第4章 五派四ハウスよろしくお願いします
五派四には美人のワイフがいた.
ワイフは日本人であり,かなりのアジアンビューチィーであった.
しかし彼と彼のワイフは一緒に暮らしていない.
彼のワイフはジャパンの研究者らしく多忙であり別居している.
私も彼女とは数回しか会ったことがない.
謎に満ちた女性である.
もしかしたら急に誕生日を祝うために彼女が五派四を尋ねてきたのかもしれない.
もしそうだったら野暮なことはしないでおいたほうがいいか.
死んだ魚の目をした酸陀ー損がようやく私に追いついた.
呼び鈴を鳴らすも反応はまったくない.
広い屋敷のため,中の様子はまったく伺えない.
五派四ハウスの扉は重厚だった.
2人で一緒に扉を開いた.
ギギギッギッギギッギ
不快な音を立て扉が開いた.
鍵はかかっていなかった.そして玄関の灯りも点いている.
玄関にはきれいに磨かれた革靴がそろえて置いてある.
これから出発しようとしていたかのようだが・・・
「ミスター五派四!いマースカ?」と私は叫んだ.
「五派四さん、何してはるんですか?」と酸陀ー損がそれに続く.
まったく返事はない.
「手分けして探シマショウ,酸陀ー損!」
私はリビングへと向かった.酸陀ー損は2階へと向かった.
リビングには誰もいなかった.
キッチンと庭を確認したが,はたして人影はなかった.
一通り1階は探したが・・・
私は駆け足で2階へ上がった.
「酸陀ー損,どうでシタカ!?」
「NOですわ,寝室にも書斎にもいてはりませんわ.」
「困りマシタ..どこへ行ってしまっタんでショウ?」
「おほぉ,あかん,あかん.漏れそうや,ちょっとトイレいってくるわ.」
「お前は頻尿野郎デースカ!!!!」のん気な酸陀ー損に怒りをおぼえた.
「OHHHHHHHHHHHH,MMMMMMMY,GODDDDDDDDDD!!!!」
酸陀ー損の絶叫が響いた.すぐさまトイレへ向かった.
死んだ魚のような顔をした酸陀ー損が突っ立っていた.
彼の視線の先に五派四の変わり果てた姿があった.