第2章 8年前の事件よろしくお願いします
私には夢があった.
それは友の夢でもあった.
私は友の意思を,友の夢を継いだ・・・つもりだった.
あんなバカなことをしたばっかりに私は・・・
この1年間,考えるということを放棄していた.
考えれば考えるほど自分の愚かさ,罪深さに苛まれ生きる気力を失っていった.
しかし死ぬことはできない,死ねば楽になるかもしれないが,やはり心の奥底では友の事件のことが私を支配しているようだ.
西城大学内に侵入した.
完全なる部外者である私がこのキャンパス内に入ることはすなわち不法侵入だ.
しかしそんなことは今の私にとっては関係ない!
雨はやまないばかりかより強くなっていった.
昔のことを強制的に思い出させようしている雨だった.
友の事件が全ての始まりだった.
その事件は8年前のクリスマスに起きた.
五派四は私の同僚であり親友でもあった.
いつもコンビを組み数々の事件を解決してきた.
年は私より3つ上で友であり兄のような存在であり尊敬していた.
五派四が31回目の誕生日を迎えたのがちょうど事件当日であり,その日に彼は亡くなった.五派四の誕生日パーティーを開く予定だったが開始時間になっても彼は姿を現さなかった.
遅れるといった連絡もなかった.
時間には几帳面な彼らしくない,何かあったのかもしれない.
そう思い私は同僚の酸陀ー損と彼の家に向かったのだ.
そう,急に降り出した雨に打たれながら・・・