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第5章 あの日あの時あの事件よろしくお願いします

「五派四・・・なんてことデースカ!!!!!」



五派四,いや,かつて五派四であったそれはトイレの床に仰向けに倒れており,既に腐り始めていた.部屋に立ち込める特有の臭気がそれを示唆していた.それに五派四は確かに地黒ではあったもののここまで紫色を含んだ暗褐色ではなかったし,眼窩周辺の異様なくぼみは私がかつて葬儀屋でバイトをしていたときに何度も見た現象だ.また,鼻からどす黒い液体が流出しているのも確認した.血液だろうか?ぺロリ..こ,これは腐敗した内臓汁だ.意外と腐敗が進行している.触ってみると四肢などはカッチカチだ.まだ暖かい時期だとはいえ,これはかなり時間がたっていそうだ.少なくともパーティ時間に生きていた可能性はないだろう.今朝かそれより前に絶命したと思われる.気がかりなのは未だ死因が見えてこないことだ.鼻から流出していたのは血液ではなかったし,そもそも目立った外傷が存在しない.着衣の乱れもないようだ.まあ,ただの病死かもしれないしそこまで調べる必要は無いか...現状では説明できない事柄も散見されるが...仕事柄勝手にいろいろと考えてしまう...フッフフ,悪い癖だ.



「ちょ,な,なにしとんねん!!」

参打ー損の存在を忘れていた.彼は醜くうろたえている.

「残念デスガ...」

「ご,五派四死んどんやろ?は,はよサツ呼ばな!!」

そういえばすっかり忘れていた.まあ私にはサツなど呼んでも足手まといにしかならないのだが・・・それにその前にやるべきことはある.


「はい(イエーツ),しかしながら,チョットだけ気になることがあるのデース」

「なンかしとんねん!はよ呼ばなかんやろがボケが!」

「シハシハ,落ち着きナサーイ.まず気になったことの一つ目は,施錠デース」

「なんやと?確かに便所は開いとったがそんなもん関係あらへん.俺かていつも開けっ放しや」

「あなたは少し人と違うタイプみたいですねシハシハ.まあトイレもそうですが...私はこの家の玄関すらも戸締りしてなかったのが気になりマース...」

「俺それこそいっつも戸締りせえへんで!」

「アナタと一緒にしないでクダサーイ.普通は閉めマース.それに彼はコウ見えても捜査官デース.悲しいことデスガ我々は家でも油断できまセーン」

いちいちこのクズのような酸陀ー損の相手をするのは疲れる.だが今の段階で勝手にサツを呼ばれて現場を荒らされないためにもこのカスにいちいち説明しなければならないのか.


「次に,この倒れ方デース」

「普通こんなもんやろが」

「マズ,仰向けに倒れているというのは変デース.普通こういうところで死ぬ人は便器に向かって,時に便器の中に顔を突っ込んで絶命してイルのがセオリーデース」

「ま,まてや,こうも考えられるんちゃうか.つまり,ババし終わって立ち上がったときに発作かなんかで...ああっ!!」

「便座は....上がってマース...」



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