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ハイド  作者: じょじょ
ハイド 第3章 ~7大国決戦~

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6話「悪魔の所業」

幾千幾何の時代においても悪魔を制すのは悪魔。

~四日目~


クヴィディタス大国・王都内部


新たな進化の意慾エクセレクシの所有者に選ばれたリベル。

それにより、前任者だったジャック王はテロスと化していく。


それを目の当たりにしたパウラ少佐は[[rb:茫然 > ぼうぜん]]と立ち尽くしたままだ。



「そ、そんな…」


「少佐、久しぶりだね!」



リベルがパウラ少佐に話しかける。

パウラ少佐とその部下たちはリベルに剣を向ける。


しかし…



「いいの?俺ばかり気にしてて。」



リベルが指さした方向にはテロスと化した者、ジャック王が立っていた。


その姿は悪魔のような角と羽を生やし、全身が漆黒のごとく黒い体色をしている。

なんとも禍々まがまがしい姿をしていた。


パウラ少佐はすぐにこのジャック王だったものが異常なほどの強さを持つテロスだと本能から感じた。



「(まずい…!…まずは民間の救助を優先せねば…)」



テロスと化したジャック王が処刑台を破壊し、周囲の人間や建物を破壊し始める。



「くっ…!」



その攻撃の余波で手錠をかけられ自由が利かないアローラは処刑台から落ちる。


なんとか助かったアローラはその場から離れる。


パウラ少佐に剣を向けられたリベルだったが逃げ惑う群衆に紛れ、難を逃れる。

パウラ少佐はいったんリベルを諦め、テロスと化したジャック王を1級テロスと認定し、周囲の兵士に民間の安全を最優先にしつつ討伐に乗り出す。

だが、この混乱のなか、群衆の中にテロスが次々と現れる。



「どうゆうことだ!?」



ここはクヴィディタス大国の王都内部、2級以上のテロスなどいるはずがない。

しかし、次々とテロスが現れたことで、パウラ少佐は察したのだ。



「くっ…リベル軍曹か…!!」



先ほど群衆に紛れたリベルは次々と逃げ惑うクヴィディタス大国の民をテロスにしてさらなる混乱に陥れる。

もはや、王都のどこにも安全な場所がないほどに街がテロスによって壊されていく。


1級テロスとなったジャック王も空中から光弾のようなものを放ち街を破壊していく。


だが、放った光弾に雷撃がぶつかる。



「暴れすぎだぜ、悪魔ヤロー。」



駆けつけたのはヴァレンティーン将軍とラインハルト大佐だった。

二人は率いた軍で民間を救出し、ヴァレンティーン将軍は片っ端からテロスを殲滅していく。



「将軍!」


「おーパウラ!これ、どーゆー状況だ!?」



ヴァレンティーンがパウラ少佐に尋ねる。

同期でもある二人はこの状況を理解し、民家の救助とテロスの対処を同時に行うと決断する。



「マルコさん…!あなたは危ないからこっちにいるんだ!」



民間を襲っている2級テロスを倒しながらラインハルト大佐が自身の隊に所属しているマルコに指示する。


マルコはクヴィディタス大国の小村でハイドを育て上げた人物。


以前にハイドが真理の神秘ダブマを見つけクヴィディタス大国に追われる身となった際にリベル軍曹によってクヴィディタス帝国軍に半強制的に加えられていたのだ。

村の生まれで歳のこともあり、まともな戦力とならないマルコを案じたラインハルト大佐は自身と同じ村の出身でもあり、そしてハイドの大切な存在であることからマルコに危険なことはさせないようにしていたのだ。



しかし…



「みなさん!はやくこちらへ!」



マルコはクヴィディタス帝国軍の一人の兵士として、役立たずでも自身の身や大佐の命令よりも民間の命を優先した。

ラインハルト大佐はそれを見て、マルコの人の良さを理解しつつマルコに習って自身も周囲の民間の救助を手助けする。



悪魔型の1級テロス、ジャック王に雷撃を放ち、負傷させるヴァレンティーン将軍。



「さすが王。1級の中でもこりゃ相当つぇぞ。」



普段なら数発放てば1級テロスでも粉砕することのできるヴァレンティーン将軍の雷撃。

それをすでに十発以上は食らいつつも、反撃を行えるほどの強さを誇るテロス化したジャック王。


ヴァレンティーン将軍のおかげで2級テロスとなった民間はすでに討伐が完了しかけているが、問題のジャック王がまだ生きている限り、王都は破壊されていくままだ。



ヴァレンティーン将軍と1級テロスとなったジャック王の闘いを見ながら、パウラ少佐は考える。



「(王都をこんなにしてリベル軍曹は何が目的なんだ…!もしかして…)」



パウラ少佐はリベルが進化の意慾エクセレクシの所有者となったことで王位は実質リベルが持ったようなものであるのに、大国の統治ではなく混乱を招いている。


クヴィディタス大国の崩壊が目的か?


いや、それよりもっと何か…



「はい、残念~」


「!!」



群衆に紛れてパウラ少佐を触れるリベル。

パウラ少佐はリベルが自身を触れたことですでにもう自分は助からないと察した。



「リベル軍曹…お前はもしかして…」


「少佐~、察しがいい人は長生きできないよ?」



パウラ少佐が徐々に変異していく。


消えゆく意識のなか、最期にパウラ少佐が見たリベルの表情…


それは、悪魔と見間違うほどの邪悪に満ちた笑顔だった。



「キギャエオォオオ…!!!」


「パウラ!お前…!」



パウラ少佐がテロスとなり驚きを隠せないヴァレンティーン将軍。


するとその時だった。


1級テロスのジャック王と2級テロスとなったパウラ少佐に向かって周囲の家が流動的に変形し襲い掛かる。



「随分と変わり果てた姿になったな、ジャック王…」



そこにいたのはイラ大国の王、ジューバル王だった。

ヴァレンティーン将軍は異例の事態のため、ジューバル王のもとへ向かった。



「イラ大国の王がなぜここにいる!」


「おいおい、せっかく異国の王が助けてやっているのにそんな目で見るな”雷帝”。」



身動きの取れなくなっているジャック王がヴァレンティーン将軍とジューバル王に向けて光弾を放つ。


すると二人の目の前にヴィクトール総督が現れ、光弾を吸収していく。



「ジャック王よ、お返しです。」


「グォオオァオ…!!!」



ヴィクトール総督は自身の手から強力なエネルギー波をジャック王に放つ。

食らったジャック王は跡形もなく消滅してしまう。



「総督!」


「ヴァレンティーン将軍、王宮内部にジューバル王を迎えろ。」


「お、きたきた~」



ヴァレンティーン将軍に命令を下すヴィクトール総督の前にリベルが現れる。

状況に理解が追い付かないヴァレンティーン将軍だったが、王宮に着いた後、ヴィクトール総督がこれまでのいきさつを説明した。



第一次リヴィディン大国侵攻が終わり、古城跡に向かったリベルはそこでテロスの群れに襲われた。


しかし、リベルには特異な能力を持っていた。


それは”未来跳躍”であった。


リベルは未来に飛ぶことが可能だった。

それにより、幾度も多くの危機を潜り抜けてきていたのだ。

発現した当初こそは制御が利かなかったが、次第にリベルは未来に進む時間までも自身で制御できるようになっていった。


リベルはテロスに襲われる瞬間に数日後の未来に飛び、そこでヴィクトール総督と出会い”あること”を伝える。


それに同意した総督はイラ大国の王であるジューバル王と同盟を組むこととなり、現在にいたるのだ。



ヴィクトール総督が続けて話す。



「ジャック王は”第二次リヴィディン侵攻”のためにアロガンティア大国と同盟を結ぶ計画を立てていた。」



そのためにアロガンティア大国にヴィルヘルム将軍率いる軍を向かわせていたことを話すと、リベルがいい案が思いついたかのような表情を浮かべ、ヴィクトール総督とジューバル王に話し出す。



「じゃさ!この際だからそれも利用しよう!」


「なんだと?」



ヴァレンティーン将軍がリベルの発言に食いつく。



「あはっ!将軍~そう殺気立たないで下さいよ~

もしかして…少佐のこと怒ってます?」


「てめぇを今すぐに黙らさなくていい理由があるなら教えろ。」


「おぉ~怖っ、けどそしたら俺は未来で待ってるんでそのつもりで!」



ヴァレンティーン将軍が手のひらに稲妻を発生させる。

それを見たヴィクトール総督が止める。



「よせ、ヴァレンティーン将軍。」


「総督、あんたらの目的は知らねぇがこんなことに俺が納得いくと思ってんのか?」


「ここでお前という貴重な戦力を無くすわけにはいかないな…。」



しばらく互いの沈黙が続いたあと、ヴァレンティーン将軍は能力を解除する。



「じゃまずは目的を聞かせろ、話はそれからだ。」


「いいだろう。」



ヴィクトール総督がその後に放ったことは衝撃的なものだった。



「我々の目的はこの・・世界を滅ぼすことだ。」



ヴィクトール総督の発言を聞いて驚いていたのはヴァレンティーン将軍だけではなかった…




四人が話している王宮の部屋の裏に隠れるアローラも同様の表情をしていた。




レヴァリィ世界崩壊のカウントダウン…

読んでいただきありがとうございました。

前回に続きリベル軍曹の登場により、物語は急展開を迎えました。

味方陣営だけでなく敵陣営側にも新たな動きが起こる中で、ハイド達はどのように乗り越えていくのか?


次回7話をお楽しみに!

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