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それでも世界は美しい。  作者: はるあき
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ー俺の嫁プロジェクトー


『あなたが一番愛するものは何ですか?』



2050年、日本は2度目の高度経済成長を迎えようとしている


その影にはHRI(ヒューマロイドイノベーションズ)が開発した『俺の嫁』による空前の大ヒットがあったのだが、それによって日本は深刻なヒューマロイド依存症を抱えていた


ヒューマロイドの汎用化に伴い、男のための『俺の嫁』も『私の彼』へと進化し、今では『働くそれ』にまである世の中


リアルな恋愛が美しいのか、ヒューマロイドとの恋愛が美しいのか、


あなたは一体何を尊いとするのだろうか?




「今日から俺もついに社会人か、、、いってきます父さん」


着慣れないスーツに身を包み、ポツリとどこか寂しげな青年の声が病室に響いた。


西暦2040年、日本は2度目の高度成長期へと突入していた。


その原因となったのが、HRIヒューマロイドイノベーションズの大ヒット、ヒューマロイドだ。

通称『俺の嫁』と呼ばれるこの商品は、人工知能と人間とほぼ同じ肉体をもつ、いわゆる人口生命体である。


日本は東京オリンピックを境に景気の落ち込みが懸念されていたのだが、この俺の嫁の空前のヒットにより、アニメ先進国としての1面も相まってか世界的大ヒット、今日の高度成長へと繋がったのだ。



_______________________


「おっはよー!」


明るい声とともに、背中に急激な痛みが走る。振り返るとそこには、ボブに近い髪の長さで目をクリクリさせた、妹とも呼べるような少女が興味深そうにこちらを見ている。


「どうしたの、浮かない顔して?」


何千回と繰り返したであろうこのやりとりをしながら、その少女はにこやかに笑いながら俺に顔を近づけてくるのであった。


「うううう、、、美咲いつもながら痛いよ」


この明るい彼女、加藤美咲かとうみさきとは小学校からの幼馴染だ。

父親と美咲の母親が大学の同級生だとかで、幼い頃から美咲の家族にはよく面倒を見てもらっている。


「今日から私たちも同じ新社会人だね!」


美咲はそういうと、僕の前でまたも目を輝かせながら笑ってみせるのであった。


この日は、高校を卒業して初めての出勤日。新社会人になった初日だった。


真新しいスーツに身を包んだ僕と美咲は偶然にも、いや狙ったかのごとくこの日は同じ職場に初めて勤務する記念すべき初日だったのだ。


真白ましろには私がついてないとダメなんだから!」


これまで何回聞いたか分からないこのセリフとともに、桜が舞う住宅街で僕の少し前を歩いていくのだった。


僕の名前は、古城真白ふるきましろ。今年高校を卒業したばかりの、いわゆる新社会人だ。


今日から美咲と同じ配属となるHRI対策室に勤務となる。僕たちが勤務するHRI対策室は国家公務員という職業だ。


人工知能とロボット技術の急成長によって、HRIより生み出された『俺の嫁』いわゆるヒューマロイドが大ヒットとなると、人々はこぞって『俺の嫁』を購入した。


そのニーズは凄まじく、それによってヒューマロイドに依存しすぎる人が相次ぎ、リアルの生活に支障をきたす人が多く出てきたため、日本は国家レベルで見直さないといけなくなったのである。


そして作られたのが、このHRI対策室というわけだ。


その新入社員として僕と幼馴染である美咲はこの部署に、めでたくも同期入社したわけである。


街はヒューマロイドと人間の共存が進んでおり、男の夢として生み出された『俺の嫁』も、今では『私の彼』に汎用化し、さらには『働くそれ』にまで至っている。


『働くそれ』とはかなりひどい言い回しだが、中にはこのこのようなヒューマロイドに対する認識を持つ人間もいるというのは事実なのである。


電車に揺られながら、初出勤に期待と不安を抱いていると、気づけばすでに目的地だ。


HRI対策室は駅と一体になっており、この距離感が緊張を加速させる。


駅と一体になったビルからエレベーターで上がること数分。


スマートやシンプル、そんな言葉が似合いそうなガラス越しのオフィスにHRIと記された文字が僕の目に映るのであった。

*初めて小説を書きます!しっかり自他共に面白いものを作れたらと思いますが、応援いただけたら嬉しいです!


シリアスっぽくなってますが、ラブコメとシリアスのメリハリで面白いものができたらと思ってます!

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