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2.狂信してしまいます。

 もうまどかが中心に世界が回っている。

 毎日の二礼二拍手一礼にせっぷんふたなでいちきすと順調に道を外していた俺のまどかは階級が上がったのか一回りは大きくなり、とてとてと歩き回るようになった。


 今は夏らしく浴衣を着てはしゃぎ回っているのだ。可愛い過ぎて激写してしまった。ついでに言うなら俺の待ち受けは両手を広げて抱っことせがむ上目遣いのまどかだ。


 たまにビキニを着て待ち構えていたりするから要注意だ。

 テレビの影響からか色々と服装を変えている。どういう仕組みかはわからないが、可愛いから良しとする。


 日に日に増していく狂信したごころは抑えは効かず、まどかもまた自重という言葉を知らぬというようにチュッと唇をそっと押し付けてくれる。


「まどかは小さくて可愛い」


 ギュッと胸元に御身からだを寄せてしがみついているまどかを手の平で支えながら愛でる。

 スリスリと顔を寄せて来る小さな暖かい温もりを感じていると、上目遣いでこちらを見上げるまどかと目が合うと、小さな唇が開く。


「小さい、好き?」

「好きだ」


 可愛らしい声を録音してしまったが、これは秘蔵に取っておこう。他に聞かせるには勿体ないというか、ただ単純に聞いていると知っただけで嫉妬にかられる。


 俺の神様だ。

 小さくて可愛い尊い(いとしい)人だ。


「愛しているよ、まどか」


 まどかにだけは優しくありたい。

 嫌われたくないから、偽りではないが俺の汚い部分は見せたくない。


「優」


 その名に恥じない人間でありたい。


「好き」


 舌足らずにならなくなったまどかの言葉は相変わらず単語だけだが、それも可愛い。

 まどかは本当に可愛い。


 艶やかな美しい濡れ羽色の髪を撫でた。

 同系色の瞳はジッと俺の姿を移す。


「俺も大好きだ」


 指で髪を撫でつける。本当は梳いてあげたいのだが大きさからして下手なことは出来ない。


「まどか」


 ピタリと張り付いたまどかは思い切りギュッと俺に御身を抱き付いたまま離そうとしなかった。


 またそこが可愛いんだよ。


 だらしなくデレデレしているだろうと容易に想像出来る自分の顔を他の奴に見られたらきっとナメられるだろうが、そこは別に良い。


 俺の神様まどかはまさに天使か妖精のように可愛らしい。いや、ランクが下がってるような、まぁ、細かいことはどうでもいい。


 とにかく、可愛らしい。

 目に入れても痛くないほどに可愛い。


 どうか、消えたりしないでもらいたい。

 その一心で俺はまどかをめでる。


 神様は一般的に個人が一人占めするものではないのはわかってる。だが、見つけて保護した人間はそれなりの報酬が懐に入る。

 現存する神様は力が強い。消えたりするのは見えないだけでそこにいるのではないかと囁かれるくらいだ。


 まどかはいつか俺以外からも信仰されてしまうのだ思うと、ムカつくのだ。


 願わくば、永遠に俺だけの神様まどかであってほしい。



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