結構おちゃめなチームリーダー?
サブタイトル通り……かなぁ?
朝食
一日のエネルギーを一番最初に補給する食事。
そのためか、朝食は重要だと言われている。
例としては、最近の子供の集中力がない、物事に飽きっぽいのも朝を抜くからだ!と言われるほどである。
他にも、疲れやすい、肥満になりやすい、イライラしやすいなどとも言われている。
だからというわけじゃないけれども、私はあまり朝食を抜かない。
抜くと胃が痛くなるから抜かないのである。
原因はわからないけど、胃に何かあればいいので、遅刻しそうな時でも水か何か入れるようにしている。
だが、朝食を取らないほうが良いと主張する医師もいるのだとか。
なんでなのか聞きたいものだけど、聞いても私の生活習慣は変わらないだろう。
サバイバル三日目
太陽から清々しさを感じる光が、山々に振り注ぎ始めた時間
クランさん作木造ベッド&焚き火と木造建築物のコラボによる熱循環のために、昨夜は気持ちよく寝ることができた。
けども、本物のベッドには到底敵わない。……いや、比べちゃいけないんだけど。
体調に不安があるわけじゃないけれど、一応保険として治癒魔法をかけておく。
今のこの状況は私から見たらピクニックに近いけども、危機感を持つことに越したことはない。
ここは森の少し開けた空き地であり、人の死を予想するのに十分な材料がいるのだから。
「三日目の課題は最終日前日まで拠点防衛訓練になったよ」
三日目と言ったからには二日目、もしかしたら一日目にも課題があったのかな。
……指摘はしない。
表情を変えないように意識しないように意識して、華麗にスルー。
自制するのも結構大変だ。
木の四角椅子に座りながら、昨日クランさんが狩ってきたであろう魔物のこんがり肉と、彩り鮮やかな数種の木の実がメインの朝食。
脂分が多く、火で炙っても大分油が残るお肉は非常にコッテリしていて、ジューシーを通り越している。
朝食としては些か間違っている感が否めないが、それを中和してくれるその木の実。
赤や薄緑の色合いの良い木の実で、特に黄色の一口サイズの木の実は水分が多いのか、食べるとと口の中を洗浄されたかのようなスッキリ感がある。(もはや木の実じゃなくて果実でいいと思う)
私は朝食がっつり、夜は少なめ派なので、まだこのラインナップは好ましい部類だったりする。
……言わずもがな、女性陣は木の実の方がメインである。
「まぁ、地獄チームサバイバルの課題よりマシだな。あーいや、そうでもないのか?」
と、私を見ながらそんなことを言ってくるクランさん。
え〜そうですよ、戦闘経験なんてありませんよ、どうせお荷物ですよ〜。
「クラン、エリック君が落ち込んだぞ。お前はもう少し言動に気をつけろ」
「お仕置き『はもう勘弁して下さい!』――と言ってるけど、どうしますか?」
「いえ、無しでいいです」
声も悲痛だし本気で懇願していたので断っておく。
それに事実だし、お荷物に思われるのも仕方ないと言えば仕方ないしね。
「それより、その拠点防衛訓練のルールが知りたいです」
「そうね、説明しましょう」
話を纏めるとこんな感じだった。
拠点防衛訓練
今回の期間は三日目の昼から六日目の日没まで。
先生たちが仮想の敵として設定された訓練で、どれだけ撤退を行わずに済むかが訓練の趣向。
一チームに一つ、目標を渡され、それを壊されないようにするのが第一目標。
これは、チームリーダーが基本的に持つものだけど、メンバーに渡しても問題ない。
壊された瞬間、そのチームは失格となる。
失格したチームは残りの時間、肉体強化の面目で雑用をやらされる。
さらに、帰ってからの補修授業があるのだとか。
防衛訓練と銘打ってあるけど、拠点の防衛は第二目標となっている。
『拠点は直せるし作れるが、人間はそういかない』
そういう思想のためか、拠点を放棄して撤退をしても、減点対象にはなるが、失格とはならずサバイバルを続けられる。
成績は、失格が一割以下、減点は五割くらいが平均なんだとか。
先生たちを無理に倒す必要はなく、大体は一定時間防衛すればいい。
当たり前だけども、いつ攻撃が終わるのかは先生達の気まぐれであり、一撃耐えられるか試す場合もあれば、稀だけど撤退するまで手を休めない場合もあったり、生徒が一傷負わせれば帰っていく先生もいる。
そういう何らかの設定や制限時間をつけて先生たちが襲撃し、それを生徒が達成するか、耐えることができたら撤退というスタイルらしい。
基本は一チーム対一人で、単純にチームの人数が多かったりしたら、必然的に設定も緩くなる。
先生達の間で情報交換はしない。
だからこそ、普通は先生達に見つからないような所に拠点を敷く。
拠点を最大限簡易にして、見つからないように毎日移動するというような方法とかもある。
つまり、
「私達は結構例外ってことなんですか?」
こんな見つかりやすい木造建築物を、少し開けた空き地に建てている。
マニュアルと完全な逆状態だったりする。
「そうだね。見つかることを前提に拠点を敷く、なんてこの時点で基本から外れているね」
「拠点は発見されてもいい。ただし体をしっかり休める事ができる拠点を敷いて、万全の状態で迎撃する。というキャロの発想だったね」
「なんて言っても楽だしね。どんどん疲れが溜まっていくなんて嫌だし」
「最初の何回かは撤退ばかりでしたね〜」
「あー、懐かしいな……やっぱり無理だ、なんて何度考えたか」
「失格にはなったことあるんですか?」
「失格は……あったかな?」
「覚えている限りでは無いよ」
つまり、キャロラインさんの考え方は間違っていなかった。
それも、このチームなら出来ると確信していたんだと思う。
「もう聞きたいことはないかな?」
「はい、大筋は大丈夫だと思います。後は、食料をどうやって確保するのかが知りたいですけど」
「へ?いつものようにクランに任せようと思ってたんだけど……」
「……前衛がいなくなる時間があるって、結構弱点になりませんか?」
「「…………」」
あ、もしかしてやっちゃったかも!?
でも、前衛が一時的に抜けるのがどれだけ弱点になるかなんて、クラリィさんならすぐに……。
「……おお」
今思いついたような顔をしてるー!!
「キャロ、エリック君の言うとおりだ。クランが元々食料を取ってくる時間がかからなかったから気にしていなかったけど、そこを狙われたら結構まずいと思う」
「確かに今まで俺がいる時しか襲撃がなかったような気もするな」
「そうかも……だけどそういう時こそ、この拠点の真価が発揮されたりしない?入り口だけだったら結構どうにかなると思うし。そういう時こそクラリィの出番だと思ってたけど」
「そうかも知れませんね。どうにかなると思います〜」
「……ああ、そこまで考えてたのか。だけど、まだあれは短縮詠唱でしか出来ない――『ぶっつけ本番問題なし!』――ふぅ、わかったよ」
と、多少あきらめムードが漂っているクラリィさん。
えっと、前衛がいなくなっても問題ない……のかな?
疑問に思っている私に気づいたのか、キャロラインさんが声をかけてくれた。
「大丈夫だよ〜、指摘してくれてありがと。その時はクラリィが前衛の盾の役割してくれるからね。その時のお楽しみってことで」
とりあえず、キャロラインさんは結構おちゃめな部分もあるらしい、というのが判ったことかな。
誰が喋っているか分からないセリフありますか?
どうにもセリフの違いを出すのが難しくてこの話も難産でした。
もう少し特徴をつけたりするべきだとは思うんですが、どうしましょうね?
見方によればクラリィさんがアホの子のようにも思えますが、そんなこたぁありません。
奇抜系と頭脳系は似ているようで違うものだと思ってます。
文章の流れが微妙に淀んでいたり、説明がくどい部分もあるやもしれませんね。
難しい……。
それではまた次話で。
〜三時間遅れの理由〜
最後の微妙なセリフの違いや文章の流れの調整。
明日の十九時でもよかったんですけど、もう六日ほど開いてたので。