物品の評価は使ってから
快感
只々気持ち良いと感じること、快いと感じること。
その人による行動理念の根底、喜びや幸せなどの上向きの感情と密接な関係にあり、
それぞれの価値観の部分についても、人間が本能的に求める快感は大いに関わる。
そしてそれには、それ自体に薬物のような中毒性がある。
その快感を元にする行動、つまりはそれに依存することで、自分の感情を快感で満たしたいという欲求がまた生まれるからである。
前述のとおり快感は感情と密接な関係、つまり精神的に深く根付く因われやすい。
抜け出すのはかなり容易ではない。
何気ない日常のなかで、人は何かに依存する。
ドラマを見ることをに、ゲームで遊ぶことに、本を読むことに、運動することに、危機を感じることに、行動することに。
これらはホンの一例で、それらはいつの間にか習慣となり依存する。
人が生きるための行動であったとしても、それは生きるためという依存である。
……ベットの質感が気に入らない。
目覚めから一番最初の思考が、可もなく不可もなくとそんなベットに不満を愚痴る日となるとは。
ベットの価値とは、寝起きに決めるものだと思いたり。
いつものように、グループの誰よりも早く目が覚めて外に出る。
顔は出さずとも、雲に燐く朝日の光。
森林の中にある学校よりも湿度が低いためか、少し肌寒い。
身体に温めるためにもゆっくり伸びをしながら、魔法で作った温水を一口。
……さて、さっさと済まそう。
街外れ、物好きがいない限り見つからないであろう場所に陣取る。
そして、
「気高き強固な地の意思よ その身は深く 平坦な地へ化せ」
整地をしてーの、
「気高き強固な地の意思よ その身は円柱となり その身を現世に映し出せ」
厚めの石材板置いーて、
「気高き強固な地の意思よ その身は筒となり その身を現世に映し出せ」
その上に繰り抜かれた等身大近くの石筒を置けばー、
「完成っと」
はい、簡易五右衛門風呂(石材版)の出来上がりでございます。
そして多分このまま水入れたら漏れるので、ミスリルを使って石床と石壁の隙間を埋める。
……隙間を埋める材料がミスリルなんて、傍から見たら勿体無い使い方なんだろうなぁこれ。
いやでも普通に再利用(?)できるし問題ない、問題ない。
私にとってお風呂は死活問題なのです。
それこそ、大事な大事な食事の次には。
そして、服を脱ごうとした時、ふと気づく。
……例え身体が男性になろうとも、裸を見られて喜ぶ性格になるわけがなく。
学校の周りに生い茂っている森の中の浴槽は、結構深い所に作っているから別段気にもしなかったんだけど……。
ここじゃちょっと不安が残るわけで。
「……うにゃぁ~!」
地属性魔法、バンザイ。
簡易五右衛門風呂、入出方法は重力魔法使用によるジャンプとなります。
目立つかなぁ……。
「あぁ〜……染み渡るわヴぁぁ……」
……この時の快感は本当にたまらない。
お湯の熱が身体に染み渡っていき、じわじわと火照ってくるこの感覚。
お湯を少しかき回したりして、温度を均等にさせて喉元までしっかり浸る。
石壁に囲まれているけれど、少し顎を上げればまだ暗くも暖かな光が一面にあり。
小さくて切れ切れな雲が流れてくるのをゆっくり眺めながら、またかき回して湯に浸る。
血液がいつもより速く巡っていき、体中に散らばっている筋肉がほぐれていけば、私の脳みそが思考回転していく。
何をどう訓練するか、何について思想思考しようかと考えていく。
そして、今日はどんなことが起こるのだろうかと。
この魔物を狩りに行くという前提条件だけの下、証拠もなく、デタラメで、根拠もない上に物語のような、でも異世界なら起こりうるそんな事象を想像する。
もちろん、それに対する自分にとって最善な対処法もセットで。
また、妄想を繰り返す。
伸びをして、また見上げた青空に流れる雲が一つ。
石って結構重たいんですよね。
簡単に調べて計算したら、厚さ十センチ、長さ百八十センチ、横百センチで約五百キロほどと弾き出されました。
まぁ、これがサバイバル時ブーニング先生撃退の時のモデルであったりします。
石の比重は2.8で計算しておりますので、実際もう少し軽かったりするかもですね。
ですがその時エリック君は「少なく見積もっても」、と言っていたので実際はもう少し大きかったのかもしれません。(自分の未熟さを隠してなんかいませんよ? ええ、計算を間違えたりしてませんとも……はい)
そして、読者には最大の謝罪を。
ようやくして復活となります。
いっきにポーンと書けなくなる時がやっぱりありまして、二週間以上おまたせする結果となりました。
更には大学と自動車学校とまぁ忙しくなりまして……っとここは言い訳の部分ですな、申し訳ない。
できる限りは週一でやっていくつもりではいますので、これからもこの物語をよろしくお願いします。
一人でに跳ねまわってくれる登場人物を作るのは難しいですねぇ。
作れる人が羨ましや〜。