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「じゃあママ、行ってきます」
私、アリス•カートレットは学校に行く為いつも通り家を出た。パパはテーブルでコーヒーを飲みながら新聞を読んでいたし、ママはいつもの様にスクランブルエッグとトーストの朝食を準備してくれた。確かに、いつも通りの朝だった。
自転車に乗り、近所のコンビニを通り過ぎ、大通りに出る。家から学校までは自転車で15分の距離。この大通りをずっと右に進んで、駅が見えたら手前の道を左に曲がって、大きな本屋を右に曲がれば学校に着く。それから友達のクロエと、ミーラと、ハンナのいつもの仲良しメンバーと合流していつも通り授業を受ける予定だった。
しかしーー
アリスは大きな衝撃で自転車ごと横に倒れる。
「なっ、何!?」
急いで立ち上がろうとしたが、地面がぐらぐら揺れる。立ち上がれず、その場に座り込んだ。周りからは悲鳴と、避難を促す声。
「危ない!」
誰かが叫んだ言葉が、自分にかけられたものだと気がつくまでに数秒かかった。後ろを見ると、スローモーションのように建物がこちらに崩れ落ちてくるのが見えた。