まるで、天国のような
短いです。
まぁ、元々そこまで話を長くする気は無いのですが。
ここは、どこだろう?
何だかふわふわとした心が休まる所だな。
まるで、干したばかりの布団にくるまっているようだ。暖かくて、気持ちいい。甘く、いい香りもした。
....でもおかしい。
ぼくは、さっきまで、
こんな、空気が清らかな場所ではなくて、
まるで地獄のような場所で、走っていたはず。
火の海をなんとか潜って抜けられたはず。
......まてよ?地獄?
ぼくは、ひょっとして、死んでしまったのか?
――――ご名答。
背後より声がした。
誰だ?
僕は、声のする方向へむいた。
そこには一人の女性が裸足で立っていた。
私はこの場所を司る者と言えばいいでしょうかね?彼女は、言った。
この場所を司る者?いや、その前にここはどこだ?
ここは、始まりの間。
あなた方で言う、天国です。
そして私は、そこを司る、管理人と言えばよいでしょうか?
彼女は、微笑んだらしい。優しいオーラのようなものが出てきたらしく、僕はそれに包まれた。
不思議な気分だった。
しかし、彼女の顔が見えない。
彼女の髪の毛が長くて顔がよく見えないのだ。いやそもそもその髪の毛の色ですらはっきりしない。
彼女の髪は、白色である。何色にも染まってない真っ白のキャンパスである。
ここの色全体が白だから、それと合わせているようにも見える。
死んだ?なぜ?僕は、あの倉庫で、ぼくの同僚と視察に来ていた女性と一緒に燃えさかる倉庫の中から必死に逃げていたはず。
僕は聞いた。
女性と言った際、管理人の顔が一瞬その女性に見えたのは気のせいか?
管理人は、無言で手を出した。
するとほわんと
ぼくの前に丸い球体が現れた。バランスボールみたいだったら。
その球体には映像が流れていた。僕は覗き込む。
そして瞬間僕は、映像を見て、顔に出るほど酷く動揺した。
「こ、これは......!?」
僕の、天井に押し潰されて死ぬ瞬間の映像が流れたのである。