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14.褒めすぎないでください。

 まどかは可愛い。


「似合う?」


 幸のチョイスは肌の露出がない白系統で纏められた服を身にまとうまどかはこれまでにないほど可愛らしい。

 まどかのためにあるような服だ。


 そして、頬を仄かに染めてはにかんむまどかは本当に可愛くて仕方ない。


「すっごく可愛い」


 新品の靴でトコトコと歩いて抱きついてきたまどかをしっかり抱きしめる。

 …なんだろちょっと感触が違う。


 柔らかいけど、前より…いや、ダメだ。これ以上は止めよう。

 悩ましい問題だ。


「まどかちゃん、頑張って」


 もじもじとしながらまどかは決心したように顔を上げた。いつも以上に魅力的に見える上目遣いな目が心臓がどぎまぎする。


「優、あのね、そのお買い物に行きたいの」

「うん」


 初めてのおねだりだ。

 すっごく可愛い。


 あまりの可愛さにちょっとクラクラする。心臓が爆発するんじゃないかと思うくらいに煩くてきっとこれはまどかにも分かってしまっているだろうと思うと熱が込み上げる。


 ぎゅっと抱きついて俺を見つめるまどかに耐えきれず、柔らかいふっくらとした唇にキスする。


「別にラブシーンとかいらないし、さっさと買い物に行かない?」


 空気の読めない妹だ。

 名残惜しいが唇を離す。変わりにぎゅっと抱き締めてまどかを堪能することにした。


「まどかちゃんにお洒落教えないといけないし、替えの衣類は必要だし、ちゃんと神社に行ってまどかちゃんのこと聞かないと…」

「…まどかは俺の神様だ」

「一応よ。神様について詳しく聞いておかないと、病気になるのかとか」


 病気。

 そう言えば、無理やり成長を止めてたからか、高熱だしたりしたな、まどか。


 今は落ち着いてるけど、また何かあったら、俺は何もできない。


 無力だ。


「…わかった。まどかもそれでいいか?」


 コクリと頷いたが、きっとあまり理解していなさそうだな。


 あの時の高熱は成長を無理やり止めていたからとまどかは言っていたが、何かの神様の病気だったらと思うと青ざめるしかない。


「まどか、外は危ないから絶対に俺から離れるなよ」

「お兄ちゃんの方があぶないっつーの、変質者」


 ムギュと腕に張り付くまどかは本当に可愛い。

 変なことを言ってる可愛くない妹とは大違いだ。本当にまどか可愛い、真面目に言うが本当に天使みたいだ、神様だけど。


「優」


 にっこりと無邪気な微笑みを浮かべたまどかはやっぱり、酷く可愛くて、何故かつつっと何かが伝う感覚がした。



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