朝食までの道のりも訓練
脳みそに関して少し触れています。
独学なので曲解があるやもしれませんがご了承願います。
右脳
脳みその右側であり、直感、創造性、つまりはイメージや音楽についての働きを主としており、
つまりは感覚を司っている。
この右脳は幼少の頃までは左脳の論理的思考よりも優勢である。
が学校教育で言葉や計算、論理的思考を習うに連れ次第に左脳が優勢になっていく。
もちろん左脳は大事だが、右脳だって必要だ。
なら幼少の頃から自我の確立ができているために論理的思考をしている望は、右脳を鍛えるとどうなってしまうのだろうか?
私は今、自分の家の廊下で目隠しをされてメイドさんの後ろを歩いている。
もちろん足音なんて一人分。
一応、こうしている訳は一つしかないけど重要であったりもする。
というか私が頼んだことの一つである。
空間認識能力または空間把握能力なんて聞いたことは無いだろうか?
物質、物体が現実にある状態。
その物体の位置や情報をすばやく正確に知覚することである。
ぶっちゃけて言えば遠近感が良くなるってことでもいいと思う。
この能力は二次元的、つまり地図などの紙に書いてある物体を三次元的に頭の中で展開するのに必要な能力である。
他にも、飛んでくるボールをつかんだり避けたりする行動、コレも空間認識能力にあたる。
もちろん、あたらなければ避けなくても良い。
狙った所に何かを当てる行動も空間認識能力が必要になる。
私の感覚で説明すれば、現実に対する認識力を上げる訓練である。
そのトレーニング方法は目を閉じることだ。
普段何気ない行動を、目を閉じて行うと、空間認識能力は活発に活動し、トレーニングになる。
この能力は右脳によってコントロールされており、人間の構造上、女性より男性のほうが能力が高いとされている。
男性に生まれた一つの利点かもね。
コレもまた私がこの世界で実現させたいことの一つの下準備。
完全に趣味だけど自衛になるしね。
五歳になるまで絶対に家から出さない。
コレだけでアースの日本みたいに治安が良いわけではないと断言できそうだ。
全部の家がそういうわけじゃないと思うけど貴族の息子という立場なら仕方ないのかもしれない。
「着きました」
「正解でございます。では朝食です」
目隠しをといて扉を開ける。
……珍しくダニエル父さんとその後ろに控えている専属執事のヘラルドさんがいた。
ちょっとばかり大切なお話があるみたいだ。
「おはようエリック」
「おはようございます。父さん」
コックが料理を運んでくる。
朝からパスタですか。しかもすこし油っこそう。
見た目はペペロンチーノかな?
「食事が終わったら少し大切な話がある」
「わかりました」
この世界では食物に感謝をするという概念がいないのか、食事前の挨拶みたいなものがない。
フォークとナイフを逆の手で持ち、心のなかで頂きますと唱えて食べ始めた。
やっぱり油っぽい。
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食事が一息ついて、
「エリック。誕生日おめでとう」
私は自分で朝、今日は誕生日だと思っていたのにすっかり忘れていた。
でも、これが大切な話かな?
「ありがとうございます」
「昨日、母さんと話し合ってな?エリック、お前をヘルムート学園初等部に編入させることにした。出発してもらうのは明日だ」
「…………………サラ母さんと?」
なんとか一応、言葉を搾り出した。
ふぅ。
……そうですかサプライズですか全く。
学校はいい。いや、良くはない。なんで出発が明日?
なんで今日までずっと黙っていたのか。
そんなものはわかりきってる。両親だからだ。
………いや、ちょっと待って!準備とか何!?どうするの!
うわ、むっちゃニヤニヤしてるよ!
ヘラルドさんも表面上何もリアクションをしていないが、内心笑っていることに違いない。
アンナさんは―――――じゃなくて!
「ああ、サラなら心配ない。、また少し忙しくなってきたみたいでな?会えないのが残念だと言っていた。四年後楽しみにしているとも言っていたぞ」
あー!それでもない!っとそうか今年も会えないのか。普通立場が逆だろうに。
ん?四年後ってことは学校四年間しかないのか。
いや初等部とか言ってたし高等学校とかもあるのだろう。
けど、一応長期休暇とかあるはずだし厳密に四年後に会うってことはなさそうだ。
嬉しいけど、多分また学校の中で最高級の~とかなんだろうなぁ。
確かに酷い学校とかには行きたくないけれども、毎回毎回一番!なんて一番のありがたみが薄れると言うか、少し勿体無い気がする。
贅沢な悩みだけどね。
……ん?おかしくないか?なんで私の誕生日のすぐ後に学校に入学するんだ?
「ダニエル父さん、明日って学校の入学式なんですか?」
「いやいや、そうじゃない。入学式は半巡り前だ。だが問題はない。お前は八歳になったんだからな」
それ全く理由になってないよ!
つまりは編入ってことか。ということは……
「一年早く入学させたということですか?」
「うむ、さすがエリック。ちゃんと理解してるな」
つまり、満八歳で入学するのではなく満七歳で入学するということ。
父さんも無茶するなぁ。
「編入試験があるはずだがお前なら問題ないはずだ。なにせ五歳で四原則魔法を使うことができたんだからな。学校で思うように過ごしてきなさい。あんな地下室なんかでやらないで」
うわ~、父さんの気遣いが痛い。
いつかはバレると思っていたけど結構早かった。
うーん、秘密地下室が秘密でなくなったのはちょっと痛いかな。
あの地下室は基本四原則魔法でつくった妄想作品だったりする。
自分の部屋が一階だったし、床の一部分をぶち抜いて結構大きめの地下室を作った。
問題はどうやって土を掘り起こすかだったけど、掘りだすのではなく、地魔法で土を押し固めて空間を少しずつ作り出していった。固めた土は壁代わりにして無駄が出ないように。
家が倒壊しても困るからそこそこでやめたけど。
まぁ、それはそれとして。
「ありがとうございます」
ちゃんとお礼は忘れずに言っておかないとね?
武器に関して伏線を2つほど張らせて頂きました。
すでにお気づきな読者様もいるかと思います。
だけどその武器の一番複雑で一番必要な部分がまだ残ってますね。
どーするかって複雑にしなきゃいいんですよ。
それでは次話で。
別視点はまだまだ書けてません書けません。