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13.外堀から埋めましょう。

 俺の妹と知ったまどかはにっこりとご機嫌な様子だ。


「ま、まどか様」

「まどかでいいよ」

「え、で、デモデスネ」


 明らかに助けを求める視線を送られても困る。まどかは基本的にマイペースで自由なところが可愛いんだ。


「じゃあ、まどかさん」

「むー」

「ま、まどかちゃん」


 ああ、まどか可愛い。


「幸ちゃんはどうして来たの?」

「ごめんなさい」


 可愛いのになんで震えて青ざめて謝るんだ。


「…まどかさ…ちゃんは服とかお兄ちゃんに買ってもらってるのですか?」

「…服?」

「そう言えばどうやってるんだ?」

「は?」


 いつの間にかまどかの服は変わってる。可愛いから疑問に思ってもすぐに忘れた。

 何着ても可愛いがもっとなんか、なあ。


「自分で作ってるの」

「…神様らしい」

「神様だからな、まどか」


 パッと服が替わった。

 何ともいえない。やっぱり男としては着替えシーンはロマンが詰まっているようなものなのだ。


 神様だからな。

 やっぱり人とは違うか。可愛いから許すが、なぜかやりきれない。


 幸はそれにビックリしていたがすぐに眉間に皺が寄り、そして、恐る恐ると言ったようにちょっと声を潜めてまどかに聞いたが、近いから自然と聞こえてきた。


 聞き耳を立てていたわけじゃないぞ、断じて。


「まどかちゃん、下着付けてる?」


 コテンとまどかは首を傾げた。


 下着。

 そういや、付けてなかったんじゃ。されじゃ、毎日。


「優、血!」

「大丈夫よ、のぼせただけだから」


 服越しに胸。

 柔らかかった。


 そう、とっても柔らかかった。


「本当に?」

「本当本当、ね、お兄ちゃん!」

「あ、ああ」


 ハッと我に返って相槌を打つ。

 鼻を手で隠す。


 最近、本当にこんなんばっかりだ。大丈夫だろうか、まどかに嫌われたりはしないだろうか。


 落ち着け。


「洗面所行ってくる。まどか、幸とお話してなさい」


 いや、してください。

 女の子のことは女の子が一番だ。


 幸も一応は女だしな。


「うん」


 コクリと頷いてまどかは幸を見つめた。複雑だ、軽く嫉妬する。


 まあ、男の俺にはわからないことがあるんだ。仕方ない。とりあえず早く鼻血を止めよう。


 なんやかんやで洗面所から出て来ると幸が勢い良く俺を見たと同時に口を開いた。


「財布頂戴!」

「何でおまえに」

「まどかちゃんの服とか買ってくるから!」


 そう言われたら大人しく財布を渡すしかない。確かにし、下着とかは必要だしな。


 俺は狼にならずにいられるだろうか。

 けだまとけがわに頑張って貰おう。



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