文句たらたら
「へぇ。それはそれは」 何だか素っ気ない反応だが、実はかなり驚いている。
んなばかな。
そんな、なんと言うか、自己犠牲ができるような立派なやつだったんか僕。
何だか、思わず、僕の姿、まぁもう自然のなかに溶け込んでいるらしいけど今更ながら、見つめ直していた。
しかし、僕はそんな人間ではないはず。
僕は、仲間の死を背負って生きるような人間ではないし、
一粒の稲穂を犠牲にして何百の稲穂を助ける人間じゃあない。
それこそ聖人のような、ご立派な教えを持つ人間からは程遠いと、
僕は、自覚している。
だから、そんな、
助けたという話を聞いてもそんな人がいたのですかふーんという、関心をもちながらも、無感動。道徳の授業で配られたプリントでの授業の感想みたいな無理やり押しつける感動に似ている。
先生の「これは素晴らしいことだから皆さんもやりなさい」ああ、校長先生や上司の長話での内容にも近いかも。
だからこそ心に響く長編フィクションを見た方がよほど説得力があるのである。これも上記のやつと同じでは?と思うかもしれないけど、カテゴリーのような、物が違うと思うし、
だいたい、だいたいそうだ。こいつの言っていることも本当の話か怪しい物だ。
もしかしたら、僕をでっち上げた話で、そうやって褒めて、称えて、
調子に乗らせながら、なにか嫌なことでもやらせようという魂胆ではないか?
もしかしたら、僕をでっち上げた話で、そうやって褒めて、たたえて伸ばして、
調子に乗らせながら、なにか嫌なことでもやらせようという魂胆ではないか?そうだ!そうに違いない。
こいつは、僕のことをさっきから騙そうとしている。だいたいさっきからこいつが喋っていることも、
中学生が考える天国みたいな感じだし、
そもそも僕が死んでいるのかも怪しい。もしかしたら、僕は、いま病院で意識を失って、それでもいきようと思って必死になって頑張ってるかもしれないのだ。
こいつは本当は、
「悪魔」で、僕のことをたぶらかして、魂を抜き取ろうとしているのかもしれないんだ。
まぁ、それこそバカな想像なのかもしれないが......
しかし、いまこうやって夢の世界みたいなところにいるのだ、そんなこともあり得るかも。
つまりはこいつは僕を騙している可能性があるということだ!だから、
「僕が、「本当に死んだという証拠を見せろって?そりゃ無理な話ですよ」
管理人となのる者は、僕が言いたいことを先に言ってしまった。
僕は、言葉を失った。
彼に僕が言いたいことを先に言われたことに、動揺して、続けられなかったし、僕の考えていることを
当てて見せたのだ。
(先程、僕が言いたかった言葉は、つまりは思考の結論にだったから。)
だから真っ直ぐ受け止めることができずパニックすら起こしているかもしれないのだ。自覚がないだけで。
彼は、僕が次の言葉を出すことができないことを読んだのかどうかわかんないけど、そのまま続けた。
「あなた体は今頃火葬場で、焼かれて灰になってるはずです。だからもう、あなたの体は、「無い」に等しいのです。」
「そんな......ばかな...」 本当に、本当に無くなったのか?
「まぁあなたの灰なら今ならまだありますよ。
よろしければ持ってきましょうか?」
「いや.......いい。」
僕は手を振った、ように思った。手がないから振れない。
......あーあ、大きなショックはあとから来るって言われているけれど、本当だなぁ。
なんとなくだけど、こいつのいっていることは本当だと思った。証拠はないが、直感的に僕は、死んだのだ。と思った。
「呆気ないねホントに」
僕は、再び同じことを言う。
しかし、一度目に言ったときよりも絶望的な気持ちであった。
管理人は慰める。
「まぁ。死因が事故犠牲による人助けだったからまだよかったじゃないですか。自殺とかだったら、
あれかもしれないけど。 まぁ、来世でまた頑張れば良いじゃあないですか。」
「ハハハ。そうですね......来世?」
来世。まぁ、記憶を失うんだから、絶望のしようもない。結局、やり場のない絶望だけが残ったままである。
僕を見ていた管理人は、「ああ、つまりあなたは望んで、人助けをした訳じゃあないのね。」
と一人納得した。
「そうですよ。はっきり言って無意識だったとおもいます。無意識であの二人を投げ飛ばしたのだとおもいます」
僕は、いった。
すると管理人は、ニヤリと笑い、僕にある提案をしてきた。
「それじゃあ、転生、とかどうです?」
「はぁ?」
さぁて次回いよいよ転生