地味に生活基盤を構築中⓵
再投稿、ネット反映にゴー!
※2022年6月14日 加筆修正致しました。宜しくお願い致します。
※レマイア領中央領公館に現在も滞在中
この領公館に務めている文官職の者達は、実務上は机に向かい続ける者とそれ以外の一定の者達は午後の3時前後に休憩が取れる。中には早出の出勤者もいるので、その者達は前倒しのフレックスタイムがあるのさ。そのまま延長するブラックな仕事事情は無いから、引継ぎが終了とともに帰宅出来る。
部署が違う騎士等の外仕事をする者達は、そちらの規則に従って従事するのだが今はそこは省こう。
それは振りじゃないよ、フラグも不要さ。そっちの仕事の効率を考えるのは、そっちの方達に任せるのが一番だもの。生産職なら効率化の先に何かを求められるけど、仕事の時短に何を求めるかは本人達次第だし。
執務に戻った父様が再度俺を呼び出すまでは、時間を潰す為に進められた高そうな茶を啜る事にする。ここで従事して無いお母様とセオを除けば、メイサリスとこの場を従事する使用人達数名がご相伴するのだ。誰もが思っている裏の支配者はお母様なのだが、気軽に出張っては困るしそんな事案は欲しくない。必要なのは平和だよ。
「坊ちゃま、それは美味しいのですか」
そのなかで失礼なサナーはまさに失礼を隠さない、極まっていると断言してやろう、失礼な!それに飲み物だから飲んでるの。罰ゲーでもないし!
「う~ん、一応は調味料として売り出されているけど、カシア茶と同等に茶として飲む地域もあるんだよ。まあ、食品として安全性に問題がなかったから多様されたんだよね」
「左様でございますか。それにしましても、多量に摂取し過ぎではありませんか?腹黒・・色濃くなっています」
誰が腹黒だよ、俺の事知り過ぎじゃねえか?付き合いは短くないがな。って言うかこれに興味深々だな。こを飲まずにチョコを作れって思ってるのかな?そっちはそこそこの手間なんだけど。
出されていた高級茶に美味しさを感じなかったから、ホットココアに挑戦したのが仇に成った。その臭さがサナーは気に成ったのだろう、臭いだけなら甘味系の香ばしさがあるからな。
まあいい、一度台所に戻ってサナー用にと1つ作って持って帰る。今度のはそんなに色濃く作ってないし、さらに薄味のミルクを混ぜ込んだ・・そして甘さ多目のミルクココアが爆誕。原料がキヤロブ粉だけど。
嬉しそうにそれを飲んでいるサナーは、その物の評価を声に出す事は無かった。あれか?一人で飲みやがって的なあれか?そんな子に育てた覚えはないぞ。勝手に色々育ったみたいだが。人の物を欲しがる思春期か?人体実験に染まり過ぎじゃね?甘味限定だけど。
「こちらもレシピ登録をするのですか?お兄様」
「う~ん、それも又微妙かな?」
子供舌のセオには甘い飲み物は公表だが、興味を集めても売り価格だけでなくこれの登録の維持費用は馬鹿にならない。ちょっとした我が家の味とか、各々の家の嗜好品な扱いで良さそうだ。
「坊ちゃまこの香辛料は、そこそこ高価な品物と聞いております。以前に登録をした料理に、肩を並べられるのでは有りませんか?」
いや、だからそれって俺の黒歴史なんだよ!カウンターがジャブ扱いか?耐性レベルを無視して蝕むわ。侮れない女だサナーわ。こっちを見る目が宜しくない。飲み物だけじゃ止められないのか?
「面白そうです。早急に手続きを済ませて置きなさい。茶会を開き、茶師達の鼻を明かすのも又一興でしょう」
「流石、奥様で御座います。あの茶師達には、少し煮え湯を飲ませたいとこの所思い抱いておりましたので」
「茶だけにね」
あっはは・・サナーに合わせたのにスベッタわ。そんな目で見んなよ!面白くてもこの場じゃ笑えないと・・うん、知ってた。そだね、負け気分でこいつを登録しとくよ。って言うか、茶会が相当ヤバそうだよ。茶会のイメージが違ってる気がする。闇鍋に負けない何かなのかも?レシピ登録されれば、登録者が責任を取るから問題無しってことだな。俺か!
領公館にて領主との謁見を開始しました。ご対めーん、さっき振りだけど、そこはお構いなしでずっずっずいーと。てかさ、ここでのメンバーがおかしくね?事務局のお偉いさんが家の執事なのはアリだが。議事ではくても書記も必要になる・・な。
だが、サナーって何係?とことんお茶で引っ張るの?喉が枯れる程に時間掛ける気満々じゃねえか。ハァー
「概略の説明が先程と一緒になりますが、今一度資料を使って説明させて頂きます・・」
こんなのは、それを何時頃からかの不信な金銭の動きを見識したか、それは一時の間違いや誤りで済ませられなく、意図的だなと犯行の経過をこれで確認した訳だ。
その後は経過の範疇であったが、犯罪に認定出来るか?の精査を続けていた。それでも疑わしきは罰せずの範囲を超えてしまったから、致し方なくだけど裁量の判断も必要と成るに至ったのだよ。
「明記した書類で確認して貰いたいのですが、個人で隠し持った金銭であれば総額の一部が税金として判断出来ました。ですがこちらに明記された金銭は、形的には被害者達が搾取された物です。理由は何であれ、結果的にそこにも税金が含まれています」
「また、面倒な事を」
「それでも事実は明確に成っておりません。そちらは被害届けが出されないので、これを扱うのなら盗賊の物取りと成ります。なれば、その金銭はすへて査収として受けるのが宜しいかと」
「奴らはそれで納得しておるのだな」
「はい。それまでに集めた金銭を、どの程度まで明確に出来るのかに奮闘中ではないでしょうか。下手に低く見積もりでもすれば、痛いしっぺ返しがあるとは申し付けて置きました」
「その辺りも擦り合わせる必要があるか」
「明確に出来る所は奴等の雇用者数でしょう。不明になり易い当時の雇用人数は現段階より過小ですが、そこはこちらの落ち度にはさせません。自分達で墓穴を掘ったのですから、現段階の雇用数に3年分の食費を算出させました。飲食の金額が右肩上がりになったのもここ1年ですから、不足には成らないでしょう」
「後は、裁定からくる懲罰をどの様に下すかか・・その辺は少し考えよう。お前への報酬をケチると、こちらに災いが降り(妻から)そうだからな。・・そう言えば、自立したいと前から望んでいたな。奴等の持っている動産の、目録でも作らせるか」
「過分な配慮に感謝いたします」
「・・そう思うのなら、もう少し家に寄るがいい。レーベルが過分に、お前に情を推しているのは解るだろ」
「あははは・・不出来な息子で申し訳ございません」
見えたよ!何って?うんうんと肯ずくサナーが。しかも、しっかり見える場所に移動するとか、魂胆が見え見えじゃねえか。そこは知らん振りしたかったよ。それは何の納得なんだ?サナーの変幻自在に驚くばかりだ。
何故か身長が変わるんだぜ、俺の鼻くらいの背丈の筈がアゴ下まで低くなる時がある。上目づかいの笑顔があざと過ぎだ、美味しい甘味の献上でお許しを。
年上資質がまったくないな。肉感ぐぅふ!妄想突っ込みも凄すぎる。イリュージョンスキルもカンスト済みか?衝撃はは要りません。
◆
うん、引き際宜しく領公館を後にした。直ぐに戻ったけど何か?忘れ物じゃねーし。あれですよ、キャロブの飲み物を商業ギルドにレシピ登録をしに行く訳だが、飲み物にも名称を付けないといけないのだ。
このキャロブの粉は、ココアやチョコレートの偽物と扱いがひどかった筈なんだが、こっちの世界だと肝心の本家が見当たらないんだよね。だから亜種などの扱いでなく、相応の知名度まで確保されている。そんなのは今は関係なくて、折角ならそれなりに売れそうな名前にしたいのよ。
だがチョコに被らせるとパクリだと言われそうでしょ?面倒にならない程度で、ミルクココアっぽい奴は<ブラパァフェ>に決めました。意味も無く繋がりも無いが、もしかの伏線はあったりして?知らんけど。
はい、それは直ぐに回収します。後で困るのも嫌なので、母様にその名称を伝えに来たのさ。その名<ブラパァフェ>とギルドにレシピ登録をする事を。名前が無いからと膨れ増えるフラグは、この辺の処理で全て回収出来てる筈だ。
茶会・・知らん。拾おうが放置しようが、何かのフラグに使われるだろう。不幸とも言う、運の悪い奴は何にでも巻き込まれるからな。それこそ時の運だよ!金時マメが欲しい。
※レマイア領中央商業ギルド物販商品登録部門食品課
「はぁ、味あいが生かされているのでしょうか」
早速不満たらたらでそんなギルドの担当さんの、批判コメントらしき呟きが聞こえたが貴族の思考を侮られては困るのだよ。
それだけの用事でここに来るだけでも貴族らしいが、ついでをするのが庶民の心構えだ。いや、俺ってブラブラな感じでしょ?ブララブと呼んでいいぜ!
あー実のところね。<米粉パン>に派生は付き物になるが、その範囲のカバーも必要なのですよ。<米粉パン>の中に餡を入れた<糖餡入りパン>も売る積りだから。つまり、<米粉パン>にベリーソースなどの添え物は、なぜか派生に扱われない訳だ。
そんな一体させた合体物のプレイなら、それは派生料理なのだよ。キャロブの粉は調味料として登録されているから、そんな使いは問題なく<ブラパァフェ>で煮込む料理は・・もうブラウンソースだな。似非のココアパウダーや怪しい添加物はこっちには無いもの。
だから天然素材で希少品な物はかなりお高い。遠方からの取り寄せとか、頑張るマンな魔物宅配の普及を待ちたいね。いっつプライムだな。
銅貨10枚の定食に、ブラウンソースを咥えたスープが参入だぜ。3日・・いや4日分の食費が一食に集約される計算に成るか?コクと風味が最高!貧困家庭に不幸を!世の中そんなに甘い訳はないが。放置されそのまま逸失する案件だな。貴族が頑張れ。
お母様の事だから思いも吉日も何でも特急だから、茶師達は早々にお呼ばれするわけですよ。その時に慌てるのは俺な訳で、ここぞとばかりに呼びつけられるのも俺なのです。そこは口実が・・愛が重いよ。
17歳にも成ってる息子の顔がそんなに見たいのか?・・そうね。この世代なら3日も見なけりゃ、老けてたりするかも?サナーが、ババァ臭く見えないのは何故だろう?おっと殺気が!
急ぎの理由も茶師達への意趣返しなところだから、奴等は普段の暇に任せてオタクな事を言うのかも?それでも数少ないレパートリーに欠けてる茶なんだぜ、それのどの辺を誇張しているのだろうか?変な興味は持ちたく無いから放置しよう。
いやいや俺の触手ではかるなら、お茶に絡んだ茶器でオタクるぞ。うーんこれに味わいの深みが増しました・・とか。目が張りますな等と言いつつ髭を引っ張る。髭は・・寄生貴族がそこそこ生やしてるな。
ちょこちょこ生えちゃう髭の濃い人達は、その手入れが大変なんだよね。それなりの身分の人は、それらも世話人に任せている。ついでにちょろっと切られたりしてるから、日頃の対応は無下にしたら不味いみたいだ。
俺なんて殆ど生えてこないけど、刃物を持っている時のサナーには目を合わせない。何を切られるか解んないが、絶対に良い事は無いし何かしら切られる予感はするからな。今日はサービスしときますーって、全く欲しくないサービスだ。
ああ・・以前に恐ろしかったその時を思い出したわ、何も無さそうな俺を引ん剝いて何かを探すサナー・・何でもいいからすいすいと切りたかったらしい。刃物を使いたがる子供心とか言っていたな。俺の大事な所を引っ張り持ち上げていたが、そこの回りに切るものは生えていなかったぞ。それも最近にようやく揃った感じなったが。
次回も宜しくお願いします。





