第9章 奇妙な噂よろしくお願いします
酸陀ー損とともに五派四ハウスへ向かった
歩くのは疲れたのと、他のメンバーに先を越される可能性もあるため、こっそりとレンタカーを手配していた
レンタカーの運転は酸陀ー損に任せた
彼はなかなかのドライバーだった、なんとも心地よい運転をしてくれる
少しだけ見直した
そんな我々は優雅に、そして颯爽とハウスへ乗り込んだ
つもりだった
途中で見事に地元警察に絡まれてしまった
「よぉ、何しに来たんだい、鬼流駆捜査官様様」
地元警察で最も有名なポリスマンである魔瑠賦炉がいやらしい表情と口調でおれらに話しかけてきた
「ここを通してくれマースカ」
「ふむ、ここを通すこと=我々の邪魔をするといっているようにしか聞こえないがね」
「何を言っているのだ、私たちはドライブを楽しんでいるだけだ
何を邪魔するというのだ?」
「その顔が語っている、現場へ行くんだろ?勝手に捜査するんだろ?」
なんとしつこいやつだ
おっと、やばい、酸陀ー損がぶち切れ寸前だ
「わかった、わかった、勝手に捜査なんてしないからとにかくここを通してくれ」
「ふん、どうせ、この事件は我々が解決するに決まっているし、もう解決寸前だ
現場にいっても何もないぞ、まぁせいぜいドライブを楽しむんだな」
怒りで脳の血管がきれそうになったが、おとなしくその場を去った
しかし地元警察が解決寸前というなんてことは・・・
何か決定的な証拠か何かが見つかったのか
そして五派四ワイフがすでに彼らの手にあるということも考えられるま、なにはともあれ
現場にいかなきゃ何も始まらない
現場に何かがあるという確証もないが
そのとき突然酸陀ー損が奇妙なことを口走りはじめた
奇妙なのはいつものことだが
何が奇妙かというと彼らしくない標準語で淡々とこちらを凝視しながら訴えるように話し始めたのだ
「鬼流駆さん、私の話を聞いていただいてもいいですか?
実は今回の事件とは関係ないかもしれませんが五派四さんのパートナーついて少し妙な噂がありまして」
「妙な噂デースカ?」
「えぇ、私が日本に滞在していた頃に聞いたことがあるんです、五派四さんのパートナーは研究者です」
「あぁ、研究者ってことは知っているが」
「何の研究をしていたかご存知ですか?」
「医療関係だったかな」
「そう、表向きは医療関係で世界を飛び回っていると。
ただ裏ではあるテロ組織に所属しているらしいのです。」
「テロ組織デーストッ!!」
「その組織の名は『アパチーズ』」
アパチーズ・・・私はあまりの衝撃に失神&失禁しそうになった