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ハイド  作者: じょじょ
ハイド 第3章 ~7大国決戦~

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1話「Code-υ」

終焉纏う者…


今、混沌に導かんとする……

「Code-υウプシロン」……


その文字のあとに現れる景色。


男がこちらに向かってくる。


その男は以前の夢で見たことのある銀髪の青年。


その青年は謎の生きた金属のようなものを宿し、こちらに襲い掛かってくる。


意識が遠のく………



「はっ……!」


「大丈夫?ハイド?」



目を覚ますハイドを気に掛けるリアム。

そのリアムの姿は現実世界と異なり、あの細身の初めて会ったリアムのままだった。



「リアムが細くなってる!」


「それはいいから!」



心配して損したと言わんばかりにリアムがハイドの頭をポコスカ叩く。



「ハイドくん~こっちこっち~」



エヴァが少し離れた場所で手を振る。

ハイドとリアムはエヴァのもとへ向かい、ここがインビディア大国の領地内であることを知る。




~一日目~




インビディア大国、レヴァリィ世界の南東にある大国。隣国のリヴィディン大国とは親交が深く、資源の貿易など行っている。

非常に若年層が多く、顔立ちの良い男女が数多くいるのが特徴。ただし、国の事件の多くが恋関連によるものなど他の国と比べて異質な空気感を漂わせる国。

なお、聖騎士団はリヴィディン大国とインビディア大国の両国によって結成された騎士団であるため、メンバーも両国の出身で構成されている。


インビディア大国の王都にやってきたハイドたちは町中にいる者のほとんどが20~30代の年齢の者が多くあらためて他の大国と比べて異質なことが理解できた。



「みんな、若い人ばかりだ…。」



顔立ちの良い男女が多く住んでいることで有名なインビディア大国だが、そんな環境でも異彩を放つほど注目を浴びているリアムは少し周囲の視線に苦笑いを浮かべる。



「エヴァさん~なんかみんな僕のこと見てるような…。」


「それはリアムが美形だから注目されてるんだよ。この大国は美しいものほど価値があるからね。」



王都にいるこの大国を統治する王のもとへ向かう三人は王室に到着した。

すると、そこにはハイドがよく知る装備を身に着けた人物が立っていた。



「(あれは…!…聖装備…!ということはこの人たちは聖騎士団か!)」



ハイドは王室の前に立つ二人の人物が聖騎士団の者だとすぐにわかり、声をかける。



「あ、あの…!」


「君は…」


「ハイドくん…だろ?」



もう一人の聖騎士団の者が答える。


彼の名はアレッシオ。

聖騎士団、第五部隊の隊長であり、第一次リヴィディン大国侵攻の際はここインビディア大国でもう一人の聖騎士団、第四部隊の隊長、スードとともに大国の守護を任されていた。


彼らはリヴィディン大国にいるジャクソン王からハイドのことを聞いていたのだった。

そして第一次リヴィディン大国侵攻の件から数ヵ月の間、流浪人が姿を消していたことも責めることもなく三人を歓迎した。

アレッシオとスードはハイドたちを王のもとへ案内する。



「久しぶりだね、流浪人さん。」



王座に座るインビディア大国を統治する王、ジョセフ王がエヴァに向かって言う。

若くして王になったジョセフ王はハイドと大差ない年齢であった。

ハイドは若くしてこの大国を統治することを選んだジョセフ王に尊敬の眼差しを向ける。

するとハイドはジョセフ王の顔立ちを見て少し気になることがあった。


どこかで見たことある顔…茶髪に整った顔立ち、笑うとこちらの不安や悩みが一気に吹き飛ぶような愛らしい笑顔…



「ミニーシヤさん…?」


「!?」



ハイドの発言に少し反応をするジョセフ王。しかし、王はそのままエヴァと話を続けていた。


ジョセフ王とその召使い兼側近のフィデスと名乗る男は、第一次リヴィディン大国侵攻の後の様子をエヴァたちに詳しく説明した。



第一次リヴィディン大国侵攻によってリヴィディン大国では民の死者こそ出なかったが、街の被害は甚大なものとなった。

特に聖騎士団、第二部隊が守護対象の街は殲越十二戦士のアシムスの攻撃で復興困難なほどの被害を受けた。

また、ヘーロス・ベルモンテがクヴィディタス大国によって封印された今、着実にだがクヴィディタス大国とイラ大国の勢力に勢いが増し、大規模な侵攻はされていないものの、常に領地を拡大するために兵が国境付近をうろついている事態となっていた。


ジャクソン王とジョセフ王は対談のすえ、近い将来にリヴィディン大国のみならず他の大国をも巻き込む戦いが必ず起こると考え、アセティア大国とグラ大国に伝令を行うつもりでいたのだった。

また、ハイドが気にかけていてたこと…


アローラや他の聖騎士団、第一部隊のメンバーの安否をハイドはジョセフ王に尋ねた。



「アローラさんは…」



ジョセフ王はハイドにあの後のアローラたちのことを説明した。


特級テロスと対峙したアローラととある傭兵はなんと、たった二人で特級テロスを討伐することに成功していた。

しかし、増援に来たクヴィディタス帝国軍によってアローラは囚われの身となってしまっていたのだ。

アローラたちのおかげで他の第一部隊のメンバーはリヴィディン大国に帰還し、今は第二部隊とともにアロガンティア大国に潜伏しているとハイドに説明した。



「アロガンティア大国…?」


「前にハイドを襲おうとした仮面をつけたやつら…あいつらの大国だよ。」



リアムが第一次リヴィディン大国侵攻の際にハイドを襲ったアロガンティア特務機関のウリエルのことを言った。

スードが予想するに第一部隊の者はアローラ救出のために、特級テロスをともに倒したとされる傭兵がアロガンティア大国に身を潜めているとの情報が入り、行動に移したと言った。


ハイドは自身もアローラを助けるべくアロガンティア大国に向かう準備をする。

エヴァは現実世界でのハイドの戦闘から考えて、アロガンティア大国に向かうことを了承し、リアムとともにまずは第一部隊と第二部隊のメンバーを探すことを提案する。


三人は王室から出て、準備のため数日の間はこのインビディア大国に滞在することを決める。

そのとき、ジョセフ王がハイドを呼ぶ。



「流浪人のハイドくん!」


「は、はい!」



ジョセフ王はハイドの耳元でとあることを囁く。



「俺の姉をよろしく頼むよ…」


「…??」



一瞬、意味が分からないハイドだったが、すぐに理解した。


どうやらジョセフ王の姉はハイドのよく知る人物、ミニーシヤだったのだ。


王族の人間がなぜ、大国の兵士の中でも精鋭の聖騎士団に所属しているのかはわからないが、ハイドはジョセフ王が自身の耳元で囁いたことから皆には内密のことであると理解し、ジョセフ王に手を振りながらその場を離れる。



「ハイドー、さっきジョセフ王からなんて言われたの?」



リアムがハイドに尋ねる。



「うるさいぞ〜リアム〜」



ハイドはリアムの頬をつねって誤魔化しながら宿泊先に向かう。




~三日目~




ハイドはリアムとともにインビディア大国を出る。

エヴァはアレッシオがリヴィディン大国に向かうことで、インビディア大国の守りが手薄になることからこのまま残ることを決めた。




~一日目~




時は二日遡り、リヴィディン大国にいるアドルフとアンドリューの場面に移る。

二人も王都にいるジャクソン王からハイドたちと同じタイミングで同様の内容を伝えられる。



「なるほど。では、アセティア大国の伝令は私が引き受けましょう。あそこには面識のある人物もいるので。」


「そうか、ではすまないがよろしく頼む。」



伝令を引き受けたアドルフに対し、ジャクソン王はヘーロスと初めて出会った日のことを思い出す。



「やはり…きみたち流浪人は信頼できる…。」



それを聞いたアドルフは足を止め、少しジャクソン王を試すように質問した。



「我々が数ヵ月の間、行方をくらましていても…ですか?」



それに対し、ジャクソン王は僅かに微笑んだ。

そして少し間を空けた後にこう答えた。



「あぁ。……ここまで長い期間を空けていたのは珍しい…現実世界で何かあったのだろう?」


「!!!」



アドルフとアンドリューは驚愕する。

それはレヴァリィ世界にいるジャクソン王がすでに自分のいるこの世界が偽物であるということを知っていたからだった。



「いつから…ですか…?」



ジャクソン王はヘーロスと出会った日のことをアドルフたちに話す。



それは今日と同じように晴れた心地よい日だった。

ジャクソン王は王都の街に出向き、民と接しながら民の文化を堪能していた。


その時に数名のクヴィディタス帝国軍の兵が侵入しており、ジャクソン王に襲い掛かる。

それを阻止した者こそが流浪人…後にヘーロス・ベルモンテと名乗る男だった。


ジャクソン王は自身を助けた礼にヘーロスを王宮に招き入れ、二人きりで食事をした。

本来ならば、素性の知らない者を大国の王と二人きりで食事などありえない話であったが、ジャクソン王は他人を信じる前に内に秘めた自分の心を信じる男であった。

王の命令ゆえに二人きりでの食事が可能となった。


ジャクソン王は数時間の間でヘーロス・ベルモンテが信頼に足る人物だと確信したのだ。

それはヘーロスも同様だった。



「私は大国を治める王として民の命を重さを知るために今日のような民の文化を堪能している。だが…君は私なんかより命の重さを理解しているように思える…。」


「お褒めのお言葉ありがたく存じます。ですが王が思うほど俺は大層な男ではありません。この手は…血に濡れすぎています…。」


「………。…酒は飲まないのか?」


「どうやらこの酒は俺の口には合わなかったようです…。」



ジャクソン王はヘーロスを見ながら酒を飲む。

ヘーロスには王としての素質があった…


少なくともジャクソン王はそう感じていた。


だが、ヘーロスかれは自分が想像している以上の過去を、現実を見てきたと同時に感じた。



「ヘーロス、君の過去に、そして今に至るまでに見てきた景色を私は知らない。だが…君が[[rb:今日 > こんにち]]までに選択してきたことは間違っていないはずだ。それは君の仲間たちが教えてくれるはずではないか?。」


「……ありがとう…ございます…。」



ヘーロスは少し躊躇いを見せるも、決心した様子で自身の世界、現実世界についてジャクソン王に伝えた。

はじめは信じられないジャクソン王だったが、自身に話すヘーロスの眼差しからすぐにそれが事実なのだと理解した。

ジャクソン王は世界の真相を知ったことで夢を語った。



「ならば、私は現実世界で君の思う一番の酒を飲み交わすのを夢としよう!」



ヘーロスは驚いていた。

自分の生きる世界が本当の世界でないと知りながら、それを受け入れ現実世界に希望を見出す男がいたからだ。

知ってのとおり、現実世界はこのレヴァリィ世界より至る所に闇が広がる残酷な世界だ。

日常的に起こる一般人の死には塵ほどの重みすらなく、毎日が死と隣り合わせの世界、それが現実世界だ。

だが、そんな世界にも自身の夢を、憧れを抱き世界の中心に立てるような男は今後現れないだろう、とへーロスは実感した。

へーロスは人として、そして友として、ジャクソン王に仕えることをここで決心したのだった。



「王が…俺たちの世界のトップにいたら、もっと世界は平和だったでしょうね…。」


「はっはっは!!!そんなことを言っても、もう褒美は出んぞ?」



二人は互いのために乾杯した。


二人の出会いを聞いたアドルフとアンドリューはジャクソン王とヘーロスには自分たちにはない絆があると確信したのだった。

それは主従関係を超えた友のために互いが互いのために仕える……そんな関係であった。


アドルフはジャクソン王の話を聞いた後、どこか満足したような表情をしてアセティア大国に向かう。



二人の交わした酒の味…それは絆を超えた夢の味…

読んでいただきありがとうございました。

新たな章に突入し舞台は再びレヴァリィ世界へと戻ってきましたね!

ハイドたち流浪人はヘーロスを救出し、そしてハイドの秘密に解き明かすことができるのか…?


次回2話をお楽しみに!

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