宝箱と 恋の契約
「ナヒ?ブロウカイニ ヘロト?」
遅めの昼食に かぶりついていた時、とんでもない 話を 持ち込まれた。
「舞踏会だ、マヌケ。食べてから 話せ」
ーあなたから 話しかけてきたんでしょうが、 ったく。
若様は、招待状らしきものを ちらつかせながら、のたまった。
「あいつの 誕生日を祝う舞踏会に お前を招待したいそうだ。
何でも、この前 助けてもらったお礼を 直接 言いたいらしい。
遠慮したんだが、王妃様もお前に 会ってみたいとおっしゃって
陛下とともに ご出席 される。
だから お前、つわりがひどいから遠慮しますということで、欠席しろ」
「えっ?つわり?いい薬草があるよ。調合しておこうか?」
「・・・・・お前、ほんとうに サイテーだよな。男が 子ども産んで どうしろっていうんだ、全く・・・」
ーあんたが それ いう?
心の中で ツッコムものの、じぶんが どんだけ ダダ漏れ発言かましているのか
聞いてみたくなる。
ーあたしは あなたの恋人でもないし、なる気なんて さらさら無いんだよ。
もっとも なれるような 生まれでも ないんだから。
そのへんくらい ちゃんと わきまえてるよ。