決闘の時
短い!
妄想も今は良いのが思いつかいないので保留!
いつか書き足すと想います。
すいません。
火属性魔法
その名の通り、火を操る魔法。
この世界では四原則魔法と呼ばれている魔法の一つ。
攻撃魔法として最も扱いやすく、そして威力も高い。
具現化魔法としてそのままの火、炎の実現化。火球や火矢などの形状などのバリエーション。
効果魔法としては物質の温度の高温化。レベルが高ければ融解も可。
特徴を纏めれば、応用の利かない扱いやすいパワーとして見れる。
具現化魔法的にも効果魔法的にも、防御に向いている魔法とは言えない。
私的には、複合魔法などで栄える種類であると考えている。
発動するときのイメージはそのまま焚き火の炎。
始まりの時
そこは人が密集しているのにもかかわらず、静けさが支配している。
いや、正しくはその中心だけは向かい立ち会っている女生徒と子供の空間が広がり、その回りに観客という集団が囲っている。
囲いの一部が割れ、審判と言う名の先生が通り、魔法具を使い、狭くないその空間に結界が張られていく。
その後ろには学園お抱えの治癒魔法師が見える。
「両者……準備!」
なにかしらの結界が張られたにもかからわず、その声はよく届く。
空間内にいるのは二人。
物音ひとつしないさらに静かな静寂。
軽く沈み込む顔、二つの頷き。
しかし、まだ幼い子供は緊張しているのだろう、少々震えが目立つ。
それでも勝負の時は――
「………開始!」
――やってくる。
「火の意思よ その強き炎は面前の敵を打ち砕くっ バーン・スパーク!」
「気高き強固な地の意思よ その身は障害を弾く盾なり 我を守護せよ」
半身になり、片手を突き出し、その平から花火が散り、今にも暴発してしまいそうな火の玉が打ち出される。
攻撃魔法の簡易短縮詠唱により詠唱は地属性魔法防御の方が少し遅れる、が攻撃魔法の飛翔時間のラグにより十分に間に合った。
……空気の振動が伝わる。
それを見越してか、女生徒は合いの手のように次の魔法を紡ぐ。
「火の意思よ 火矢は我の意に従い敵を討てっ スフィア・ラインフレイム!」
突き出された手を握ると、円状に火の矢が並べられ、その手を解くように開けば、矢の様に打ち出された。
魔力で作られた幾つもの火の矢は、相手との距離を直径とした楕円球の表面軌道を綺麗に描く。
その子供にはもう横に避けるスペースはなく、後ろに動いて時間を稼ぎ、防御出来たとしてもジリ貧になるだろう。
……相手はその小柄な体躯を利用して前に避けた。
いつの時も、勝負は一瞬で決まる。
そしてこの決闘も例外にあらず。
子供は魔法を使わず回避し、間合いを詰める。
……状況は逆転した。
彼女の魔法を失敗として演出した。
彼が魔法をその選択をしたこの時、決まった。
―――――――――――――――――――――
「……コレは決まった! アイーナ・ランダルスの得意技スフィア・ラインフレイムをくぐり抜けてエリック・シルフィールドの反撃、まさかの勝利です!」
「うん、自分の体躯を活かした素晴らしい反撃。地属性魔法をそのまま叩きつけての一撃も、無防備の相手には十分な威力だね」
「見事な戦術です。エリック・シルフィールドが子供とはいえ、実力者の称号を持つものとしてそれなりに認められたことでしょう」
「今回賭けが行われなかったことが悔やまれるけど、エリック・シルフィールドへの挑戦者は多いでしょうね。実力者としては今ひとつ……足りないと思うしね」
「今後の展開に期待できそうですね! それでは実況者ことシリィ・アストレアと」
「批評者、カナリア・ベーンストーンでしたっと。終わり」
おお、解説がある。
結界貼られていたからか全然聞こえなかった。
生徒が実況してるなんてフリーダムな学校だ。
自分が『実力者』として結構下に見られている、というのはまぁ……。
賭けかぁ……自分に賭けることって出来るかな?
とか考えてたらキャロラインさん達が駆け寄って来てくれた。
「初勝利おめでとうエリック君!」
「まさかあそこで前に避けるとはね。しかし、防御魔法を展開しているとはいえ、恐怖心に駆られなかったのかい?」
「ありがとうございます。あの時は勢いで、ですよ。後ろに飛んだら多分負けてました」
魔法に対してのシュミレーションはバッチリですよ。
「いや、本当に八歳とは思えねぇわ。頭でわかっててもそう出来る事じゃねえぜ?」
「これで良くも悪くもエリックくんは目立っちゃいますね〜」
うん……勝てば目立つけど、ただ負けるなんてそんなの『私』が嫌だ。
五年間の勉強で、今の私がどこまでいけるか試してみたい気持ちもある。
……四原則魔法だけなら知られてるし、これでどこまでいけるか試していくのかが、丁度いいかもしれない。
一応、家庭教師としてのユアン先生には感謝してるしね。
……実力者の称号授与はやり過ぎな感がヒシヒシとしてるんだけど。
というかなんで私を実力者にしたかが分からない!
「まぁ、これで少しはエリック君に対する風当たりは収まるでしょう」
「他のクラスからも結構な反発あったらしいですねぇ〜」
私としても、あの視線を少しでも無くすことが出来るなら、それに越したことはない。
「次からは賭けがあるし、千リールエリック君に賭けてみる価値はあるかな」
「あらクラン、結構エリック君に期待しているのね」
「少々意外な気分だよ」
「意外です〜」
「お前ら俺を何だと――」
「「近接戦闘馬鹿ね(だな)(です〜)」」
……コントですか。
「あ、思い出した。三人でクランにお仕置きするの忘れてた」
今のコントでそれを思い至る要因ありましたかねぇキャロラインさん!
「ふむ、そう言えば。私としたことがすっかりと」
「忘れていましたね〜」
おおう、もう黒いオーラが出てる……。
「あー、ええっとだな。あれ、無しにすることは――」
「「出来ません(ね〜)」」
一問答後、引きずられていくクランさんの目は、庇護欲を掻き立てられる子犬の目でしたとさ。
今回はこれで許して!
大学三回生って想像以上にすっごく忙しいです。
それではまた次話で。
お金の話はまた次話で!