須藤 泉4
あの馬鹿女に家を追い出されましたが特に問題はないです。新しい家が見つかるまでお父さんの病院の当直室で暮らしますから。
…問題点はお兄様がいないことですね。いい加減あの担任にも喋って欲しいのですが私が全力を注いで探ってもボロが出ません。何なんでしょうかあの人は。お兄様のために肌などのことを考えて毎日6時間は寝ないといけないのがネックです…
そんなことをしているとそろそろ学校に行く時間になりました。まだ交渉材料がないのに…憂鬱な気分で学校に向かいました。
「…はぁ…」
「泉ちゃんどうしたの~?」
クラスの比較的仲が良い女子が話しかけてきます。今それどころじゃないんですけどねぇ…
私のクラスの担任はご自身が夜の街で酔っ払ってやってしまったことをこっそり伝えてあげたら親切にも私がお兄様のためにクラスでもパソコンを使うのを許可してくれました。
まぁお兄様の為ですから当たり前と言っては当たり前なんですけどね。
「…ちょっと江口先生に虐められててね…」
「へぇ~あの人ちょっと口が悪いけどいい先生って噂なのにね~泉ちゃん。何したの?」
「質問。」
「どん…」
「泉さんいますか?」
…何か嫌な奴の声が…
「あ、いた。…ちょっといい?」
今あなたに構っている暇はないのですが…
「何の用ですか財部さん。」
自然とこの人の前では冷たい口調になってしまいます。
「少し人気のない所に良いですか?」
「…はい。」
どうせ注目を集めているし、この人もお兄様絡みの話でしょう。付き合います。そして私たちは移動しました。
「…ワー君の事なんだけど…江口先生で止まってて…」
「…私もです。」
成程…悔しいですがこの人にはやはり一歩遅れているようですね…
「ウチの情報力の全力を使おうとしたらそれが出来る田辺さんが拒否しちゃうし…」
「…私も学校のサーバーにハッキングしましたがめぼしい情報は得ることが出来ませんでした。」
悔しいですが江口先生は学校用と自宅用で完全に分けているみたいでヴィルスを特定個人で送ってみましたが欲しくもないデータしか手に入れられませんでした。
「…ハッキングとかできるんだ…」
「えぇまぁ…」
お兄様と会っていなければずっと続けていたでしょうね。まぁもう封印していたんですけど…
「…ん?」
私の掲示板に動きがあったみたいですね。…何でしょうか。とりあえず調べてみましょう。
するとそこには信じられない物が載っていました。
「…急にどうしたの?固まっちゃって…」
「…プリクラってあるじゃないですか…」
「?うん。」
急にどうしたんだろうと言う顔で財部さんは私の顔を見てきます。…同性の私から見ても可愛いと思いますが、お兄様は渡しません!…じゃなくて、
「最近のって撮るとネット上でアップされることがあるんですよね。」
「…まさか…ワー君が!?」
「…えぇ…」
私は問題の物を財部さんに見せました。
「っ!こ…これは…誰?」
「…フフ…フフフフ…フフフフフフフフフ…」
お兄様はこんなに心配している私たちを放って置いてこんなことをなさるんですね…フフフフフフ…
「…ワー君の隣にいるこの娘…誰…?」
おっと…財部さんもスイッチ入りましたね…前にお兄様が知らない女とお店に行っていたと言って前の家に来た時に見この顔…思わず私も一瞬引くぐらいで…
幸いその時は文化祭の買い出しと言うことで特に問題はなく、次の週にデートと言うことで落ち着いたんですが…今回は私も擁護できませんね…
「…泉ちゃん…」
幽鬼のような声で財部さんは私の名前を呼びました。それでも可愛いこの人は反則だと思います。…いつもなら無性にムカつくんですが今回は…手を取り合えそうですね…
「…まずはこれがどこで取られたモノか…調べましょう。」
「うん…」
「それを基に江口先生に鎌をかけてみましょう。」
「…とりあえず…そのプリクラ…どこで手に入るか教えてくれる…?田辺さん…江口先生と争うのは駄目だって言ってたけどワー君自体を探すのは大丈夫って言ってたからこっちでも調べるよ…」
「では手分けして…」
さぁお兄様…唇を洗って待っておいてくださいね…
…ヤンデレ…タグに入れるべきですかね…




