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神様の好奇心は人をも殺す  作者: all
靴下を履けない本編
18/59

嘘とごまかしとサバイバル


コミュニケーションを取るために使い方を間違えなければそれなりの効果を発揮することもある。


が、基本的にマイナスイメージとして見られやすい。


まぁ、ことわざとして『嘘も方便』というものがあるからして時には必要な時もあるだろう。


例としては、病人に嘘の病名を告知するなどだろうか。


外国等ではバレてもそこまで深刻な状態にならない嘘をホワイトジョーク。


質の悪い嘘をブラックジョークと言うらしい。


息を吐く様に嘘をつく。


それができなくても、アドリブが効くようにならなければどこかでボロを出しそうである。(主に私の秘密的な意味で)













クランさんが怒られたその後に、クラリィさんに学園専属の保険員に治癒魔法をかけてもらえるように勧められたが、そこまで重症じゃない様に見せて断ったりした。


怒られたクランさんは肉体強化訓練を見直しをさせられ、今回は運動をした気がしない運動だった。


もはや運動といって時間を取るのが無駄なくらいだった。


まぁ私自身がそれだけで納得せず、この間やっと重力を強くすることに成功したので、その後寝るまで自主訓練(日常生活)をした。


金縛りになるようなレベルじゃなかったけども、今度はキャロラインさんにも気づかれて、またクランさんが怒られていた。


今回は完全に私のせいなのだが、重力魔法を使えることを話すわけにもいかなかったので心の中でクランさんに謝っておいた。


この世界では肉体の研究が進んでいないためか、筋肉痛に対する印象が良くないのかもしれない。






実際良い物とは言い難いかもしれないけども。




----------------------------------------




そんな日常が続いてサバイバル当日になった。


筋肉痛にも慣れてきたり、前日は体力回復に努めたりして、体調は万全に近かった。


けども五日間の運動をしていないような体力づくりの効果なんてあんまり無い訳で、楽観ができるようなできるはずもなく。


引率の先生たちもいくら天才児と言われているとはいえ、八歳がサバイバルに参加することは初めてであり、かすかな緊張が走っているようにも見える。


恐らく責任監督であろう先生が、


「出発から期間までがサバイバルだ。最後まで気を抜くんじゃないぞ」


と、遠足の決まり文句のような言葉を発して高等部二年生、生徒数約五百の半数がキャンプ地へ、もう半分はほぼ逆方向のもう一つのキャンプ地へと歩みだした。






結局、荷物は自分で持つことにした。


いくら歩いて行ける所があるとはいえ、周りは森で囲まれている。


そのために魔物との戦闘もあるし、実際襲われた経験もあるらしい。


私も魔法が使えるから戦力になるかとも思ったけど、実戦経験が豊富であろうクランさんの体力を奪う訳にはいかないと思ったためである。


私の今の目標としては、この四人のチームの足手まといにならないことなのだ。






ただ、決して軽くない荷物を持ち、舗装されていないために微妙に傾斜が続く場所を歩く。


そのために、思ったより体力を奪われていく。


更には、子供スタイルのために歩幅が短く、余計に体力の効率が悪い。


息切れ等のお疲れサインが一番に出るのはやはり私だった。


そしてそのサインに一番最初に気づいたのは当事者の私じゃなく、キャロラインさん(チームリーダー)だった。


「ちょっとまずいかも。エリックくんがもう疲れてきちゃったみたい」


「ふむ……一時間ぐらいかな、よく持ったほうだと思う。しかし、休憩までまだ有るから少し厳しいかな」


「仕方ないですよね。八歳だったら30分以下で誰でも息が切れると思います」


「まぁそうだな。しかしどうするよ?」


「いえ……まだ……どうにか」




キャロラインさんの観察眼が鋭すぎる!


軽重力状態の時の私の筋肉痛は分からなかったのに……。


まぁそんなことはどうでもいい。


私は今、外見上八歳だけど、年齢としては二十代後半!


流石にここまで過保護に心配され続けられては私の心が耐えられない。


なら、ユアンさん(家庭教師)にはバレてるし……


「……三十秒だけ時間をくれませんか?」


「ん?全然いいよ。三十秒だけでなく、十分でも二十分でも!」


「三分足を止めるだけでも普通に怒られるぞ?」


「クラン、少し口を閉ざしていろ」


「やっぱりクランさんに荷物を持ってもらいましょうか?」


いや、荷物の件はいいです……。


「あの、これから魔術を使いたいのですが。後、出来ればこれを使えることを秘密にしたいんです」


「ん?、ああ了解した」


「大丈夫!口は堅いほうだからね。クラン~?」


「わかっている。今度はしっかりと口を閉ざしてみせるよ」


「うっかり喋らないように気をつけますね?」


……少し、クランさんに対して心配の種があったりするけど、芽が出ないことを信用しましょう。


引率の先生たちにバレないように、こっそりと少しだけルートから外れていく。


「では、いきます……  天から命ぜられた聖の意思よ 清らかなる大地に満ちるその力 盾となりて蝕む悪しき者から守護し 羽衣になりて抱擁せよ」


体が少しだけ発光してすぐ元に戻る。


しつこいようだけど、今回は足手まといにならないのが一番の目標なのだ。


このサバイバルで得られる何かは後回しでいい。


少しの沈黙があって、おもむろにキャロラインさんが歩き出し、皆がそれに続いた後、隊列に戻りながら小声で口を開いた。


「なるほど。この状況で使う魔法って言うから多少予測していたけど、本当に上位三原則魔法に位置している治癒魔法を使えるなんてね。しかも八歳で。ユアンさんに推されているわけだ」


「それだけじゃない。ユアン先生が言っていたとおり、魔力の効率性が尋常じゃない。初級魔法とはいえ、魔力を完璧に制御していたために全く無駄がなかった。いや、無駄とか言う前に少なすぎるほどだ。本当に効果があったのか疑うぐらいにね」


後の二人はまだポーカンとしているようだ。


ついて来ているだけで、全く言葉を発しない。


「しかしエリック君、なぜ五日前の体の痛みの時に使わなかったんだ?治癒魔法を使っても問題なかったと思うが?」


あー、そのこと聞かれてしまいますか。


ん~どう答えたものか……。


クラリィさん(知的な女性)の言葉にもあるように、やっぱり『筋肉痛』という概念が無いためか、それともそういった言葉が無いためか、全くもって疑問に思って当たり前のような顔をしている。


「いえ、やはりというか深刻な痛み、という訳でもありませんでしたし、経験則ではあの痛みには危険を犯して治癒魔法を使うまでもないと思ったので」


「……まぁ、なるほどな」


重力魔法を使っていなかったら、体を全く動かせないほどに厳しいものでしたけどね!


使ったのは治癒魔法で、重力魔法じゃないしね。


屁理屈だけど一応嘘はついてない。うん、付いてない。


と、クランさんが少しびっくり状態から抜けだしてきた。


「しかし、他にどんな魔術を使えるんだ?」


と思ったら、前に質問よりも数段答えにくい質問をしてきた……。


私が困っているのがわかったのか、キャロラインさんがすかさず飛び込んでくる。


「クラン!なんてこと聞くのよ!」


「そうだね……」


「また………お仕置きしましょうか?」


と思ったら女性陣から援護の嵐を頂いた。


「すいません!エリック君もゴメンな?」


「いえ……四原則と治癒魔法の他に、使える魔術はあります。けど何がどう使えるとは言いたくないです。すみません」




()()に自分自身の秘密を隠したいなら、ここで頑なに使えないといえばいい。


けどせっかくの学園で、ここまで親身になってくれる先輩達(年下?)に、このまま()を付くのは私が嫌だ。


多少はごまかし続けるんだろうけども……。




「ああ、もう気にしなくていいのに!クラリィ?今回は私も参加していいよね!」


「当然だ。私も参加させてもらおう」


「ふふふ、三人でお仕置きですか。今回は厳しいモノになりそうですね?」


「待って!?悪かったのは認める、認めるからさ、せめてサバイバルが終わってからにして!」


あ、それには私も賛成しよう。


私が荷物を持った意味がなくなっちゃうからね。















クランさんのお仕置き決定打は、言わなくてもいい私の『他の魔法が使える』発言だったと思うけど黙っておこう……。

嘘とごまかしの違い?

発言権と黙秘権の違いぐらいですね。


さてサバイバルが始まりました。


転生といった因果律を歪めるようなステータスを持ったエリックこと神坂望。


このまま平穏無事にサバイバルを終えることができるのか!


こんな事言うとフラグびんびんですね。


次話は別視点を入れたいと思ってます。


お相手はダニエルさんではないです。


挫折して別キャラにしました。


では次話で。



19:52

またやってしまいました。


こんどは普通に作り忘れでございます。

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