旅人達〔過日譚 三〕
フェアリアの灯りが届かなくなった所で、ようやくアルが合流した。
「わりぃわりぃ。
あの姉妹が行きたいって言っててな、宥めてきたよ。
セレンが居ればある程度なら守れるからな」
「セレンってメイドっぽいが、闘えるのか?」
「ははは。
あいつをナメちゃいけないぜ。
普段こそあんな感じだが、いざってときはオレより強いんじゃねぇか?
なぁ、依巳莉」
「ん?
そぉねぇ、アルより強いんじゃないかな。
だって、手がつけらんないんだもん」
活発そうな依巳莉が言うんだ、きっと相当なものなのだろう。それなら、姉妹を任せておいて安心だろう。
「なぁ、レイヴ。
レイヴはよぉ、この辺りから出たことないんだよな?」
「あぁ。
この旅で初めて外に出てるんだが」
「どうだい?
同じことを繰り返す暮らしよりさ、楽しくないか?」
「確かに驚くことから、悲しいことまで色々あるが、今はがむしゃらだから楽しむまではいってないな」
「そうかそうか。
これから色々見て感じてみればイイさ。
土地によっても色んな違いがあるからな。
依巳莉の居た島なんて、この辺りとは全く違った文化で面白かったぜ?」
「あたしんとこは、独自の文化があるからね。
島国だから」
「依巳莉は島国から来たのか。
どこにある島なんだ?」
「そぉね、どこと言われても、ここからじゃ凄く遠いよ。
ここから大陸を東の端まで行って、そこから船で二日ほど行った所だから」
全くピンと来ないが、もの凄く遠い気がした。
それだけアル達は、ずっと旅を続けているわけだ。
「レイヴ、まだかにゃ?
もう眠いにゃ」
ミィの唐突な言葉にムリもないと感じた。朝から夜中まで動き詰めで疲れも溜まっているはずだった。
「どうなんだ、まだなのか?」
薄暗い中、アルが地図を確認する。
「まだだな。
この先に小さな村があると思う。
そこで休むことにしようか。
んで、夜中に着くように行こう。
オルドさんよ、村からはどれくらいだ?」
「半日もかからない。
昼過ぎに向かえば夜中に着くだろう」
もう日が昇ってもおかしくはない筈だから、十分休めるだろう。
しばらく無言のまま歩いていると、日も昇り始め、話にあった村に着いた。
そのまま宿へと直行し部屋の椅子にオルドを縛りあげると、同部屋のアルと共に眠りについた。




