なんでも屋は暇じゃない

　ある日を境に、モンスターがヒトが住む地上を目指すようになった。それに対抗すべく、ヒトも同じように、ダンジョンと呼ばれるモンスターがいる地下に潜る事になる。その者達を、冒険者と呼ぶ。
　素行の荒いヒトが多い冒険者だが、そこから更にはじき出された者達がいる。冒険者だった者が、冒険者の資格を剥奪される。それは最大級の侮辱であり、一生消えない不名誉である。

　そして、マッドも同じように、冒険者の資格を剥奪された。この不名誉があるせいで、どんな場所でも蔑まれる。この不名誉のせいで、仕事に就く事もできない。
　だが、そんな人でも入れる場所があった。なんでも屋『ウィ・リンク』。だがそこの店主は、かなり個性的で、権力などを恐れる事を知らない人物だった。
　そのせいで、度々厄介ごとが舞い込んでくるのだが……