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神様の好奇心は人をも殺す  作者: all
靴下を履けない本編
50/59

抱えて背負って進むのもいいじゃない、人間だもの

みつお

属性による魔力消費量の差


 同じ魔力量を消費して、属性魔法を発動。


 その魔法行使によっての効果の威力、範囲大きさには違いが出る。


 それは勿論、有用性の方向性(ベクトル)が全く違うのだから、厳密に比べられるものではない。


 地属性と光属性の魔法を比べたとして、魔力量に対して効果範囲が違うなど、そんなものは当たり前である。


 それでも魔力に対して効果が大きい順位、つまり対魔力効果(コストパフォーマンス)が高いとされている順位があり。


 それは、地、火、水、風、治癒、光、雷、闇、重力とまぁこのような並びである。


 私的な見解としては前後範囲で誤差があるものの、そこまで間違っているわけでは無いと考えている。











「いや〜お前らが来てくれて助かったぜ。Bランクなんぞ、ここにいる奴ら(ごろつき)を相手させたら還ってこれねぇからな」


「その言い様はひでぇや」


「Bランクなんて無茶いってくれるぜ」


「そんなの相手にするより、俺は酒をかっ食らってた方がいいや」


「小物を狩った後の辛い酒を、ってか?」


「「ハハハッ!」」


 帰って来ればもう黄金色の夕方。


 それなりに使い込まれている獲物をぶら下げながら、談笑するゴロツキおやじ集団。


 その中心にあるテーブルに緑なんて色はなく、肉一色で野菜の『や』の一文字もない重厚とした空間。


 ……あの輪に入っていけるのはクランさんしかいないんじゃないかな?


 それで、と前置きされて。


「この皮どうするよ。かなり良い状態だ、こっちで買い取ってもいいんだが」


「いや、一回なめすだけで頼むわ。仕上げは向こうで俺がやる」


「わかった、んじゃ二日、三日ぐらいくれや。これだけの代物だ、始めをしっかりとやっておかねぇと勿体ねぇ」


 ということで、戦利品の消耗を防ぐため滞在期間が伸びましてしまいまして。






「で……本当に私が貰っていいんですか?」


 場所は宿屋も宿屋。


 男女別に二部屋借りたら、私は女子部屋にお呼ばれ。


 クランさんは一人寂しくお留守番です。


「も〜違うってば。だから、それはエリック君の戦利品!」


「倒した人が戦利品として持っていくのは当たり前なのですよ〜」


 いやいや確かにね、私がほぼ一人で倒しましたよ。


 しかも皮が硬いと聞いて、お金に変えるのも勿体無いのではないか、と思って口に出したのも私だし。


 ……丸々全部貰えるかなーとかチラッと考えたりもしましたけども!


「なら、せめて私の分の宿泊代だけでも払わせてくださいよ……」


 二戸の宿部屋、五人分の食事、そして期間は三泊四日に増えてしまい。


 私の一言が滞在期間を伸ばしたようなもので、居た堪れない。


 その上、金銭全ては向こう持ち。


 ちょっと気にせずに要られる範囲は超えてますからね!?


「……エリック君。フィルカニア・フォレストウルフを私達だけで倒そうとすると、ともすれば敗北して逃走――いや、全員命を落としていたかもしれない相手なんだ。


 それを安全確実に対処してくれたんだから、これくらいはさせてくれないとこっちが困ってしまう」


「でも……」


 私も割り切ればいいんだろうけど、どうしても考えてしまう。


 なんというか貸し借りとかそういうんじゃないけれど、気がすまないというか……なんだろう。


 相手の好意を素直に受け取れない……とか?




 ……私ってば結構陰湿な性格なのか。




 キャロラインさんが諭すように、


「エリック君、私達にとっても悪いことばかりじゃないんだよ?


 結局滞在するんだから、ちょっと依頼こなしてお小遣い稼ぐつもりでいるんだよね。


 それでエリック君にも手伝って貰うつもりだし、それでよしって事にしない?」


 と言ってくれた。




 記憶で言えばもう二十後半の年月が流れた。


 それでも私はまだまだ子供なのだなぁ、と思ってしまう。


 割り切って行く事が正しく、そのまま大人になるという訳でも無いと思うのだけど。


 









 その日、お風呂に入れなかったことだけがちょっと不満だけど、仕方ないね。


あれれぇ? おかしいぞぉ? また何かのフラグが立ってる気がするなぁ。


行き当たりばったりの弊害。


前回、メイン終了とか言っておきながら、コレだよ!


……いやいや、そのままスルーということもありますぞ。


この外出系の後の題材は一応決めました。


学園で苦い思い出と言えば……いろんな候補がありますが、その内の一つが正解です。


それではまた次話で。




大学が始まる~ぅ。

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