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「帝国のメイド遊戯」~婚約破棄に賭けた皇太子。ならば受けて立ちましょう! そのやりとりを、ただ見守るだけの私です~

「そなたとの婚約を、破棄させて頂こうか!」
「いきなり、何を言い出すのですか?」

 大ブルクハウセン帝国の皇太子、ブルクハウセン・セラフィーノ様は定例の婚約披露パーティーで言い放ちました。
 受けて立つのはアテマ王国の第二王女、アテマンツィ・マリアンジェラ様であります。
 贅の限りを尽くす現皇帝ブルクハウセン三世が治める大帝国と、質素倹約を旨とするアテマ王国は国情が水と油ほど離れていました。両国の溝は埋まらず、若き二人が代理戦争のように激突いたします。
 私は皇城の見習いメイド、ラファネ・エリーザ。
 地方のさる小さな貴族の出身です。
 皇太子セラフィーノ様のお世話をしながら、日々この国の行末を案じております。
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