヤが不安を感じていた理由…


それは自分たち小隊の者が他国にここまでの影響を及ぼしては今後のリヴィディン大国やその他の大国にさらなる問題が発生するのではないかと。


同盟を見逃せば、リヴィディン大国やインビディア大国に危険が…


同盟を防げば、しばらくは安泰でも後々に来たる争いを避けられない…


ハイドに励まされても、やはり気になっていたのだ。

改めて自分の選択は間違っていなかったのだろうかと思い悩むミニーシヤを見て、ロクアがミニーシヤの肩を組みながらこう言った。



「大丈夫!どちらにせよ争いは避けられないなら、俺たちは最後まで抗おうぜ!」



ロクアの発言に笑みをこぼすミニーシヤ。



「ロクア、それ励ましてるつもり…?」


「ミニーシヤ、来たぞ。」



サムエルがミニーシヤに合図する。

そこにはクヴィディタス帝国軍の将軍、ヴィルヘルム将軍がいた。



「やっぱ小隊を連れてきたな。」



ロクアが言った先にはヴィルヘルム将軍と数十名の兵がいた。

予想よりも少ない兵の数にサムエルは違和感を覚えるも、当初の作戦通り遂行することを決める。





~五日目~


リヴィディン大国・王都内部



その頃、リヴィディン大国の王宮ではジャクソン王とアンドリューが酒を飲み交わしながら会話を楽しんでいた。



「はっはっは!君は中々いける口のようだ!この酒の味がわかるとは!」


「いえいえ!王こそ、こんな最高の味の酒を日頃飲めるなんて羨ましいかぎりですよ!」



二人は互いに酒の趣味があったことでこうして日中でも構わず酒を飲み続けていた。


しばらく酒の味を楽しんだ後、アンドリューは本題の話に移した。



「ところで王、先ほど言っていたことは事実ですか?」


「あぁ。数日後にはあちらから言伝ことづてが来るだろう。」



ジャクソン王がアンドリューに言っていたこととは…



クヴィディタス帝国軍にリヴィディン大国の兵をスパイとして潜り込ませているという話だった。

この件は大国でも知る者は多くなく、知っている者はジャクソン王と聖騎士団の各部隊の隊長のみであった。



~五日目~


クヴィディタス大国・王都内部



王宮に入るヴィルヘルム将軍と二人の女性。

二人はクヴィディタス帝国軍のコルドゥラ中佐とアレクシア少佐だった。


残りの兵を王宮の外に待機させ三人は王宮の中へ進む。


それを確認したミニーシヤ達は互いに合図を送り合い、王宮の外から内部を別々に監視する。


ミニーシヤが覗いた部屋の中ではヴィルヘルム将軍たちが王室とは別室で待機していた。



「(なぜ、将軍は王室に向かわないの…?)」



疑問を抱くミニーシヤだったが、中から声がすることでミニーシヤはその声に耳を澄ませる。



「将軍、ジョージ王のもとへ行かないのですか?」



アレクシア少佐がヴィルヘルムに尋ねる。

するとヴィルヘルムがアレクシア少佐に向かってこう質問した。



「少佐、なぜ君を俺の隊に加えたか知っているか?」


「……い、いえ…存じ上げませんが…」



ヴィルヘルムは自身の掛けるメガネを外し、窓から流れ込む日光に照らしながらこう言った。



「俺は人を見る目だけには自信があってな……少佐…なぜ君は”能力”で自分の姿を隠している?」


「!?」



少佐が気づいた時には背後にいたコルドゥラ中佐の持つ剣に胸を貫かれた後だった。

吐血し、その場に倒れるアレクシア少佐。



「はっ……!…あっ…ぐっ……!…」


「気付かれていないと思ったか?…リヴィディン大国のスパイがうちの軍に潜り込んでいることが。」



それを王宮の外から目撃するミニーシヤ。



「!!(そんな…!)」



急所を突かれたことでアレクシア少佐は自身の姿があらわになる。

その姿は先ほどまでと異なり、クヴィディタス帝国軍の軍服ではなくリヴィディン大国の軍服を身に着けていた。



「将軍、どうしますか?」


「トドメをさせ、俺は今からジョージ王のもとへ謁見しに行く。」


「はっ。」



ヴィルヘルムが部屋から出た後にコルドゥラ中佐はもう一度剣を瀕死のアレクシア少佐に向けようとする。



そのときだった。



窓を割りミニーシヤが部屋に入り込む。



「なっ…!」



不意を突かれたコルドゥラ中佐はミニーシヤの攻撃を食らい気を失う。


今にも息絶えそうなアレクシア少佐はミニーシヤの見てこう呼んだ。



「聖…騎士団…。」



各々がとった選択の先には…

読んでいただきありがとうございました。

敵国であるクヴィディタス大国とアロガンティア大国の同盟を防ぐべく行動を開始したハイドたち。

そこで久しぶりに登場した第一部隊メンバー。

2章では世界観が異なっていたため忘れている読者もいるかもしれないので、ここで簡単な情報を提示しておきます。


・ミニーシヤ

第一部隊の女性兵士、アローラ不在時の指揮を担う。インビディア大国のジョセフ王の実の姉


・ロクア

第一部隊の盛り上げ担当、小柄ながらも身体能力抜群。額にゴーグルをつけている


・ボロフ

第一部隊の中年兵士、火薬による罠や破壊工作等を得意とする。年相応に落ち着いた性格


・サムエル

第一部隊の男性兵士、冷静沈着でどのメンバーとも巧みな連携を得意とする。実はギャンブル好き



本作、かなりキャラが多いので今後も後書きにキャラの情報を少し載せていこうかなと思います!

次回9話をお楽しみに!

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